「禁煙喫茶…」ダウン!
喫茶店とは、喫煙と珈琲で時間を潰すところだと、知人がしたり顔で言ったのを思い出す。
だから、わたしが“禁煙喫茶店”に踏み切る際、
「アホなことせんとき。タブーに触れへんのが一番やがな」
と、忠告してくれた。
それでも踏み切ったが、結局、7か月でダウン!
「つぶれて当然やがな。たばこの喫えん喫茶店なんて、大体非常識や」
ヘビースモーカーであるそのご仁が、ついに非常識呼ばわりである。
しかし、わたしは、その意見に反感が湧くのを抑えられない。負け犬の遠吠えに等しいが、喫茶店は万人が気軽に利用できる憩いの場である。
それが、喫茶店の紫煙を我慢しながら利用しなければならないなんて、たばこを吸わない人の立場は全く配慮されていないのだ。
私は失敗したが、早く“禁煙喫茶店”が市民権を得る日を願っている。
(讀賣・1989・9・10掲載)
喫茶店とは、喫煙と珈琲で時間を潰すところだと、知人がしたり顔で言ったのを思い出す。
だから、わたしが“禁煙喫茶店”に踏み切る際、
「アホなことせんとき。タブーに触れへんのが一番やがな」
と、忠告してくれた。
それでも踏み切ったが、結局、7か月でダウン!
「つぶれて当然やがな。たばこの喫えん喫茶店なんて、大体非常識や」
ヘビースモーカーであるそのご仁が、ついに非常識呼ばわりである。
しかし、わたしは、その意見に反感が湧くのを抑えられない。負け犬の遠吠えに等しいが、喫茶店は万人が気軽に利用できる憩いの場である。
それが、喫茶店の紫煙を我慢しながら利用しなければならないなんて、たばこを吸わない人の立場は全く配慮されていないのだ。
私は失敗したが、早く“禁煙喫茶店”が市民権を得る日を願っている。
(讀賣・1989・9・10掲載)