こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

実現可能な誓いを立てる

2015年07月09日 18時07分26秒 | 文芸
実現可能な誓いを立てる
 
 いよいよというか、まさかというか、ついに65歳を迎えてしまう。
 振り返ってみれば、「次に頑張りゃいいさ」「またいつかやり直せるさ」でごまかしてばかり。
「今年こそ!」と、新年の抱負も年ごとに威勢よく打ち上げたが、大半は花火のように消え散った。結局何も成果が残せていない人生だった。
 でも、わたしは生きている。健康な体を持っている。家族に恵まれている。その幸運を感謝して、新しい年への希望を持ち続けなければ、天罰が下っても仕方がない。
「いつかやり直せるさ」でごまかせなくなる余生(?)に突入の新年。
 手の届きそうもない夢目標は、もう卒業だ。人として、親として、社会の一員として、充実した一日一日の実現に取り組むと誓いたい。それが後悔のない人生につながるだろう。
(神戸・2013・1・1掲載)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

娘が受けた先生の素晴らしい授業

2015年07月09日 13時25分00秒 | 文芸
娘が受けた素晴らしい授業

 小3の娘がうれしそうな顔で言った。
「お父さん、わたし、この頃やる気出て来たんだ。もっともっと頑張るね」
 こんなことを自分で言ってくるのは初めてだった。自分で言って照れている様子がおかしくもあり、かわいくもあった。
 小2のころ、オドオドしがちだった娘が明るさを取り戻したのは、1年間受け持って貰った担任の先生のおかげと分かっている。
 人前ではすごい緊張をして、何もできなくなってしまう娘である。だから学校で自分らしさを発揮できないで殻に閉じこもりがちだった。そんな娘から根気よく、表には見えにくい、いいところを引き出してもらえたようである。
「先生の授業、とてもおもしろいから大好き!」
 この1年、何度も娘はそう教えてくれた。
 その回数が増すとともに娘の明るさも増した。
 そんな指導をいただいた先生に感謝するとともに、娘の小4生活にも、またいい出会いが訪れればいいなと願う父親である。
(神戸・1993・4・2掲載)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

貧乏性

2015年07月09日 11時24分23秒 | 文芸
貧乏性

 冬休みのある日、三人の子どもたちを連れて実家へ行きました。
 一人娘を嫁に出し、ふだんは父と母だけの何とも寂しい生活だけに、久しぶりの娘と孫の顔見せは大歓待されました。
 第一夜はお肉たっぷりのすき焼き。美食家の父だけに、上等のお肉が用意されていました。
 第二夜は豊富な魚介類を材料にした水炊き。漁師の父が、この日のためにとって来てくれたのです。
 ところが、わが娘と息子たち、このごちそうに十分な評価を与えてくれませんでした。
 上等なお肉や新鮮な魚介は少し食べただけで、あとは野菜ばかりを、「おいしい、おいしい」と食べるものですから、さすがに父もがっくり。それに、とても不思議そうに見ていました。
 でも仕方ないんです。我が家のめったにないすき焼きは、いつだって肉は少しだけ。とれとれ野菜がいっぱいってのが普通。
 水炊きだって野菜ばっかりたくさん使っているから、子どもらにすれば、肉や魚介たっぷりには口が慣れていないのです。これ貧乏性に育っているといっていいのかも。
 だからお父さん。子どもたちはあれで結構満足して喜んでいたのです。あまり気にしないでね。と言いたいけど、まず分かってもらえないでしょう。
 でも母親としてのわたしは、そんな野菜大好き人間になってくれたのがうれしいのです。
(神戸・1992・1・20掲載)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リズム感豊かな息子は

