1月12日、江東区文化センターホールで、第22回東京都中途失聴・難聴者の集いが開かれ、約300人が参加した。
ほとんど活動の経験がない実行委員がそれぞれの聴覚障害、コミュニケーション方法の違いを越えて、力を発揮した集いだった。
平成18年に失聴したばかりの実行委員は受付を束ねる、平成16年に失聴した女性は習得した手話で司会を務めた。サークルや地域の活動の経験しかない委員も各部の実行委員と一緒に務めた。副実行委員長は手話がすぐには出てこない重度難聴者だ。
実行委員会がスタートしたのは、通常よりも遅れに遅れ、約100日前。
手間や時間のかかることは極力止めるか簡素化することにした。普通式典では舞台に来賓に着席してもらうが止めて最初からホールの最前列に着席してもらった。なのでお茶も出さない(失礼しました)。祝辞も省略してしまった。
その代わり、浜崎あゆみの失聴宣言は中途失聴・難聴者の苦闘の証し、自立の支援を求める実行委員長の挨拶、私たちの主張であるアピール文の確認、参加者の意見発表の3分間スピーチを続けて行った。つまり、私たちの求めていることを来賓に最後まで聞いてもらう工夫だ。
3分間スピーチはもともと中途失聴・難聴者が人とコミュニケーションするのに消極的になっているので、人前で話すことでコミュニケーションするきっかけを得てもらおうと企画したものだった。8人が発表した。
一番に申し込まれたのは90近い呼びかけてもほとんど聞こえない方だが、地元の高齢者支援施設の廃止の中止、復活を語気強く述べられたのには驚いた。
2番目の高齢の女性が2年間学んだばかりの手話で、社会は難聴者に理解がない、趣味のサークルでも地域でも手話を使って話をして理解を求めている、みんなも手話使いましょうとたどたどしいが力のある大きな手話で発表した。
軽度難聴の女性は、職場の上司から難聴であることは見て分からないから人に言わない方が良いと言われて、社会に難聴の苦悩や社会の理解を訴え、ろう学校に勤める要約筆記者は子供たちの補聴器のおしゃれをスライドで紹介し、字幕、アニメ、手話付き胃部エックス線検査車の普及を訴えた方、青年部の衰退に問題提起する青年部長、などなど皆しっかりと障害と向き合い、前向きなスピーチをするのに驚いた。
私は8人の「浜崎あゆみ」をそこに見た。
来賓のすべての方に十分私たちの困難と何を求めているかしっかりと聞いて頂けたろう。
広島から参加してくれた昔の仲間がいた。
「東農大の大根踊り、楽しかった。いい運動になりました。ワタシも踊りたくなるような応援です。こんな素晴らしいつどい、いいですね。」
「(実行委員)長のご挨拶も浜崎あゆみさんを例に私達の気持ちをわかりやすく説明なさり、心にしみました。どの企画も新鮮で一緒に行った地域の人もさわやかでリラックスして楽しい集いだったと言っていました。本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。」
ラビット 記
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東京都中途失聴・難聴者の集い アピール
私たちは、一人の人間として生きています。私たちは、聞こえない
だけです。
しかし、聞こえないことで大変苦しんでいます。聞こえないという
ことがどういうことなのか、自分でも受け止められないからです。
私たちは、人と話したり、見たり聞いたり出来ないのではありません。
補聴器や補聴支援システム、手話や筆談、ゆっくりとした話し方、
静かな環境があればかなりのことが出来ます。要約筆記や手話通訳
などが用意されればもっと多くの場面で話したり聞いたり出来ます。
テレビの字幕放送、駅や電車の電光掲示板などの文字情報は私たち
の生活には欠かせないものです。
私たちは、社会に理解と施策の充実を求めます。
2年前、国連で障害者の権利条約が採択されました。昨年は政府が
これに署名をしました。障害を持つ人々が普通の人と同じように
当たり前の生活をする権利を求める条約を私たちは歓迎しています。
昨年から要約筆記者の派遣事業が多くの区市で始まりました。
いつでも、どこでも無料で要約筆記が利用出来ることは私たち難聴者、
中途失聴者の社会参加の権利保障です。
社会に聞こえのバリアフリーが広がり始めています。もっと広げて
欲しいのです。
私たちは、東京都中途失聴・難聴者協会に集まって、仲間との連帯を
元に自立のために活動しています。社会のなかで聞こえで苦闘して
いる難聴者、中途失聴者のみなさんに、私たちの連帯と共感の手が
届くように祈っています。
聞こえなくても、ひとりの人間として生きていける社会を作ろう!
