20日のドル・人民元の為替レートは値幅規制一杯の1％の人民元安で終了。人民元が対ドルで値幅制限一杯まで下げたことは初めて。これは、中国人民銀行の誘導にもかかわらず中国企業がドルを売って人民元を買う以上に人民元を売ってドルを買っていることを意味する。少なくとも、将来の人民元高を見込んでただちにドルを人民元に交換していた心理状態からは変わってきている。中国通貨当局としては、中国経済の減速の象徴とみられぬよう、細心の注意をもって為替管理を行うこととなろう。これまで人民元高の一方方向だったのが、今後はより成熟した？動きになるかもしれない。とは言うものの、極論すれば中国政府の意向により人民元の対ドル相場は如何様にもなるものなので今回の動き、真実は政治的な理由によるのかもしれない。シリア問題への国連決議や、瑣末なことでは米国オリンピック選手団制服についてのやり取り等、米中間は今、いささかギクシャクした関係にある。
18日ブルガリアで発生したイスラエル観光客を狙った自爆テロは、一時鳴りを潜めていたイスラエルとイランの「影の戦争」においてイランがイスラエル外交官や大使館ではなく、一般人をもその標的と狙い始めたことを示している。
イランの核問題に進展が見られないなか、イスラエルとイランの間の緊張が一段と高まっている。このところ世界の関心がシリアに注がれる中、イランの核武装は中東の古くて新しい問題として急速に再浮上してくる可能性がある。ロンドンオリンピック開幕まであと一週間ほど、英国も情報当局も厳戒態勢を敷いていることだろう。
昨日、苫小牧近辺を空から。
今年は明治天皇崩御から100年ということで、7月30日に向けて明治神宮も明治天皇100年祭の準備に忙しい。猛暑に見舞われた今日午前、圧倒されるような日差しの中久しぶりに明治神宮に。人影もまばらで夏の暑さだけが杜一杯にこもっていた。巨大な木々以外何もない 虚、これこそが神宮の姿かもしれない。
シリア政府に近い通信社の報道によれば、今日、シリア国防相およアサド大統領の義弟で国防次官の２名が爆死、内務相も重傷を負った模様。自爆テロによるものだが、政権中枢部にこのような被害が出るとは、シリア政権崩壊に向けて局面の急展開も近いかもしれない。
シリア内戦開始以来の激しい戦闘が首都ダマスカスで続いている。政府軍のロシア製ヘリコプターが撃墜され、反政府軍側の装備の強化が伺える。反政府軍が（政府軍から奪った武器だけでなく）国外からの新鋭武器の調達に成功し始めたとすれば、局面の展開は速い。とはいうものの、政府軍側の精鋭部隊はまだ無傷で意気軒昂と伝えられる。このため、米国は、未だ内戦終結は視界に入ってきていない、と慎重な言い回しだが、この発言には、依然としてアサドを支持しているロシアと中国を意識しているのは間違いない。両国ともその図体の大きさにもかかわらず自己の体制維持をアサド体制を重ね合わせるとはやはり自身の体制の正当性および国民の信認の欠如に対する自覚のなせる業なのだろう。
昨日に引き続き機上からの風景を。
