難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

人工内耳と乳幼児

2008年01月04日 13時49分17秒 | 人工内耳
080104_1345~001.jpg080104_1345~002.jpg人工内耳をされた方から聴覚障害を持った乳幼児の書記言語の獲得について問い合わせがあった。

乳児の聴覚スクリーニングで難聴が発見されることか多くなり、医師、教育界で賢明に対応されていると思う。

聴覚障害児は専門外なので、聞こえがある程度確保出来ていた難聴者(右耳の文章識別率が88%)が人工内耳装用した場合の聞こえの変化(46%、装用後の文章識別検査はまだ)を報告することで各分野に問題提起したい。


ラビット 記
写真は勤務先で栽培しているミニシクラメン。再び花が咲いた。
まだ休日対応のオフィスは閑散としている。

(以下はご返事の一部、加筆、数値の修正がある)
・・・・・・
医師の説明の背景は、聞こえていない乳幼児に音声言語の獲得は当然難しいわけで、手話言語、あるいは指文字(書記言語の一部)を習得することで思考の基礎となる「言語」を早期に獲得することで、人工内耳装用後の音の入力が音声言語になっていくことを促進するという考えがあると思います。
それは、私が人工内耳によって聞こえて来る音が何かの物音として、あるいはオンが言葉として認知するには、脳の中にそれが何を表すのかの情報を持っていることが重要ではないかと提起したことに医師がその考えを紹介して下さったということです。

私は、聴覚障害児のことについては詳しくはないですが、バイリンガル教育として、最初に手話で言語獲得がそ後の書記言語獲得にも重要という考えがあることは知っています。それに批判的な人もいることも知っています。
スウェーデンでは聴覚障害児の90%が人工内耳を装用し、ろう学校でも大きな転換が生まれているそうです。
「ろう教育の明日」(ろう教育の明日を考える連絡協議会)2007,51, 17-23.に掲載(テキストのみ)
http://www.edu.hyogo-u.ac.jp/torigoe/sweden1.pdf
「ろう教育の明日」(ろう教育の明日を考える連絡協議会)2007,52, 12-22.
http://www.edu.hyogo-u.ac.jp/torigoe/sweden2.pdf
(参考)
http://www.normanet.ne.jp/~deafedu/site7/1212proa.htm

私の今の関心事は、難聴者でも補聴器の効果が難しくなってきたら、片方の補聴器の聞こえのある内の早期の人工内耳装用が効果的ではないかということです。
失聴まもない人が人工内耳をすると聞こえの回復が早いということは良く聞きます。
難聴者がどのくらいを人工内耳適応基準の「補聴器の効果がない」とするかはあいまいですが、逆に難聴者自身のニーズによって決められるとも言えます。
両側性の感音性難聴の場合、人工内耳の適応を判断するかもう少し詳細な基準が検討されると良いと思っています。