ほとんど活動の経験がない実行委員がそれぞれの聴覚障害、コミュニケーション方法の違いを越えて、力を発揮した集いだった。
平成18年に失聴したばかりの実行委員は受付を束ねる、平成16年に失聴した女性は習得した手話で司会を務めた。サークルや地域の活動の経験しかない委員も各部の実行委員と一緒に務めた。副実行委員長は手話がすぐには出てこない重度難聴者だ。
実行委員会がスタートしたのは、通常よりも遅れに遅れ、約100日前。
手間や時間のかかることは極力止めるか簡素化することにした。普通式典では舞台に来賓に着席してもらうが止めて最初からホールの最前列に着席してもらった。なのでお茶も出さない(失礼しました)。祝辞も省略してしまった。
その代わり、浜崎あゆみの失聴宣言は中途失聴・難聴者の苦闘の証し、自立の支援を求める実行委員長の挨拶、私たちの主張であるアピール文の確認、参加者の意見発表の3分間スピーチを続けて行った。つまり、私たちの求めていることを来賓に最後まで聞いてもらう工夫だ。
3分間スピーチはもともと中途失聴・難聴者が人とコミュニケーションするのに消極的になっているので、人前で話すことでコミュニケーションするきっかけを得てもらおうと企画したものだった。8人が発表した。
一番に申し込まれたのは90近い呼びかけてもほとんど聞こえない方だが、地元の高齢者支援施設の廃止の中止、復活を語気強く述べられたのには驚いた。
2番目の高齢の女性が2年間学んだばかりの手話で、社会は難聴者に理解がない、趣味のサークルでも地域でも手話を使って話をして理解を求めている、みんなも手話使いましょうとたどたどしいが力のある大きな手話で発表した。
軽度難聴の女性は、職場の上司から難聴であることは見て分からないから人に言わない方が良いと言われて、社会に難聴の苦悩や社会の理解を訴え、ろう学校に勤める要約筆記者は子供たちの補聴器のおしゃれをスライドで紹介し、字幕、アニメ、手話付き胃部エックス線検査車の普及を訴えた方、青年部の衰退に問題提起する青年部長、などなど皆しっかりと障害と向き合い、前向きなスピーチをするのに驚いた。
私は8人の「浜崎あゆみ」をそこに見た。
来賓のすべての方に十分私たちの困難と何を求めているかしっかりと聞いて頂けたろう。
広島から参加してくれた昔の仲間がいた。
「東農大の大根踊り、楽しかった。いい運動になりました。ワタシも踊りたくなるような応援です。こんな素晴らしいつどい、いいですね。」
「(実行委員)長のご挨拶も浜崎あゆみさんを例に私達の気持ちをわかりやすく説明なさり、心にしみました。どの企画も新鮮で一緒に行った地域の人もさわやかでリラックスして楽しい集いだったと言っていました。本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。」
ラビット 記
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東京都中途失聴・難聴者の集い アピール
私たちは、一人の人間として生きています。私たちは、聞こえない
だけです。
しかし、聞こえないことで大変苦しんでいます。聞こえないという
ことがどういうことなのか、自分でも受け止められないからです。
私たちは、人と話したり、見たり聞いたり出来ないのではありません。
補聴器や補聴支援システム、手話や筆談、ゆっくりとした話し方、
静かな環境があればかなりのことが出来ます。要約筆記や手話通訳
などが用意されればもっと多くの場面で話したり聞いたり出来ます。
テレビの字幕放送、駅や電車の電光掲示板などの文字情報は私たち
の生活には欠かせないものです。
私たちは、社会に理解と施策の充実を求めます。
2年前、国連で障害者の権利条約が採択されました。昨年は政府が
これに署名をしました。障害を持つ人々が普通の人と同じように
当たり前の生活をする権利を求める条約を私たちは歓迎しています。
昨年から要約筆記者の派遣事業が多くの区市で始まりました。
いつでも、どこでも無料で要約筆記が利用出来ることは私たち難聴者、
中途失聴者の社会参加の権利保障です。
社会に聞こえのバリアフリーが広がり始めています。もっと広げて
欲しいのです。
私たちは、東京都中途失聴・難聴者協会に集まって、仲間との連帯を
元に自立のために活動しています。社会のなかで聞こえで苦闘して
いる難聴者、中途失聴者のみなさんに、私たちの連帯と共感の手が
届くように祈っています。
聞こえなくても、ひとりの人間として生きていける社会を作ろう!