最初に、北海学園大学写真部の方々におわびしなくてはならないことがあります。
まず、このエントリのアップが遅れたこと。
それ以上に、せっかく展覧会のご案内をいただいていたのに、本館(北海道美術ネット)の表紙に告知を載せるのを忘れていたことです。
たいへん申し訳ありませんでした。
さて、会場を見渡してまず気づくのは、札幌圏の大学写真部でも群を抜いて多い出品者数です。
数えてみました(まちがってたら、ごめんなさい)。
1年 11人
2年 17人
3年 8人
4年 6人
_____
計4042人
モノクロ銀塩あり、デジタルありで、バラエティに富んでいます。人物が少なく風景が多いのは、札幌圏の学生に共通した特徴といえます。
ただ、人数が多いとひとりあたりの出品点数が減るのは、悩ましいところでしょう。
その風景のなかでも、Sato Takaoさんと伊藤也寸志さんの作品には、傑出したものを感じました。
Satoさんは、鉄道を題材にした心象風景のシリーズと、「anemotaxis」と題したシリーズがありますが、筆者は後者のほうが好きです。
家の開いた窓からはみ出て風に翻る白いカーテン。
シラカバの森の小径。
落ち葉の降る庭に置かれた古い木のいす。
ススキの影が長く伸びる平原の一本道…。
ありふれたイメージといえるかもしれませんが、これだけがっちりと完成したプリントを見せられると、さすがとしかいいようがありません。むしろ、作者の夢が、きれいに結晶化したようなのです。
伊藤さんは「写真都市 fragments」というシリーズ。
ことし5月から9月にかけて、北24条や琴似、ススキノ、真駒内など、札幌の各地で撮ったもので、モノクロ10枚すべて縦位置なのが特徴です。
やたらと派手な平岸のDPE店の看板、琴似のアパートと高層住宅の対比など、おもしろいところに目をつけています。
澄川では空が白く飛び、真駒内ではやたらと地面が黒っぽいなど、露光(焼き)もかなり意識していることがわかります。
伊藤さんの写真は、いわば「都市の無意識」とでもいうべきものを探査しているような感じです。
向井拓人さんもモノクロ。壁には貼らず、アルバムのみの提示ですが、これには意味があるような気がします。
光と影のコントラストが強調されたプリントの連なりが、物語性を感じさせるからです。
階段の踊り場、ローソンのある町並み、縛られた女、「出口」の看板…。
この連なりが示しているものは、けっして明白なストーリーではありませんが、見る人に「なにか」を感じさせます。
傑作は最後の1枚。「hell」と読める看板は、ガソリンスタンドの「s」の文字をフレームからはずして写したのでしょう。若くなければ撮れない、みずみずしい暴力性にあふれた作品だと思います。
向井さんとおなじ1年生では、屋敷祐介さんに注目。
顔のわからない女性をとらえた3枚。古びたアパートの階段を上る女は、服装からすると若いのでしょうけど、なんだか生活に疲れたような背中をしているのがおもしろいです。
また、直江学さんが旧旭川機関区で写したカラー写真は、貴重なドキュメントだなあと感服しました。
07年10月23-28日10:00-19:00(初日15:00-、最終日は-17:00)
札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階 地図G)
■07年夏の展覧会
■向井拓人写真展(07年5月)
■ある二人 鈴木絢子・伊藤也寸志二人展(07年2月)
■06年の展覧会
まず、このエントリのアップが遅れたこと。
それ以上に、せっかく展覧会のご案内をいただいていたのに、本館(北海道美術ネット)の表紙に告知を載せるのを忘れていたことです。
たいへん申し訳ありませんでした。
さて、会場を見渡してまず気づくのは、札幌圏の大学写真部でも群を抜いて多い出品者数です。
数えてみました(まちがってたら、ごめんなさい)。
1年 11人
2年 17人
3年 8人
4年 6人
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計
