20日のドル・人民元の為替レートは値幅規制一杯の1％の人民元安で終了。人民元が対ドルで値幅制限一杯まで下げたことは初めて。これは、中国人民銀行の誘導にもかかわらず中国企業がドルを売って人民元を買う以上に人民元を売ってドルを買っていることを意味する。少なくとも、将来の人民元高を見込んでただちにドルを人民元に交換していた心理状態からは変わってきている。中国通貨当局としては、中国経済の減速の象徴とみられぬよう、細心の注意をもって為替管理を行うこととなろう。これまで人民元高の一方方向だったのが、今後はより成熟した？動きになるかもしれない。とは言うものの、極論すれば中国政府の意向により人民元の対ドル相場は如何様にもなるものなので今回の動き、真実は政治的な理由によるのかもしれない。シリア問題への国連決議や、瑣末なことでは米国オリンピック選手団制服についてのやり取り等、米中間は今、いささかギクシャクした関係にある。
