東京方面では毎年のように個展を開き活発に活動している人のようだけど、道内ではこれが初の発表だと思う。
筆者がよく参照している「日本写真家事典」に記載がないし、写真雑誌や評論などで名前を見たこともないので、どんな作家なのかほとんど先入観なしに会場へ足を運ぶことができた。
三つあるメーンの会場は、すべてモノクロ。
いかにも「銀塩モノクロ」という物質感がある(札幌の若手では、まだまだ銀塩モノクロに取り組む人が多いから、このことじたいはべつにめずらしくない)。
大半が、ホテルの室内で撮ったヌードなどの人物と、部屋から見た東京とおぼしき大都市の無機質な風景である。
三つ目の部屋は、ソラリゼーションかなにかの技法を用いているようで、黒と白ではなく、黒と銀で男性ヌードを表現している。あからさまにプリントするよりもこちらのほうが雰囲気が出ている。
黒っぽいプリントが多い。
撮ったときに露出がアンダーだったというより、プリントする過程で、標準よりも長い時間露光させて、黒くしているように思う。
これは、まったくの推測だけれど、暗室作業のあいだ、じぶんがレンズを向けた対象について思いをめぐらせているうちにどうしても露光時間が長くなってしまうのではないだろうか。
いずれにしても、ちらしには「アラーキーの弟子」とあったけれど、荒木とはそれほど作風が似ているわけではない。
筆者の好みは、階段をおりたところにある最後の展示室にならんでいた、カラーの大きなプリントだ。
夜の空港や工場地帯など、風景が撮られている。カラーではあるが、凄絶な寂寥感とザラザラした粒状感が、中平卓馬を連想させ、すごく共感できる。
粒状感がありながらグラデーションは自然-というのは、もしかしたら銀塩写真のデジタルに対する最後のとりでといえなくもないと思う。
2009年4月11日(土)-6月14日(日)11:00-19:00、月曜日(祝日の場合は次の平日)
札幌宮の森美術館(中央区宮の森2の11)
一般500円、高大生300円、中学生以下無料
・地下鉄東西線西28丁目からジェイアール北海道バス「山の手線[循環西20]」で、「宮の森1条10丁目」降車、徒歩4分
・地下鉄東西線円山公園からジェイアール北海道バス荒井山線[円14]、動物園線[円15] で、「宮の森1条10丁目」降車、徒歩5分
・札幌彫刻美術館から徒歩10分
筆者がよく参照している「日本写真家事典」に記載がないし、写真雑誌や評論などで名前を見たこともないので、どんな作家なのかほとんど先入観なしに会場へ足を運ぶことができた。
三つあるメーンの会場は、すべてモノクロ。
いかにも「銀塩モノクロ」という物質感がある(札幌の若手では、まだまだ銀塩モノクロに取り組む人が多いから、このことじたいはべつにめずらしくない)。
大半が、ホテルの室内で撮ったヌードなどの人物と、部屋から見た東京とおぼしき大都市の無機質な風景である。
三つ目の部屋は、ソラリゼーションかなにかの技法を用いているようで、黒と白ではなく、黒と銀で男性ヌードを表現している。あからさまにプリントするよりもこちらのほうが雰囲気が出ている。
黒っぽいプリントが多い。
撮ったときに露出がアンダーだったというより、プリントする過程で、標準よりも長い時間露光させて、黒くしているように思う。
これは、まったくの推測だけれど、暗室作業のあいだ、じぶんがレンズを向けた対象について思いをめぐらせているうちにどうしても露光時間が長くなってしまうのではないだろうか。
いずれにしても、ちらしには「アラーキーの弟子」とあったけれど、荒木とはそれほど作風が似ているわけではない。
筆者の好みは、階段をおりたところにある最後の展示室にならんでいた、カラーの大きなプリントだ。
夜の空港や工場地帯など、風景が撮られている。カラーではあるが、凄絶な寂寥感とザラザラした粒状感が、中平卓馬を連想させ、すごく共感できる。
粒状感がありながらグラデーションは自然-というのは、もしかしたら銀塩写真のデジタルに対する最後のとりでといえなくもないと思う。
2009年4月11日(土)-6月14日(日)11:00-19:00、月曜日(祝日の場合は次の平日)
札幌宮の森美術館(中央区宮の森2の11)
一般500円、高大生300円、中学生以下無料
・地下鉄東西線西28丁目からジェイアール北海道バス「山の手線[循環西20]」で、「宮の森1条10丁目」降車、徒歩4分
・地下鉄東西線円山公園からジェイアール北海道バス荒井山線[円14]、動物園線[円15] で、「宮の森1条10丁目」降車、徒歩5分
・札幌彫刻美術館から徒歩10分
ご迷惑なんて、そんなことあるはずないですよー
ばんばんコメント書いて、トラバうってください。今後ともよろしくです!