こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

兄の急死が…

2015年07月23日 21時03分44秒 | 文芸
兄の急死に「家族」再考

 20年以上前の祖父の死を知らなかったわたしが、たった一人の兄の死に遭遇するとは…。
 絶句するしかなかった。
 朝、にこやかに挨拶した兄が、わずか2時間後に死んでしまった。健康そのものの働き盛りだった兄の死を前に、わたしはつくづく人の世のはかなさを知らされた思いだ。
「人間ってやっぱり毎日毎日を大切に生きないと…。特に家族との関係、大事にしなきゃ」
 ―妻がしみじみと漏らした言葉である。肉親の死を前にしたからこそ、そのことが切実に感じられたのであろう。
 わたし自身も初めて毎日の生活を振り返り、いかに家族との生活が流れに任せたものになっているかを発見して、強く反省した。
「いつなくなるか分からない人の命。いちばん身近にいる家族をもっと愛し、もっと尽くさなきゃ。せっかく家族に生まれて来たんだからな。兄貴がそれを教えてくれている気がするんだ」
 わたしの言葉に妻は力強く頷いてくれた。
 幼いわが子らを見詰めながら、一緒に遊び、一緒に本を読み、一緒に勉強し、思う存分かかわってやりたいと思ったわたし。
 家族と言うものをじっくり考えてみようという気にならざるを得ない兄の死だ。
(神戸・1990・9・11掲載)

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熱中夢中

2015年07月23日 19時33分40秒 | 文芸
熱中夢中

 自由な野菜づくりに励める念願の畑。それをようやく手にした嬉しさはどうでしょうか。
 休日に、強い日差しもなんのその、ウキウキ気分で畑へ出ています。
 土を耕し肥料を加え、8月まきの種をそっとまいては水をやります。サルカニ合戦のカニのように「早く芽を出せ○○のタネ」と自然に呟いてしまうほど、もう夢中!
 夜は夜で野菜づくりの本を開き、たい肥の作り方や有機質肥料の何たるかを猛勉強中です。その昔、夢見た有機無農薬野菜を作りたいのです。
 その成果で、毎朝できる米のとぎ汁もためておいて水がわりにかけてやるし、草を刈ったのと米ぬかや生ごみを合わせてのたい肥づくりも苦にならず、とにかく楽しい。
 どちかといえば怠けん坊のわたしが、毎朝夕の水やりを忘れないなんて、どうにかなってしまった感じで、われながらおかしくなります。
 そしてこの間、慣れぬ手付きでまいたハクサイの種から、ちっちゃなかわいい芽を発見して、もう有頂天。まるで子供を育ててた時の喜びにそっくり。でも野菜づくりは、ここからが正念場です。
 それにしても野菜づくりを始めたわたし、めっきり優しくなったそう。家族の評がうれしいな。
(神戸・1991・8・26掲載)

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ゴミを考える

2015年07月23日 15時54分53秒 | 文芸
ゴミ有料化控えて決心

 いよいよわが町でも、ゴミ有料化への第一歩として、10月から一定量を超えるゴミに、一部有料制度が取り入れられることが決まりました。
 そこでこれまでのゴミ出しを振り返ってみると、最も多いのが燃やせないゴミでした。
 ペットボトルやスチロール容器類、ポリ袋など、毎日の買い物でドッサリ溜まります。
 ゴミ対策は、これらの不燃ゴミをいかに少なくするかにかかっているのかも知れません。
 これからは再生可能な容器に入ったものを買うように心がけ、自分なりに少しでもゴミ問題に対処しなければと、遅ればせながら決意しました。
 最近、兵庫県内のデパートが包装をシールに変えたとか。ほかの店や企業にも何かできるはずです。
 それには消費者の意識が先行し、過剰な包装、容器は不要との声を高めねばなりません。
 目先の便利さに惑わされない消費者の姿勢が、ゴミ問題を解決するカギでしょう。
 ゴミ収集有料化を前に、ゴミ問題を身近に感じたわたしの半生と行動がスタートしました。
(神戸・1994・9・13掲載)

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いやや、いややー!

2015年07月23日 14時22分11秒 | 文芸
盲腸!あの宣告を受けた時、目の前が真っ暗になった。お腹を切るなんて、考えるだけでゾーッとした。怖かった。診察室を飛び出した。病院の外にでたものの、それ以上は何も考えられなかった。

「……!」誰かに呼ばれたのがわかった。反射的に病院の門柱にしがみついた。こらえきれず大声で泣いた!「いやや、イヤヤ!絶対いややー!」

 小学校2年生だった。ここ何日か腹痛に苦しんでいた。母やが見かねて病院へ連れていってくれた。丁寧に診察してくれた医者は、っ葉に告げた。「盲腸やね。手術しましょう」「おねがいします」ばかばか何言ってんだよ、お母ちゃん。オレいやだぞ、手術なんて嫌だー!って、飛びだしたのだ。結局、手術に。あきらめが悪くムズがっていたが、手術台に乗せられるとさすがに大人しくなったそうだ。(後で母親に聞かされた)まな板の上のコイって本当なんだなといまさらながらに思う。部分麻酔で、手術中、何かゴソゴソやっているのがわかった。痛烈な痛みが来たのは、手術の夜だった。その年の終わりに、また手術を受ける羽目に。今度は扁桃腺だった。手術用の椅子の上で暴れまくったそうだ。「もう一つは残しときましょう」とあぐねた遺書がしあいほうきしたらしい。その残った扁桃腺のおかげか、以来、なにかにつけて風邪を年がら年中ひいていたっけ。

