「これ、なにか分かる?」
娘が私に声をかけた。自分から問いかけるなんて最近はなくなっていたのに。いま大学1年生、父親との距離が開く年頃である。
覗くと空ペットボトル利用の水槽。じーっと目を凝らしてみるが、何なのか分からない。
「ほら、ここ、ここよ。いるでしょ」
娘が指し示し食い入るように見詰める一点に顔を近づけた。娘と顔が並んだ。
「お!」
見えた。小さいメダカの赤ちゃん。しばらく娘と仲良く赤ちゃんの泳ぎに見とれた。
「一匹、やっと孵化したの」
マジかに見る娘の笑顔。いつ以来かな。
小さい頃生き物が好きで、よくザリガニ釣りや虫捕りに連れていった。あの頃はお母さんよりお父さんだったっけ。
娘が飼っているメダカのおかげで、また父親に戻れた。ほんのつかの間でも、父親のしあわせを味わって喜ぶことにしよう。
娘が私に声をかけた。自分から問いかけるなんて最近はなくなっていたのに。いま大学1年生、父親との距離が開く年頃である。
覗くと空ペットボトル利用の水槽。じーっと目を凝らしてみるが、何なのか分からない。
「ほら、ここ、ここよ。いるでしょ」
娘が指し示し食い入るように見詰める一点に顔を近づけた。娘と顔が並んだ。
「お!」
見えた。小さいメダカの赤ちゃん。しばらく娘と仲良く赤ちゃんの泳ぎに見とれた。
「一匹、やっと孵化したの」
マジかに見る娘の笑顔。いつ以来かな。
小さい頃生き物が好きで、よくザリガニ釣りや虫捕りに連れていった。あの頃はお母さんよりお父さんだったっけ。
娘が飼っているメダカのおかげで、また父親に戻れた。ほんのつかの間でも、父親のしあわせを味わって喜ぶことにしよう。