難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

中国製冷凍餃子のニュースと視聴覚障害者

2008年01月31日 23時32分57秒 | 生活

番組中の訂正放送.jpg
餃子等のハ真.jpg中国製の冷凍餃子の食中毒に関するテレビのニュースを見ていて、いろいろ考えることがあった。

一つは、国民の生活や身体・生命の安全に関わる情報がテレビで報道されている時に字幕放送がなかったら、必ず難聴者は情報が得られない。こうした時に、どうなるのかということだ。
右の写真は、コメンテーターの大学准教授の名前を間違えて番組中に訂正した。

二つ目は、字幕放送の字幕が映像とずれることだ。生放送である以上ずれるのは当然だが、表示されている字幕と表示している映像が一致していない。選挙報道の時にも問題になったが、生命に関わる報道の時重要な問題にならないかどうか。これは危険な食品です。食べないで下さい。これは安全な食品です。問題ありませんというような時に、危険な者と安全なものが入れ替わって理解されたらどうかということだ。
左の写真は、前の製品の字幕が表示されている。

三つ目は、放送される内容だ。中国製原料を使っているメーカーの連絡先が紹介されていたが、電話番号だけだ。電話が出来ない人はどうするのか。確認しようにも連絡できない。高齢者の独居者が増えているので家族等にも頼むわけにはいかない。

四つ目は、餃子などのパッケージの写真が映っていたが、視覚障害者は購入した製品を区別できるのだろうか。製品の情報を視覚以外の方法で知るために何らかの仕組みが必要だ。パッケージのある部分に情報を示す2次元バーコードが印刷されていて、携帯で撮って解読したりするだけでなく読み上げる機能やサービスを考えた。


ラビット 記



「日本映画を見たい」 映画字幕法制化運動の段階

2008年01月31日 20時32分14秒 | 生活
080131_0710~001.jpg080131_0711~001.jpg昨夜のフジテレビの「日本映画を見たい」の録画を早朝に見た。

最初に、映画「バベル」のろう者を演じるシーンのコーディネートを頼まれた南るかさんが、映画に出演したろう者たちが字幕のない映画を見てあげた不満を形のある運動にリードしていったことが紹介されている。

運難聴者運動に関わる立場では大変共感して見ていた。

「バベル」に字幕が付いた後、字幕付与の義務化を図る運動の進め方に相談を受けた。
字幕放送拡充の運動と似ている面もそうでない面もある。
映像コンテンツの音声を字幕で補うのは同じだが、字幕放送は見たい人だけ字幕を表示する仕組みがあり、放送法第4条で放送事業者に努力義務が規定されており、字幕制作補助金の予算化の法的根拠がある。
映画の場合にはこの法的根拠がない。必要な人だけ映画の字幕を見る仕組みはアメリカにはあるが日本には一般にはない。

そこで、運動の進め方として、全難聴、全日本ろうあ連盟と共同で取り組むことと、経済産業省に働きかけることを提案した。
要望の内容として、字幕制作のためのガイドラインを業界関係者を含めて作成する(国の補助か委託事業で実施)、字幕制作補助金制度の創設、字幕付与の法制化を挙げた。

「バベル」の時の署名運動は対象は法制化なら国会だが、映画制作者団体になる。これは多くの団体の協力を得て進めるのとタイミングが必要だ。
また既存の映画、DVDの字幕を考えると文部科学省文化庁が対象になるがこれは昨年から、障害者放送協議会著作権委員会が文化庁著作権化と協議を重ね、著作権委員会から「中間まとめ」が出てパブリックコメントも出されているので、著作権法改正は今年前半が山場だろう。

南さんの紹介もあり、経済産業省高官や担当課に働きかけているが参議院選挙もあり表面上は動きは止まっている。

障害者権利条約には映画を含む文化のアクセスの保障が明確に義務つけられている。
日本政府は障害者権利条約に署名しているので、字幕義務付ける国内法をつくらなければならない立場にある。


番組の冒頭に聴覚障害者は35万人、潜在的な人も含めて「100万人以上」とナレーションの字幕が出た。
これは「1000万人」の誤植ではないか。ゼロがひとつ足りない。補聴器メーカーや販売会社から、1千万人を越える数字が再三出されている。
番組の制作者の調査不足、認識不足だ。全難聴などに問い合わせればすぐわかることだ。

