難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

人工内耳装用後初めての聴力検査

2008年01月27日 13時33分54秒 | 人工内耳
080117_1051~001.jpg080117_0934~001.jpg*人工内耳装用後初めての聴力検査

人工内耳を12月5日から装用して、1月3日で30日、1月24日で50日目。この日、装用開始後初めて聴力検査を受けた。何度も行った聴力検査室で、 純音の検査から始める。人工内耳のマップは言葉もある程度聞こえていたP4を使う(V4S12)。補聴器はSUMODM(V3.5)。
その後、人工内耳だけで単音、単語、文章と聞き取り検査を行う。左耳は人工内耳をする前、11月13日までは補聴器をしていたが、その後は人工内耳だけだ。

「あ」の後にア行のいろいろな言葉を聞き取る。「あま」、「あな」、「あは」、「あか」、「あば」、「あた」、「あさ」、「あや」、「あら」。全部似た音に聞こえるので判別しにくい。「は」、「か」、「よ」、「つ」という単音の検査をした。
「め」が「ね」にも「え」にも「へ」にも聞こえる。
文章のテストは、「今日は小学校の運動会だった」のような短文だったり、「朝から雨だったが、昼には上がりそうだ」のような複文だったりする。割と早口だ。

結果は、次回の時に分かるが、補聴器の時よりはかなり下回っているだろう。STは「期待していたほどではないと思っているかも知れないが、まだ50日目。しかも新しい補聴器と併用だから、まだ、まだ、まだ、まだ。」と言ってくれた。


この間、マップは何度も作り替えたが、1月17日は全く違うマップを使用始めた。
違うというのは、マップの設定画面でみるとそれまでのは左の22CH側は左下がりになっているが真ん中が上に盛り上がった山形のカーブを描いていたが、その新しいマップはほぼフラットになったということだ。
このマップを常時聞くにはうるさ過ぎるP3に入れ替えて聞いていた。しかし、ピーピーキキーというのは少し聞こえるが言葉の部分が何も聞こえない。
聴力検査の後、少しレベルを上げてもらったのを再度P3に入れた。会社以外は、できるだけ補聴器を切って人工内耳だけで聞いて下さいという。人工内耳で 聞くと言うのが大事で、ループで聞こうがTモードで聞こうがとにかく人工内耳で話しを聞いて脳を馴らすのが大事だということだ。人工内耳も装用して聞いていれば意識していない場合でも脳は何かを得ているのだろう。


今朝の朝日新聞のBeに興味ある記事が掲載されていた。耳→脳だけではなく、脳→耳の機能があるということだ。

「脳は私たちの意識に上らないところで、中断の前に得られた情報で次を『予測』している」、「これに対し、「脳→耳」という流れがあることが最近、脚光を浴びている。それまでに得られたいろいろな特徴を絞り込んで検討して音源等を予測するといった仕組みだ。そこでは「当面は無関係」と思われたデータはあったとしても無視される。耳に入る音の全てが聞こえる訳ではないのはこのためららしい」(朝日新聞2008年1月27日「Be」s2面)。

聴力検査でも、私が補聴器側から低い音が聞こえ人工内耳側から高い音が聞こえると言ったが、低い音も入っているとSTは言っていた。脳が音を補完している。
浜崎あゆみさんも片耳失聴でも聞こえていたときの曲の音を補完しているのかも知れない。


ラビット 記



中途失聴・難聴者の「集い」の情報保障

2008年01月26日 23時38分47秒 | 生活
080112_1503~001.jpg080112_1535~001.jpg1月12日の「東京都中途失聴・難聴者の集い」の情報保障は様々な方法が場面に応じて用意された。

全体会場は要約筆記、パソコン字幕、パワーポイントによる文字情報の投影、手話通訳、磁気ループ、それに出演者自身の手話だ。

その場で話される挨拶や司会の言葉は要約筆記だ。
実行委員長の挨拶は演壇に歩いて行く際にも話す内容が固まっていなかったというので当然原稿はない。司会はシナリオが用意されていたが、開演直前まで手が入れられていた上、手話を使いながら話すので生きた言葉になる。
要約筆記は公費派遣ではなく、登録要約筆記者の会のボランティアだ。ボランティアだが全員登録された要約筆記者なのは通訳として責任をもつからだ。