 それから半世紀以上経て受けたのが大腸ポリープの内視鏡摘出手術。ほかに大病の経験は皆無だ。けっこく。2年生の時悪魔に魅入られた1っ週間余りが、私が味わったもっとも重い病気だったのかな。ちなみに、昨今は盲腸の手術は、大病手術のうちに、はいらないらしい。


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常任理事国の条件?

2015年07月23日 12時45分55秒 | 文芸
戦争責任を清算し条件整備

 世界の平和に貢献するために常任理事国入りは必要な事だと思うが、今すぐと言うのはどうだろうか。
 最近、戦争責任を問う声が再び浮上し、かしましい限りだ。このままだと日本の戦争責任の清算は、世界的認知を受けるまでに至っていないと思わざるを得ない状況を抜けられない。
 国レベルの清算はすんでいると、いかに政府が主張しようとも慰安婦や捕虜として犠牲になった人たちが訴える生の声は無視出来まい。
 それに自衛隊のPKO参加へのあやふやな態度も問題だ。憲法論議が必要なのはいうまでもない。
 常任理事国入りするときは、それらの条件整備がなされていてしかるべきだ。そうあってこそ、世界の期待にこたえる行動を起こせるし各国の信頼を得ることが出来るに相違ない。
(讀賣・1993・10・9掲載) 


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親と子をつなぐ

2015年07月23日 10時58分51秒 | 文芸
親と子をつないでくれる

 神戸新聞とのつきあいは、もう30年近くなる。4コマ漫画に始まり、家庭欄、社会欄、政治欄と進み、いまは毎朝、善紙面くまなく読む。
 中学のころに、正平調を立て続けに読んだ経験gある。
「毎日読んで、趣旨をまとめて提出してください」との宿題。
 これが厄介で、1週間分をまとめておいて、提出前夜に一気に書き上げたりと悪戦苦闘。でも、いやいやながら目を通しているうちに、だんだんと面白くなったから不思議だった。
 ただし、政治経済の難解な話には、読む前から音を上げていた記憶がある。
 次に興味を持ったのが、郷土作家シリーズと銘打った連載小説(短編が多い)。夢中で切り取って楽しみながら、
「はーっ。県下にもたくさん作家がいるんだよな」と、ちょっぴり誇らしい気分になったものだ。
 さて、いまは発言欄とお付き合い。
 実は加西に住む両親への便りのつもりだから、子どもの話が多くなる。
 朝早く一番に長官を開いている。古くから親しんでいる神戸新聞がやっぱり一番読み易いらしく、老眼鏡で覗き込んでいる両親は、投稿を見つけては日ごろ会話のない息子のあいさつとばかり楽しんでいるらしい。
 疎遠になりがちの親と子をつないでくれる神戸新聞に、感謝の思いの近ごろである。
(神戸・1987・10・19掲載)

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安くて丈夫がいい

2015年07月23日 09時03分53秒 | 文芸
安くて丈夫な実用品選ぶ

 ブランド信仰なんて、ばかばかしい限りです。身に着けるものは、実用的なものが最高。
 安くて経済的、この上ありません。ブランド名なんて、単に価格を上げるための手段なんだと思っています。
 それにブランド乱立化の傾向にある現在、むしろ無印良品の方に、希少価値があるんじゃないですか。それが、富める国、日本の矛盾でもあるわけです。
 でも、DCブランド売り出しに列を作る若者たちの姿には、いつもウンザリです。外見ばかりにこだわらないで、もう少し中身を充実させる方が先決だと思うばかりです。
 特にファッションなんて、ブランド品で左右されるものじゃありません。普通の衣装や小物を組み合わせるだけでも、センスの良さが表現できるのです。
「これ○○よ!」
なんて自慢し合う友達を横目に、
(それが何だってのよ。あんたが作った訳じゃないでしょ)
 と、ひねくれることの多い最近です。
 しかし、ブランド名に迷わされることなく、これからも、安くて丈夫な実用品を選び、身に着けていきたいと思っています。
(讀賣・1988・12・10掲載)

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マイホーム大作戦

2015年07月23日 01時33分54秒 | 文芸
マイホーム作戦田舎で実現

 町で商売をやっていた3年前。10年にわたる商売の信用と蓄えでマイホームをと、物件探しを始めたが、土地高騰が地方にまで飛び火しかけるというタイミングの悪さで、これはと思った土地は売り惜しみ・横取りされて、結局は夢物語と化してしまった。
 そこで、かなり不便な田舎に求めるしかなくなったのだが、するとどうだろう。
 トントン拍子に話が固まった。資金も予算以下に収まって万々歳!60坪の土地に2階建て、周囲に自家用野菜が作れる畑まであって、ただ今建築進行中だ。
(讀賣・1992・1・20掲載)
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