モノクロ銀塩あり、デジタルありで、バラエティに富んでいます。人物が少なく風景が多いのは、札幌圏の学生に共通した特徴といえます。
ただ、人数が多いとひとりあたりの出品点数が減るのは、悩ましいところでしょう。
その風景のなかでも、Sato Takaoさんと伊藤也寸志さんの作品には、傑出したものを感じました。
Satoさんは、鉄道を題材にした心象風景のシリーズと、「anemotaxis」と題したシリーズがありますが、筆者は後者のほうが好きです。
家の開いた窓からはみ出て風に翻る白いカーテン。
シラカバの森の小径。
落ち葉の降る庭に置かれた古い木のいす。
ススキの影が長く伸びる平原の一本道…。
ありふれたイメージといえるかもしれませんが、これだけがっちりと完成したプリントを見せられると、さすがとしかいいようがありません。むしろ、作者の夢が、きれいに結晶化したようなのです。
伊藤さんは「写真都市 fragments」というシリーズ。
ことし5月から9月にかけて、北24条や琴似、ススキノ、真駒内など、札幌の各地で撮ったもので、モノクロ10枚すべて縦位置なのが特徴です。
やたらと派手な平岸のDPE店の看板、琴似のアパートと高層住宅の対比など、おもしろいところに目をつけています。
澄川では空が白く飛び、真駒内ではやたらと地面が黒っぽいなど、露光(焼き)もかなり意識していることがわかります。
伊藤さんの写真は、いわば「都市の無意識」とでもいうべきものを探査しているような感じです。
向井拓人さんもモノクロ。壁には貼らず、アルバムのみの提示ですが、これには意味があるような気がします。
光と影のコントラストが強調されたプリントの連なりが、物語性を感じさせるからです。
階段の踊り場、ローソンのある町並み、縛られた女、「出口」の看板…。
この連なりが示しているものは、けっして明白なストーリーではありませんが、見る人に「なにか」を感じさせます。
傑作は最後の1枚。「hell」と読める看板は、ガソリンスタンドの「s」の文字をフレームからはずして写したのでしょう。若くなければ撮れない、みずみずしい暴力性にあふれた作品だと思います。
向井さんとおなじ1年生では、屋敷祐介さんに注目。
顔のわからない女性をとらえた3枚。古びたアパートの階段を上る女は、服装からすると若いのでしょうけど、なんだか生活に疲れたような背中をしているのがおもしろいです。
また、直江学さんが旧旭川機関区で写したカラー写真は、貴重なドキュメントだなあと感服しました。
07年10月23-28日10:00-19:00(初日15:00-、最終日は-17:00)
札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階 地図G)
■07年夏の展覧会
■向井拓人写真展(07年5月)
■ある二人 鈴木絢子・伊藤也寸志二人展(07年2月)
■06年の展覧会
知りませんでした。
確かに出展人数の多さとそれに伴うバラエティは、
我が大学の特徴ですね。
それなりの苦労はありますが、
楽しんでいただけたらとすれば、
部員の励みにもなり幸いです。
自分の作品については確かに「対比」というのが、
大きなキーワードになっています。
ともあれ、これからも制作を頑張ろうかと思います。
ご来場ありがとうございました。
卒業までの年月、どうか大事になすってください。
わたしは4年生の冬になって
「そうか! もう時間がないんだ」
と思い、いきなり「源氏物語」と「資本論」に取り掛かりましたが、いずれも挫折。
読破できず、現在に至っています。
時間のかかる企ては、これから先、なかなかできないかもしれませんよ。
今後は4年生の先輩方が卒業することによって展示の「質」が落ちない様に精進していければなと思います。
僕の展示は正直な所やっつけ仕事だったのですが、「なにか」を感じて頂けたのなら幸いです。
お越し下さって、有難う御座いました。
今後とも宜しく御願い致します。
あれがやっつけなら、すごいですね。
「なにか」を感じましたよ。
また発表するときは教えてくださいね。