再放送は、これだけは修正されなければならない。


ラビット 記



職場の情報保障を要望する難聴者

2008年01月31日 09時11分13秒 | 就労
080127_1437~001.jpg仲間と飲んだ後、職場の情報保障の話になって、会社で要約筆記を使った話をしたら、一人は会議の時は磁気ループを手話サークルに頼んで取り寄せてマイクをみんなに使ってもらっているという。送料は勤務先負担。

筆談の彼は、磁気ループをやはり難聴者協会から借りたり、要約筆記の派遣を依頼しているという。派遣は会社負担だ。
やはり、皆職場の情報保障にはいろいろ悩みながらも要望したり努力しているのだ。

今年のカナダの国際難聴者会議で全難聴は職場のコミュニケーションをテーマにパネルディスカッションを提起する。

アメリカのように障害者差別禁止法がある国でも要求を言えない難聴者が多い。世界の難聴者も同じ悩みを持っているはずだ。


ラビット 記 



ノミニュケーションと人工内耳

2008年01月31日 08時40分09秒 | 人工内耳
080130_1832~001.jpg080130_1835~002.jpgノミニュケーションの時は要約筆記者はいない。人工内耳と補聴器で聞くしかない。

幸い早い時間だったので、客が少なくうるさくなかったが、補聴器と人工内耳で聞いてみてもどうも聞きにくい。
人工内耳を切ってみたらその方が聞きやすかった。前はガヤカヤうるさいところだったから聞こえたのだろうか。不思議だ。

日々人工内耳の聞え方は変わっていて、今まで聞きやすかったP4はもうボリュウムゼロ、感度ゼロでもうるさくなり、それよりレベルを下げたP3もうるさくなってきている。

どうするか。


ラビット 記 



会議後のノミニュケーションと要約筆記

2008年01月31日 08時39分30秒 | 要約筆記事業
080130_1736~001.jpg080130_1747~001.jpgとある居酒屋で乾杯するなり、早速「こういうことを知っているか」とか「あの人はこういう考えなのか」とか、正面から聞けないことが次々と出てくる。
「ノミニュケーション」は仕事に直揃している。

男ばかりなのに「○○君は揃婚したんだって」と自分の営業所の若手のことが出て驚いた。

これでは、自分が人工内耳を受けたこともすぐに伝わるはずだ。会議室に入るとすぐ人工内耳はどうかと聞かれたのだ。その人には話してないのに。


難聴者はこうした場にも出ていかないと取り残される。要約筆記者はこうした場にも派遣されるべきだし、派遣されようとしたこともあった。「もあった」というのは、数年前聞こえない人から相談を受け、参加者や内容から派遣することを伝えたが依頼がなかったということを聞いていたからだ。


会議中は人工内耳も補聴器も役に立たない。
仕事の上では、何とか聞こえるとか大体聞こえるというのは「役に立たない」。その場に発せられた言葉は伝わったものとして議論が進む。理解が出来なければ聞くのだ。


ラビット 記



職場の会議中の要約筆記   

2008年01月31日 06時57分41秒 | 要約筆記事業
080130_1833~001.jpg080130_1335~001.jpg3時間にわたる会議が終わった。

若手からは厳しい意見も出されたが、全社的な立場からは合意を図らねばならない。幾つか意見を出したが、皆うなづいて聞いてくれた。


要約筆記者には、会議前に物流問題から計画の今後まで説明し、過去の議論、予想される議論や自分の言いたいことまで話しておく。
そうすることによって、私の意図に合う要約筆記が提供される。そのためにも要約筆記者には秘密保持の信頼がなければならない。奉仕員では会社として契約出来ない。

会議中に何度か問いかけられたのに気が付かなかったが、その時はあわてずに要約筆記の書かれたのを見て答えるのが大切だ。
もたもたしているように見えてもきちんと答えることで信頼が得られるからだ。

会議が終わったら残っててくれと言うので要約筆記者に予定した時間まで残ってもらおうとしたら要らないという。ノミニュケーションだったのだ。


ラビット 記
写真は会社に行く商店街にある鳥居。安くて綺麗な居酒屋。