アトラクションの応援団の説明や歌詞、「押忍」のかけ声は事前に提供されたので、パソコンのプロジェクターから映し出した。
操作は聞こえる会員のボランティアだ。

記念講演の講師は手話を使いながら、文字や写真を多く盛り込んだスライドを投影した。
スライドを読みながら話すと話し方が平板になりやすく、時間もかかってしまう。
これは、スライドにはいろいろな工夫があって楽しめただけに残念だった。

しっかりした要約筆記のついた講演の経験が少ないか、要約筆記者の書く内容が不十分と考えている人は文字を多用するようだ。パワーポイント全面に発言原稿を表示した人もいる。

文字が多いと読むのに時間がかかるので、要約筆記を意識した話し方や視覚的な提示など、要約筆記者と連携を取る必要があるので、最近は聴覚障害者対象にはパワーポイントを使った講演をしていない。

磁気ループはステージの上も舞台袖の部分まで張ってあり、中途失聴・難聴者の実行委員や担当に効果があった。
実際に袖にいたが人工内耳と補聴器の両方をTモードで20代の頃のように良く聞こえた。

手話の堪能ではない総務担当の実行委員はいろいろな人が来るが要約筆記者が専属でノートテイクして、ちゃんと仕事していた。
しかし要約筆記者が書いて、本人が読んでいるのに、脇で手話通訳が手を動かしていたのは通訳としては介入しすぎだった。

機器展には出展者自身が筆談ボードや手話で説明した他、手話通訳、要約筆記者がついた。


「集い」は様々な情報保障をそれぞれの考え方、方法に基づいて実施されて、成功した。


ラビット 記



「CM字幕に関する提言」 松森果林氏の取り組み

2008年01月26日 09時43分48秒 | バリアフリー
071225_1808~001.jpg松森果林氏から、テレビのCMの字幕について、調査した報告会があるという案内をもらった。
CMの音声は同時に流されている音楽等に消されたり、話している声も早口だったり、よく分からない。

テレビCMの字幕は、広告提供者、広告主の理解がなければ難しいが、CMだけではなく、番組本体にも字幕が必要なことにも理解して欲しいものだ。


ラビット 記
Begin forwarded message:

講演会等でお世話になりました。松森果林と申します。

イベントのご案内をさせていただきたく、メールいたしました。


私が活動している国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)の「余暇のUDプロジェクト」では、今年度のテーマとして「CMに字幕を」と定め、活動してきました。
このテーマは、10年来私が持ち続けてきた野望です!

この一年近く、月刊ニューメディアという雑誌との共同調査で、IAUDの会員企業(48社)を対象に、「CMの字幕」についてアンケート調査。同時に、生活者(聴覚障害者104名、健常者170名)にも調査をしました。
その結果、聴覚障害者では4人に3人が、健聴者でも半数がCMに字幕がほしいという回答になりました。

この調査結果を踏まえ、「CM字幕」の課題や海外事例を徹底的に調査しIAUD参画企業の協力で、字幕をつけたCMのテストデモを行います。実際に テレビCMで使っている素材をもとに制作したものです。

字幕が「画面を汚す」というある種の神話?がある中、それが本当なのかどうかを実際に見る絶好のチャンスであり、CMに字幕をつけることで、聞こえない人にも最低限同じ情報を提供できるだけでなく広告効果の可能性を探ることができると思います。

テレビの字幕に関しての問題も、まだまだ多い中あえて、CMへの字幕を提言したのは、このIAUDには、日本を代表する優良企業が多く集まっているからです。そうしたメーカーから働きかけていってほしいと思っています。

今後、CM字幕への提言などを幅広く行っていく予定でおりますが、これまでの活動報告が2月8日に行われます。
お台場のトヨタショールームで、一般公開は午後からです。よろしかったら、いらしてください。
私も説明員として会場におります。興味のある時間帯のみいらしていただいても結構です。
以下の報告会の詳細です。


◆ 「2007年度国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)活動報告会」のご案内
2月8日金曜日に「2007年度IAUD活動報告会」が、東京・青海のトヨタユニバーサルデザインショウケースにて開催されます。

◆参加おすすめ時間帯
〔午後の部・一般公開〕
* 13時30分 「IAUDの果たすべき役割」(吉浜理事長)
* 13時50分 基調講演「CSRにおけるUD」(社団法人日本フィランソロピー協会理事長高橋 陽子氏)
* ≪休憩≫
* 15時00分 「シームレスな移動空間の研究」(移動空間PJ・近藤主査・佐藤恵吉・岸八潮)
* 15時40分 「CM字幕に関する提言」(余暇のUDPJ・飯泉主査)
* 16時10分 「ワークショップ活動報告」(ワークショップWG・秋谷主査)
* 16時40分 閉会挨拶・総括(岡本議長)
* 17時00分から18時30分 交流会(事前登録が必要です)

◆参加連絡
公式サイトにて参加申込みを受け付け中。
http://www.iaud.net/event/archives/0712/19-000000.php

興味のありそうな方や、他の団体にもご紹介いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

松森果林
>>





字幕のない日本映画 

2008年01月26日 08時41分05秒 | バリアフリー
071121_0051~001.jpg映画「バベル」に字幕を付ける運動をした人たちの紹介。

NONFIX
http://wwwz.fujitv.co.jp/nonfix/index.html
日本映画が見たい… ~忘れられた「聞こえない人達」の存在~

2008年1月31日(木) 02:38~03:38 放送(2008年1月30日(水)26:38~27:38 放送)

「日本人なのに日本映画を見ることができない 」

日本映画が盛んに評価され始めている昨今。洋画は楽しめるけれど「邦画を楽しむことが出来ない」という日本人がいるということをどれだけの人が知っているだろうか。


ラビット 記



職場のコミュニケーションと人工内耳

2008年01月24日 23時24分40秒 | エンパワメント
071030_1915~001.jpg今朝、昨日の会議に欠席した上司に内容を報告した。

それはどういうことかと聞かれて説明をしたら、後ろ向きに座っていた女性社員が補足してくれた。
難聴者には、後ろ向き聞いて返事するくらいならともかく、話に加わるなんて考えられない。


上司に口頭で報告したが、人工内耳を装用し補聴器を変えてから、話しかけられることも話しかけることも多くなったと思う。もちろんまだ聞こえていないが、み振りや表情でコミュニケーションをとるようにしている。

業務のコミュニケーションはメールや配布された社内資料くまなく目を通し、予備知識を十分に蓄えて、口頭の情報に少しでも耳を澄ませて対応するのが良いと考えてきた。

毎週一度の課内会議に要約筆記が付くことでその場のやりとりが分かるだけでなく、会議後のコミュニケーションにも役にたつ。
会話の背景となる知識などは一定の長い期間に身に付くので、入社した時から要約筆記は必要だ。


出来るだけ周囲に語りかけることにより、良いコミュニケーションの前提となる親近さが生まれる。あるいは、誠実さを理解されることにより、その後の文字やその他の手段によるコミュニケーションにより、生の情報が得られると思ってはいた。
しかし、難聴者はその語りかけることがどうしても出来ない。


この一ヶ月の経験は、同僚との会話や電話に最新の情報や生きた知識がたくさんあることがわかった。

少しでも聞こえることがこんなにコミュニケーションに差があるとは考えてみなかった。
人工内耳は職場のコミュニケーションの改善に力を発揮するだろう。

しかし、人工内耳だけに職場の問題解決を期待するわけにはいかない。
難聴者のエンパワメントの場とコミュニケーション保障の制度が必ず必要だ。
職場の上司や同僚の理解、業務内容などに合わせて、自身をアピールするための難聴の説明方法や権利意識、コミュニケーション方法を身につける場、難聴者自身を勇気付ける場が必要になる。

職場の理解、本人の努力、職務の内容如何によらず、コミュニケーション支援、雇用者との調整を含む就労支援を受けられる制度が必要だ。


ラビット 記



デジタル放送関係情報とバリアフリー 

2008年01月24日 12時59分02秒 | 機器について
080115_2121~002.jpg071030_1906~001.jpgデジタル放送関係のニュースをインターネットで拾った。

簡易チューナーの規格も報じられている。
これはデジタル放送推進協議会Dpaが放送事業者とメーカーなどの連合体なのでメーカーの対応が進んでいることを示している。

しかし、わからないことが多すぎる。


Oさん
松下電器(パナソニックにブランドが統一される)のCATV(ケーブルテレビ)向けのセットトッブボックスというのは家庭に設置するものですか、その家庭はアナログテレビの場合?デジタルテレビの場合?

NECの次世代映像規格ってなんでしょうか。Mpeg4に変わるH.261とかの規格のことでしょうか。テレビ側のデコード機能が新しいものになって、テレビ局側はどうするんでしょうか。

パナソニックが5.1チャンネルの音声を2チャンネルで再生するというのは、後方などの音を2チャンネルで聞こえるようにするということですか?
5.1チャンネルに解説音声が入っていたらどうなるんでしょうか?



・・・・・・・・・・・・
NECエレクトロニクス、次世代映像規格対応のデジタルテレビ用システムLSIを製品化
日経プレスリリース
新製品は、映像やオーディオといったデジタル信号のデコード(伸張)機能や画像表示機能などデジタル放送を受信するシステムに必要な機能を1チップ上に集積した画像 ...
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=179722&lindID=1

地上デジタル放送用簡易チューナーの開発に乗り出す
受信機メーカーの条件
ITpro
地上デジタル放送の番組を視聴するために最低限の機能を備えた「簡易チューナー」の登場が現実味を帯びてきた。2007年12月25日に,総務省とデジタル放送推進 ...
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080121/291554/

パナソニック、コントラスト比15000対1の『新・ヒューマンビエラ』PX80シリーズを発売
Phile-web
また、デジタル放送の5.1chサラウンドを本体スピーカー(2ch)だけで仮想的に再現する「アドバンスドサラウンドシステム」や、見るコンテンツにあわせて選べる5つ の ...
http://www.phileweb.com/news/d-av/200801/21/20220.html

松下電器、ビエラリンク対応 HDD内蔵CATVデジタルセットトップボックス*2をケーブルテレビ事業者向けに5月中旬より納入を開始
Japan Corporate News Network (press release)...
ボックス(STB)の累計出荷台数300万台を達成するなど、地上デジタル放送の普及への貢献も含め、ケーブルテレビ業界での魅力あるサービス実現に貢献してきました。...
http://www.japancorp.net/japan/Article.Asp?Art_ID=41626

Turner BroadcastingとNBAが提携拡大,デジタル事業で協力
ITpro
テレビ放送局の米Turner Broadcasting System(TBS)と米プロ・バスケットボールのNBA(National Basketball Association)は米国時間2008年1月17日,提携関係の拡大を...
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080122/291617/


ラビット 記



尾辻さん総理に詰問☆施設なくした雲仙その後☆井戸端元気☆えにし☆

2008年01月23日 18時42分29秒 | 生活
080122_2115~001.jpgえにしネットのニュースが届いた。

尾辻氏と言えば、障害者自立支援法を強行採決した時の厚生労働大臣。
その後のテレビのインタビューで、財政当局の支援費削減のために立法したと障害者支援を念頭においたものではないとも受け取れることを話した人だ。


フジTV|ニュースジャパン:応益負担を求めたのは''財務省の意向があったからか''?

尾辻前大臣(放送当時):「財務省の意向があったかと聞かれると、そういう意向があったことは事実」


社会保障の充実を求める代表質問に何かがあると思っていると、社会保障の施策の充実のために、消費税率改定を含む税制改革を総理大臣に要望している。

消費税で広く平等に負担をというが、わずかな年金しかない障害者や高齢者にもかかるし、ワーキングプアにもかかる最悪の税制だ。

大企業はバブルを越える利益をあげているが大企業向けの減税を拡大されている。
これにきちんと課税して、無駄な出費を抑えれば財源は出来るはずだ。
格差是正とは、消費税の税率アップのことではないだろう。


ラビット 記
・・・・・・・・・・・
> ゆき@志の縁結び係&小間使い、
> 大切なのに、メディアではあまり目立たない
> 「えにし」のみなさん発のニュースを取り急ぎ……。
>
> 【尾辻さん・代表質問で総理に詰め寄る】
> 22日の参院代表質問で、「えにし」の元厚労大臣尾辻秀久さん:
> 「社会保障費を削るのはもう限界です。乾いたタオルを絞っても水は出ません。
> 社会保障費削減は行わないと約束して頂きたい」
> 「経済財政諮問会議もこれまで社会保障に口を差し挟んできました。
> その議論は負担面ばかりに焦点が当てられてきました。
> 社会保障の議論は、国民が安心して暮らすために
> どのような社会保障サービスが必要なのかということが
> 基本にされるべきであります。」に自民党席以外からも大きな拍手が。。
> 草稿をいただきましたので、「えにし」のHP
> http://www.yuki-enishi.com/ の目次冒頭
> 「医療福祉と財源の部屋」に、急ぎアップしました。
>
> 演説の冒頭で、「国民が最も関心を寄せている社会保障のご専門の
> 山本孝史先生が議場にいらっしゃらないことは、残念でなりません。」
> と述べた尾辻さん、23日15時20分頃から
> 参議院本会議で哀悼演説をされます。

(以下、略)




緊急災害時の字幕付与のパブリックコメント

2008年01月23日 13時19分43秒 | バリアフリー
070716_1024~001.jpg070716_1132~001.jpg「視聴覚障害者向け放送の普及行政の指針」の作成に当たって、緊急災害時の
字幕付与を求めるパブリックコメントに対して、総務省は以下のようにコメン
トしている。

【パブリックコメント】
緊急災害時の放送に字幕を付与することを記述すること

【総務省の答え】
緊急災害時の放送に字幕を付与することについては、「デジタル放送時代の視
聴覚障害者向け放送に関する研究会」報告書において、「災害発生時の緊急放
送における字幕制作は、地名・人名等を正確に伝えることが求められ、聞き間
違え、変換間違えが許されないという事情がある。このような背景から、緊急
放送に字幕を付与するためには、予測不可能な事態に対応するため24時間高度
な技術を有する字幕制作要員を確保する必要があり、放送体制確保に伴う経費
負担の増加が課題となっている。」と指摘されており、現時点では、指針に記
述することは困難であると考えます。

------------------------------------
【パブリックコメント】
手話放送は、聴覚障害者にとって不可欠な放送であり、国連の障害者権利条約
で手話が音声言語と同様に言語として定義されたことからも、技術的な問題は
あっても、解説放送と同様に10%の目標を設定すべき。緊急災害時の放送に手
話を付すことを記述すること。

【総務省の答え】
「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」報告書において
、「手話放送については、・・・・技術的課題、・・・・研究開発の可能性、
・・・諸外国の状況などを考慮しつつ検討していくことが求められる」と提言
されているところですが、ご指摘の点については、今後の検討にあたっての参
考とさせていただきます。


字幕制作にコストがかかるのは当然だ。緊急災害時にこそ、聴覚障害者に情報
保障する必要性がある。阪神淡路大震災のときも、茨城県の原子力臨界事故も
そのことが教訓になっているはずだ。
緊急災害時の放送は、これは、NHKが災害対策基本法に定められた報道機関で
、唯一の指定公共機関で放送義務が課せられている。国民の中に、聴覚障害者
は含まれないのか。

増田総務大臣に国会答弁してもらいたい。


ラビット 記
写真は2007年7月16日の中越地震のNHKの午前10:24と11:32の臨時ニュースの画面。
字幕放送はない!



人工内耳の手術後初めての散髪

2008年01月22日 20時37分39秒 | 人工内耳

berbars.jpgCIwithcanal.jpg昨年11月14日の手術の前日に病院内で散髪して以来、初めて散髪した。

手術する部分は刈られてから大体生えるまで2週間位かかった。それまでは、勤務中も毛糸のチューブを被っていた。
洗髪は1週間経つ前にしたと思う。

電気バリカンが影響があるかと心配したが医師からは大丈夫だと。

黒い人工内耳に透明なスケルトンのカナルを付けているが、白髪が増えてきた頭にもまだマッチしている。


ラビット 記



生放送の字幕制作の課題は何か?(2008年1月22日の記事)

2008年01月22日 19時42分15秒 | バリアフリー
080115_2123~001.jpg080115_2121~002.jpgNTTコミュニケーションズが、自動字幕制作システムを発表した。
http://www.ntt.com/release/monthNEWS/detail/20080121.html

字幕放送が生放送も含めて、総務省の視聴覚障害者向け放送のガイドラインで100%実施するように、定められたことが契機になっているのだろう(※1)。

生放送のニュースを自動的に字幕制作するものだが、これまで生放送の字幕制作には人手がかかるためコストが高くなっていた。
NHKでも、リアルタイム字幕制作のリスピーク方式は修正に人手を要するので、コストのかからない方式の検討をしている。

なぜ、コストがかかるのか。それは、総務省の報告書(※2)にもあるが「誤字、脱字が避けられない」ため、チェックと修正に人手をかけているからだ。誤字、脱字があると放送法第4条の訂正放送の対象になりかねないとして、慎重になっている。

