回顧と展望

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イスラエルへの報復

2013年02月02日 16時26分10秒 | 日記

イスラエルが水曜日に行ったシリア領への空爆に対して、シリアとその一の支援国を自認するイランがイスラエルに対して報復攻撃を行うと発表。一方、そもそもイスラエルは空爆そのものについて一貫して沈黙している。

イスラエルによる空爆が、イスラム過激派ヒズボラに最新の対空ミサイルが亘ることを阻止することにあるから、空爆によりそれを達成した以上イスラエルとしては何も発言する必要はない。一方で、シリア政府軍としてもすでに軍紀が乱れている中、対外紛争を始める余裕はない。せいぜい、口先での脅しだけでお茶を濁すしかない。また、ヒスボラとしても仮にイスラエルを攻撃すればイスラエルによる報復は確実であるから、かえってアラブ系住民の支持は得られずさらに苦境に立たされる。

イランは反イスラエルで強硬な脅しはするものの、もし実力行使に踏み切ったならイスラエルによる核開発施設に空爆を受けることは必定である。したがって、現実には武力行使は、シリア、ヒスボラ、イランともに出来ないわけで、イスラエルとしても実際の脅威は感じていない。イスラエルを支持するアメリカも同様の読みをしている。

結局今回の空爆では、イスラエル(そしてアメリカ)が得をして、アサドはじめ反イスラエル側は手をこまねくしかなかった。その意味ではイスラエル・アメリカの情報戦の勝利と言えよう。ロシアが一応反発しているが、これもアメリカへのさや当て程度で、アメリカへの貸にもならない。当面今回の空爆が、シリア情勢に与える影響は特に見込まれないだろう。

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