難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

高齢難聴者の法的権利

2007年11月16日 22時43分21秒 | 権利
殺意を持った疑いで取り調べを受けた高齢難聴者が取り調べの内容を理解しないまま起訴されかかったという報道にショックを受けた。

聞こえないままにあいまいに返事をして殺人犯にされかねないということだ。

もしろう者の取り調べなら手話通訳の手配があるかも知れないが、高齢難聴者の場合、書くことや適切な補聴機器の利用まで確保されないとなければならないが、聞こえを確実にしなければならないこと自体、考えられないだろう。


障害者権利条約第12条では「全ての障害者は法的能力を享有する」と法の前の平等がうたわれている
協議の中で「法的能力」とは何かが問われていた。
日本は成年後見人制度で行為能力が制限されているが、障害者側は障害者の自己決定権を尊重した「支援された自己決定」を主張していた。

条約に「支援された」は入ったが実質的にどうするか課題だ。

ラビット 記
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取り調べDVDで検察調書を却下 「自白の任意性に疑い」と大阪地裁
MSN産経ニュース

さらに被告が高齢の上、難聴で著しく理解力が劣っていることを指摘。「質問が早口で、殺意があったように被告を誤導した」として調書の任意性を否定した。
取り調べの録画・録音は東京や大阪など主要な地検で昨年7月から試行されており、東京地裁ではこれまで2件を証拠 ...
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071115/trl0711150126002-n1.htm




人工内耳埋め込む手術3日目(2)

2007年11月16日 20時47分09秒 | 人工内耳
071116_1021~001.jpg071116_1038~001.jpg夕方医師が人工内耳に関わる文書を持って来たのが18時頃だ。


夕食も同じ頃に来た。
鳥の唐揚げ、カホチャの煮物、お澄まし。ご飯は普通の炊き方、チビッと残した。

朝と夜は点滴がある。
夜は19時くらいから一時間。
傷は少しチクチクするが痛み止めは飲まないでいる。


文書を読んでみる。保証書は、装用者用機器として、インプラントは10年間、携帯型スピーチプロセッサおよびヘッドセット(ケーブルを除く)3年間、耳掛け型スピーチプロセッサ3年間とある。
この期間をどうみれば良いのか。

ちなみに病院用機器としてプログラミングシステムと診断システムは1年間だ。

「使用上の注意」には、使用上(安全及び危険防止)の注意事項が記されている。

インプラントの基本的注意事項として「人工内耳の植え込みにあたっては、人工内耳治療に関して、その効果や特に小児における長期安全については十分に明らかでないこと、電極植え込みにより残存聴力が喪失すること」などが記されている。

これらのことは「医家向け」資料の「使用上の注意」に基本的注意事項として、患者本人及び家族、など対して、事前に十分な説明を行い同意を得ることが不可欠とある。
その後に、人工内耳植え込み後は専門の施設及びスタッフの理解と協力のもとに十分な訓練が必要と「義務」が書かれている。

これらは、何度も話を聞いて、自分でも診察の度に質問や気持ちを書いた紙を用意してコピーを渡して確認して来たことだ。
「残存聴力が喪失」というのはショックだが、これは音(空気の振動エネルギー)による感覚がなくなるという意味だ。
厚生労働省が認可した際にこの文書の一字一句も含めて承認されたのだろうが、表現を工夫した方が良いかも知れない。

この文書は一般には公開されていないかも知れない。
医家向けは再利用禁止とあり著作権とは書いてないが念のため、ここまでにする。メーカーの確認が取れたら他の部分を紹介したい。


ラビット 記 
病院から見た風景
病院入り口風景



人工内耳手術後の気持ち

2007年11月16日 18時37分08秒 | 人工内耳
071116_1313~001.jpg071116_0825~001.jpg術後3日目の心境を記しておきたい。

まだ音入れをしていないこともあるが、補聴器で左の耳から音を聞いていた経験があるので、難聴者としてのアイデンティティとしては変わらないと思う。

ろう者グループに国連障害者権利条約の話をするが、それでもろう者と対等の聴覚障害者であるし、聴覚チャンネルが増えるだけという感覚でいる。

まだ残っていた左耳の聴力を「捨て」、人工内耳に変えた難聴者は多くないと思うがひとつのケースとして、当事者の気持ちや聞こえについては公開していく必要があると思う。

聴力を「捨て」というのは心の隅に未練があるのかもしれない。
逆に補聴器よりは良い聞こえの可能性の高い人工内耳を埋め込むというやれることはやったという気持ちはある。それは期待だ。

医師と話をすると人工内耳装用者のアイデンティティはあるという。聞こえるようになった後、何時聞こえなくなるかという不安が生まれるという。

補聴器も電池がなくなったり、聴力が低下して聞こえなくなるかも知れないという不安はあるが、出生直後からの難聴なのでまた聴力の低下も長い間に進行してきたのでそれほどは不安はないかも知れない。


医師によれば右利きの人の言語野は左にあるそうで、こちらが刺激されるとどうなるか自分でも興味深い。
今は聞いたオンと口の動きで、頭の中に言葉を書いて理解しているので、これが聞いたまま頭に入るようになるのだろうか。
医師は乳児からの難聴だったので聞こえの仕組みが固まってしまっているかも知れないという。


医師から「人工内耳装用者カード」と「インプラント登録用紙」をもらった。
音は入っていないがもうCIだ。


ラビット 記



人工内耳埋め込み手術 3日目

2007年11月16日 11時28分29秒 | 人工内耳
071116_1021~001.jpg071116_1036~001.jpg11月16日
三日目の朝を迎えた。
2時に目が覚める。4時までメールする

7時過ぎに地下まで新聞を買いに行く。手術後の初めての遠出になる。
しばらく歩いていないので脚が弱っていて息切れがする。努めて歩かないと。
髭を剃った後寝る。

8時に食事が来たが8時20分に看護師に呼ばれるまで気付かず。

8時25分食事をしていると医師が来室。
治療室で包帯を取る。
写真を撮ってもらう。髪を剃った後が目立つ。


9時30分社会福祉に関するレポートを書き始める。

10時30分病院入り口のスタバに行く。外気が冷たい。すっかり秋だ。毛糸の帽子は暖かい。
外で飲んでいると上からどんぐりが落ちてくる。部屋に戻る。


ラビット 記