難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

地デジ「簡易チューナー」は障害者の視聴を保障するのか?

2008年01月03日 01時27分28秒 | 機器について
071231_1921~001.jpg071030_1906~001.jpg2007年25日、デジタル放送推進協会が(以下、Dpa)が、地上デジタル放送に移行した後もアナログテレビで視聴する人が引き続き見られるように、「簡易なチューナー」の仕様を発表した。

これが、政府が配布を検討しているとされる「セットトップボックス」の仕様だとすれば、私たちの障害者の視聴には大きな問題がある。

Dpaのプレス発表内容を見ると、情報通信審議会の第4次中間答申を受けて、総務省から地上デジタルの最小限の機能を有する機器の仕様について、協力依頼を受けたとあるが、この仕様を検討する過程で、障害者放送協議会や各障害者団体はアクセシビリティのニーズについて、意見や要望を聞かれていない。

ホームページに発表された仕様はPdfファイルで、視覚障害者にはアクセシブルなものではないのも象徴的だ。
以下に文字化したものを転記した(一部レイアウト変更や補助数字を加えた)。

公表された機能を見ると、
音声 ステレオ放送/二ヶ国語放送
字幕・スーパー
とある。

これで、地上デジタルで解説放送が実施された場合聞けるのかというと多分聞けないだろう。地上デジタル放送で解説放送を実施するとしたら、簡易チューナーその音声を取り出して、出力する必要がありますが無理。
「字幕」は字幕放送を指すのか不明だが、地上デジタルに移行すると字幕放送はデータ放送になる。
データ放送のテキストデータを、画面上にどのようにレイアウトして表示するのか分からない。

これが、障害者放送協議会で要望した障害者の地デジ放送が見られる「セットトップボックス」だとすれば、大きな問題になる。

その他の機能については、以下を参照。
http://007star3.blog105.fc2.com/blog-entry-3040.html


ラビット 記
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「総務省とDpaが地デジ完全移行に向けた「簡易チューナー」の仕様ガイドラ
インを公表

12月25日、Dpaは総務省と共同で、地デジ完全移行に向けた「簡易チューナー
」の仕様ガイドラインを公表しました。

今年8月の情報通信審議会の第4次中間答申にて、デジタル放送視聴のための
最小限の機能を有する簡易なチューナーの必要性が提言されたことを踏まえ、
総務省より、このような機器の仕様検討などについてDpaが協力依頼を受けまし
た。
Dpaは、専門グループにて検討を重ね、簡易なチューナーの位置付けイメージ
および必要最小限の仕様ガイドラインの取りまとめを行い、今般、総務省に報
告しましたので、お知らせいたします。
詳細は、下記の報道資料をご参照ください。

総務省およびDpaでは、本仕様ガイドラインの活用など、受信側の環境整備に
向け、引き続き地デジ完全移行へ取り組んでまいります。」
http://www.dpa.or.jp/news/news071225.html
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別添
「簡易なチューナー」の機能等に関する検討結果
2007年12月
㈳デジタル放送推進協会(Dpa)

<受信機器の選択>
(1)簡易なチューナーの位置付けイメージ

<ユーザニーズ>
引き続き地上TV放送を見たい

<購入パターン1>
アナログTVをそのまま活用する

→簡易なチューナーを購入
アナログ放送終了・デジタル化完了に向けた残存アナログテレビへの最小限の
対応ツール


<購入パターン2>
デジタルTVに買い替える
→薄型TVに買い替える

または、デジタルチューナー(3波共用機地デジ専用)を購入
(ディスプレイと組み合わせ利用)


(2)必要最小限の仕様ガイドライン
映像デコード(NTSC変換) 音声ステレオ/二カ国語
コンポジットビデオ出力/ステレオ・音声出力1系統
字幕・文字スーパー
エラーメッセージ表示
画面表示モード選択機能
CASモジュールインタフェース、コピー制御
 ・デスクランブル機能は必要
 ・コンポジット出力に対してコピー制御必要
周波数変換パススルー対応(VHF、SHB)
ダウンロード(ES)

地デジ機能非搭載テレビの継続利用ニーズに対応
※対象テレビは、地上デジタルチューナーを搭載していない
「ハイビジョン非対応のアナログテレビ」を想定
アナログテレビ利用時とあまり違和感なく、視聴を実現するための
仕様/機能に配慮する
2011年7月へ向けた残存アナログテレビへの対応の観点から、
最小限必要な機能とする
ただし、受信機メーカーの商品企画を拘束しない
(参考)仕様検討上、考慮すべき要件