2015年07月09日 07時05分58秒 | 文芸
リズム感豊かな子母親似か父親似か

 3人目の赤ちゃんは、とにかく元気。上の二人が結構静かな赤ちゃんだっただけに、もう面食らってばかりで、疲れ気味のわたしと妻。
「この怪物くんは、絶対あなたの血をひいてるわ」
 食事中、ご飯をバラまいた赤ちゃんにため息をつきながら、妻はそう決めつけた。
 ところが、それから数日後、買い物に赤ちゃんを連れて行った妻、どうしたものやら喜色満面で帰って来て、さっそくわたしに報告に来た。
「パン屋さんでBGMがかかっていたんだけど、そのラジカセの前で器用に足ふり腰ふりで、リズムに乗って踊ってるのよ」
 それも、まるでマイケル・ジャクソン並みにかわいいと、店の人や買い物客から喝さいを受けて、もう嬉しくて嬉しくてたまらなかったという親バカぶり。
「この子、わたしに似てリズム感、とてもあるの」
 と、自慢顔でのたまう妻の幸せそうなこと。
 おいおい!いったいどうなってんの。この子はオレの血をひいてんだろ。もちろんリズム感だって、といいたいところだが、わが身を振り返ると、さて?…口惜しいけど、反論をあきらめた。
(神戸・1990・8・10掲載)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

妻の免許取得作戦

2015年07月09日 03時07分45秒 | 文芸
妻の免許取得宣言最少経費どころか



 ある日突然、「自動車の免許獲得宣言」をやってのけたわが妻。どちらかといえば、機械オンチで、いまだかって車のハンドルを握ったことがないのだから、これには驚いた。

「お金捨てるようなもんだぞ。やめとけよ」

 わたしの忠告に妻はなんとVサインで答える。

「40のオバタリアンが取れるんだもん。20代の若さでアタックすりゃ、スイスイよ」

 どうやら職場のやはり機械オンチを自称する40代の先輩の免許取得に、発奮したらしい…と分かった。

 確かに20代の若さ(?)発揮で教習はとんとんとストレートで行った。

「これはもうけもんだぞ。最少経費で済むぞ」

 内心ほくそえんだ、根っからケチなわたし。

ところがである。明石の試験場の山が高すぎた。

 一回目が失敗したときは、

「まあ、一回ぐらいはよくあることだから」

 と納得したが、二回目、三回目、四回目…。

 仕事休んで明石までの往復運賃、食事代、試験料……おいおい、いい加減にしてくれー!破産する。いいか、今度取れなきゃ、絶対に離婚すっからな!

(神戸・1990・12・7掲載)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わが家の周りを花いっぱいに

2015年07月09日 01時21分54秒 | 文芸
わが家の周りを花いっぱいに



 わたしたちのまち加西は、花いっぱい運動が盛んに行われています。

 道路沿いや公園、立ち並ぶ家々の庭でも、市花サルビアの赤い色が何とも鮮やかに目に映ります。すると、とても幸せな気持ちになれるのです。

 そこでわたしも発奮して、新しい年は家の周りをいろいろな種類の花で飾ろうと思いつきました。

 というのも、昨年やっと自分たちの家が完成したばかりで、まだ家の周りは殺風景なまま。工事の後始末も不十分で無味乾燥そのもの。

 土をならして花壇を作るところから始めないと花も育てられませんから、考えてみると大変です。

 仕事もあるので使える時間は限られています。もしかしたら、家の周りを花で埋めるなんて、一年ぐらいでは不可能かも知れません。

 でも、きれいな花に囲まれた暮らしは、きっとわたしたち家族みんなにゆとりと思いやりの心を育ててくれるに違いありません。

 だから頑張ってみます。花を愛で、みんなが幸せになる。そんな年にしたいのです。

(神戸・1994・1・1掲載)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地域に根付くきっかけに

2015年07月09日 00時07分46秒 | 文芸
地域に根付くきっかけに…

 長女が上級生になる今年。学校、けいこ事と立て続けに役員が回ってくる気配が濃厚です。
 既に夫が小学校の地区委員。それも地区代表になってしまったから、さあ大変。
 子供会の行事や廃品回収、電話帳の配布、集金等々、聞くだけでため息が出そうなほど仕事があります。
 しかも地区委員本人の夫は出不精、不器用、話し下手の付き合い下手ですから、パートナーのわたしがしっかりカバーしないとスムーズに進みそうにありません。
 でも、わが家の子どもたちがこれまでも、これからもお世話になる地域や学校のためだから、一生懸命頑張るだけです。
 わたしのハッパが効いたのか夫もようやくその気になってくれ、今年一年は二人三脚で突っ走れそうです。
 夫が生まれ育った土地だし、去年家もできてこれから一生住むのは確実な土地なのです。
 役員の仕事を嫌々ではなく前向きに務めることで、地域に溶け込むいい機会にします。わたしの新しいふるさとづくりと考えて。
(神戸・1994・4・16掲載)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする