若手写真家で、札幌・山鼻の自主ギャラリー「cacoi.」を主宰する足立成亮さんの個展を見た。
じぶんのハコがありながら、わざわざ琴似のカフェバーで展示をするのはどうしてなんだろうと思ったけど。
ささっと撮ってこれだけの水準のプリントに仕上げる技は、あいかわらずたいしたもんである。
わざとブレさせた作品もあるし。
もっとも、キャプションなどがなにもなく、ちょっとなげやりな感じもする。まあ、それも足立さんらしい。
会場のカフェバーには、お客さんがまだおらず、マスターがガラス窓越しに入ってくる夕日を浴びながら氷を砕いていた。
写真を撮り展示をする そのルーティンに少々疑問を感じ始める
-そんな意味の、作者のことばが書いてあった。
それについて、ひとしきりマスターと会話。
カウンターの端に、来場者が感想を書くノートが置いてあった。
前の方をめくると、今回の個展の前は、2年前の個展についての感想が書いてあった。
もちろん、そのあいだ足立さんが展示・発表をしていなかったわけではない。
ただ、このノートを置かなかったというだけのことだろう。
なぜ2年ぶりにノートを引っ張り出してきたのかはわからないが。
それにしても、と思う。
ざっと見て、2、30人が感想をつづっているのだけれど、筆者が知っているだけで5人が、いま札幌にいない。
札幌でひらかれる写真展は、出品する方も見ている方も、かなりの部分が学生だから、卒業後は札幌を離れ本州で就職する人は多いのだ。
札幌でも写真でメシを食っている人はたくさんいる。
ほとんどは、学校のアルバムに載せるための写真とか、デパートのちらしに載せる服や食材とか、旅行業者に頼まれてとか、ホテルでの結婚式とか、そういった写真を撮って生計をたてているのであって、じぶんの好きな写真だけで生きている人なんて、だれもいないだろう。日本全国をさがしたって、アラーキーなどの例外を除けば、ほとんどいないのではないか。
仄聞(そくぶん)したところだと、あの、いまの日本で最もスリリングな都市の写真を撮る金村勝氏でさえ、新聞配達をしながら写真家をしているというのだ。
好きなことでメシを食うというのは、うらやましがられることだけど、しかしきわめて困難な道でもある。
足立さんは、そのことを知りつつ札幌に残留して、写真を撮る道を選択した。
今さらこんなことを書くのもなんだけど、歴史に残る写真集をつくった人は、すべてがプロではない。
クラシック演奏家やテレビタレントを、勤め人と並行してつづけていくのは非常に困難だが、写真なら勤めの傍ら取り組むことができる。
ふと思う。
東京や本州へ行った人たちはこれからもシャッターを押し続けるのだろうか。
「先駆者」足立さんには、なんとか、「仕事が忙しくじぶんの好きな写真を撮れないプロ」でも「退職後にネイチャーフォトを撮るおじさん」でもない、新しいライフスタイルを開拓してほしいのだけれど…。
むつかしいかなあ。
むつかしいよなあ。
08年6月2日(月)-14日(土)18:00-25:00、日曜休み
Cafe&Bar Radio&Records(西区琴似1の4 ニシムラビル3階 地図K)
□sam's photo http://dogsam.seesaa.net/
□cacoi. http://mic-ro.seesaa.net/
■MOVE(08年2月)
■OPERA Exhibition vol.2(07年11月)
■bye-bye gallery micro.(07年11月、画像なし)
■micro@ivory(07年8月)
■足立成亮写真展「事の終わり」 (07年4月)
■札幌にぎわいフェスタ“SAPPORO”PHOTOS... (07年3月)
■t-ran:1460-smit(06年10月)
■「Be PHaT!!」第3回作品展 夢Photo2006 新たなる出発(たびだち)=06年10月、画像なし
■足立成亮写真展「キエユクモノ」(06年9月)
■his life,her life,this life -まちの記憶と記録展(06年7月、画像なし)
■東川町フォト・フェスタ「PHOTO FOREST」 (06年7月)
■PHOTOGRAPHIC SYNDOROME(06年3月)
■足立成亮Photo Exhibition“KOTONI NIGHTS”(05年10月、画像なし)
■contact 8(05年5月、画像なし)
■Third-EX 学生合同写真展(04年4月、画像なし)
■3大学合同展(02年、画像なし)
じぶんのハコがありながら、わざわざ琴似のカフェバーで展示をするのはどうしてなんだろうと思ったけど。
ささっと撮ってこれだけの水準のプリントに仕上げる技は、あいかわらずたいしたもんである。
わざとブレさせた作品もあるし。
もっとも、キャプションなどがなにもなく、ちょっとなげやりな感じもする。まあ、それも足立さんらしい。
