難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

人工内耳の力?難聴者の会話のラリー 

2008年01月06日 12時48分58秒 | 人工内耳
080106_1218~001.jpg職場で、部下と話せる(話が出来る)という新しい体験をした。

本社に送った書類が届いていないと言うので、いつ送ったのか、所定のボックスに入れたのかなど聞いて、本社に電話したり、宅配伝票番号で検索したりした。
何が新しい体験かというと「話しかけられて、何が起きたのか聞き返した後さらに会話のキャッチボールになったこと」と「PCの画面を見ながら会話ができたこと」だ。

今までは聞き返した後の会話が続かなかった。
「Gさんに送った伝票が届いていないんだって」、「誰だって?」、「Gさん」、「本社のG君?」、「いつ送った?」、「28日。」、「納会のあった日だ。」、「納会の前にボックスの中に入れたのよ。」、「一番下に入れた?」、「うん、いっぱいだったので一番上に載せたのよ。茶色のビニールのケースがあったわ。」、「それは決裁書などを入れるケースだよ。それなら届いているはずだ。」、「でも届いていないと言うの。」、「29日に届いているかは、宅配便の伝票で分かるよ。どれかな。」、「これしかないわ。」、「じゃあ、見てみよう。今はグーグルで宅配便の配達状況が分かるんだ。ほら。」、「着いているの?」、「ほら、29日の16時○分に着いている。」

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会話のラリーが続くためには、相手の言葉が正しく聞き取れたことと自分の言うことが論理的にも間違っていないことが認識されないとならない。

難聴者は相手の言うことが聞き取れない場合、聞き返すが相手が口ぶりや表情で再度聞き返せるかどうか感じとる。

相手はちょっとつっつけどんな言い方をするのでいつもは少し引き気味なのだが、言うことが分かると気落ちすることなく会話が続けられる。
難しい話ではないので想定した言葉が返ってくるから「聞こえた」のかも知れないが、会話の最初が分かるというのは難聴者にとって重要だ。相手とキーワードで想定する言葉の範囲がかなりせばまるからだ。

PCの画面を見ながら、相手の顔を見ないで会話したというのは、聞き取れない恥ずかしさから相手の顔を見られないのとは違う。声が堂々としている。

まだ装用1ヶ月の人工内耳だけでは言葉は聞き取れないが補聴器の聞取りを補っていることは間違いない。


ラビット 記
写真は勤務先の駅の近くのフラワーガーデン。
日曜当番で出勤。