会場のカフェバーには、お客さんがまだおらず、マスターがガラス窓越しに入ってくる夕日を浴びながら氷を砕いていた。
写真を撮り展示をする そのルーティンに少々疑問を感じ始める
-そんな意味の、作者のことばが書いてあった。
それについて、ひとしきりマスターと会話。
カウンターの端に、来場者が感想を書くノートが置いてあった。
前の方をめくると、今回の個展の前は、2年前の個展についての感想が書いてあった。
もちろん、そのあいだ足立さんが展示・発表をしていなかったわけではない。
ただ、このノートを置かなかったというだけのことだろう。
なぜ2年ぶりにノートを引っ張り出してきたのかはわからないが。
それにしても、と思う。
ざっと見て、2、30人が感想をつづっているのだけれど、筆者が知っているだけで5人が、いま札幌にいない。
札幌でひらかれる写真展は、出品する方も見ている方も、かなりの部分が学生だから、卒業後は札幌を離れ本州で就職する人は多いのだ。
札幌でも写真でメシを食っている人はたくさんいる。
ほとんどは、学校のアルバムに載せるための写真とか、デパートのちらしに載せる服や食材とか、旅行業者に頼まれてとか、ホテルでの結婚式とか、そういった写真を撮って生計をたてているのであって、じぶんの好きな写真だけで生きている人なんて、だれもいないだろう。日本全国をさがしたって、アラーキーなどの例外を除けば、ほとんどいないのではないか。
仄聞(そくぶん)したところだと、あの、いまの日本で最もスリリングな都市の写真を撮る金村勝氏でさえ、新聞配達をしながら写真家をしているというのだ。
好きなことでメシを食うというのは、うらやましがられることだけど、しかしきわめて困難な道でもある。
足立さんは、そのことを知りつつ札幌に残留して、写真を撮る道を選択した。
今さらこんなことを書くのもなんだけど、歴史に残る写真集をつくった人は、すべてがプロではない。
クラシック演奏家やテレビタレントを、勤め人と並行してつづけていくのは非常に困難だが、写真なら勤めの傍ら取り組むことができる。
ふと思う。
東京や本州へ行った人たちはこれからもシャッターを押し続けるのだろうか。
「先駆者」足立さんには、なんとか、「仕事が忙しくじぶんの好きな写真を撮れないプロ」でも「退職後にネイチャーフォトを撮るおじさん」でもない、新しいライフスタイルを開拓してほしいのだけれど…。
むつかしいかなあ。
むつかしいよなあ。
08年6月2日(月)-14日(土)18:00-25:00、日曜休み
Cafe&Bar Radio&Records(西区琴似1の4 ニシムラビル3階 地図K)
□sam's photo http://dogsam.seesaa.net/
□cacoi. http://mic-ro.seesaa.net/
■MOVE(08年2月)
■OPERA Exhibition vol.2(07年11月)
■bye-bye gallery micro.(07年11月、画像なし)
■micro@ivory(07年8月)
■足立成亮写真展「事の終わり」 (07年4月)
■札幌にぎわいフェスタ“SAPPORO”PHOTOS... (07年3月)
■t-ran:1460-smit(06年10月)
■「Be PHaT!!」第3回作品展 夢Photo2006 新たなる出発(たびだち)=06年10月、画像なし
■足立成亮写真展「キエユクモノ」(06年9月)
■his life,her life,this life -まちの記憶と記録展(06年7月、画像なし)
■東川町フォト・フェスタ「PHOTO FOREST」 (06年7月)
■PHOTOGRAPHIC SYNDOROME(06年3月)
■足立成亮Photo Exhibition“KOTONI NIGHTS”(05年10月、画像なし)
■contact 8(05年5月、画像なし)
■Third-EX 学生合同写真展(04年4月、画像なし)
■3大学合同展(02年、画像なし)
この辺のことは僕も良く考えてて、
今は何故か那須高原でたまーに来るお客さんの、
記念写真を撮影する日々ですが、
幸い(?)自分の時間はたっぷりあるので、
それなりに好きな写真はできてるように思ってます。
今後のこともちょっとは考えてるのですが、
コンスタントに自分の作品を発表し続けるのは、
骨が折れることです。
ただ、
仕事はもちろん、趣味においても、
まだまだ未熟なんで、
もっと勉強してから、
いつかは展示を!といった感じですね。
久しぶりに、
札幌で写真みたいなぁ・・・。
お元気そうでなによりです。
芸術写真を撮りたいんだったら、むしろ写真でメシを食うことはかんがえないで、ちゃんと給料がもらえて休みもある職場に就職したほうがいいんじゃないかと最近思います。
デジタル時代になって、ますますスキルより感性が大事ですしね。
y@5u5hiさんは、とりあえず早く仕事に慣れてくださいね。
まだまだ時間はあるのだし…。