NTTコミュニケーションズの字幕制作システムは、放送事業者の検証を経ているのでこの誤字、脱字が少ないのだろう。難聴者に検証は求められていないのは残念だ。

難聴者にとっては、ローカル放送のニュースに字幕がついていないので、歓迎したい。
国は、デジタル放送の視聴覚障害者の放送アクセスのために、ローカル局に対してこの種のシステムの導入の補助を検討すべきだ。

生放送の字幕には課題がある。
ニュース番組の字幕の正確さのために遅延を生じているとしたら、許容度を定め、放送法で免責するなどの方策をとって、字幕と映像の遅れを少なくして欲しいと思う。
それはできないというならば、映像と音声を遅延させて字幕と同期するシステムを実現して欲しい。
今でも、デジタル放送は映像データを圧縮、伸張をするためアナログ放送と時間差がある。
実際に家にあるアナログとデジタルのテレビで同じチャンネルにしているとアナログでは相撲の結果が分かるがデジタルではまだだった。
そのためデジタル放送では、時報の放送はないと言う。

総務省のデジタル放送研究会では、字幕遅延システムも発表されたが、放送事業者のシステム、受信機の規格を変更しなければならず、棚上げにされている。
http://203.140.31.100/joho_tsusin/policyreports/chousa/digi_hoso_sikakusyogai/061116_2t_2-06.html


生放送というと緊急災害時の字幕放送は人命に関わることで必須なはずだが、NHKは対応するとは言わない。
昨年の新潟沖地震で字幕放送を実施したというが、たまたま定時のニュースの時間にかかっただけだ。地震発生後の臨時ニュースに字幕はなかった。

CS通信放送機構の高田理事長がこの研究会で緊急災害時の対策を求めたにも関わらず、報告書では、常時字幕制作者(ステノキャプショナー)を待機させるにはコストがかかるとあけすけにその理由を語って、短い記述しかない。


生放送の字幕放送の課題の三つめは、字幕の内容だ。
NTTコミュニケーションズのシステムも音声認識技術を用いたもので、話をそのまま字幕化する。字幕制作者(ステノキャプショナー)の高速入力も話したまま文字化される。
アナウンサーの話す早さで字幕が表示されると字幕の文字が早くされると読めない。
読むだけの表示時間が確保出来ないからだ。一つの画面に動く映像やテロップもあるので字幕を読むのは特に高齢者は難しい。祖母は難聴だがニュースは字幕を付けない。
これは、字幕用の原稿も用意するとか同時録画再生機能(ストリーミング再生)などの対応が必要だろう。


※1
視聴覚障害者向け放送普及行政の指針の公表(総務省、2007年10月)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?ANKEN_TYPE=3&CLASSNAME=Pcm1040&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000030710

※2
「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」報告書(総務省
、2007年)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/pdf/070330_19_ts2.pdf
http://maroon.way-nifty.com/welfare/files/digital_jimaku_housou_shishin.pdf


ラビット 記
---------------------------------------------
NTT Com、生放送ニュース向け全自動字幕制作システム
-送出時の運用者が不要に。5分ニュースなどに対応
AVwatchニュース
 NTTコミュニケーションズは、生放送のニュース番組向けに、字幕を自動制
作する「全自動リアルタイム字幕制作システム」を開発、1月22日より受注開始
する。システムソフトウェア一式の価格は315万円で、2008年度中に2~30の放
送局への販売を目指し、売上額は1~2億円を見込む。

 アナウンサーが読むためのニュース原稿から自動で字幕テキストを生成。生
放送
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080121/nttcom.htm




最近の聞こえの状況について【報告】  

2008年01月22日 12時32分10秒 | 人工内耳
080117_1105~001.jpg080117_0723~001.jpg勤務先で、人工内耳の装用後の聞こえ日常のついて説明と理解を求めるメールを46人に出した。

特に反応はないが、前に私の元に来た時「メール」の手話「メ」を覚えてくれた若い社員が聞こえるようになって良かったですねと言ってくれた。


ラビット 記
・・・・・・・・・・・・・・・・
私の通院については、いろいろご協力ご理解を頂き、ありがとうございます。

左の人工内耳は装用開始後1ヵ月半を越え、右耳の補聴器も新しい最新型に
更新しましたので、両方の新しい聞こえを獲得しつつあります。

人の音声域の周波数帯(250hz~8000hz)は補聴器だけではほとんどカバー
していない(1000hz以上が聞こえていなかった)のが人工内耳の装用により
カバー出来るようになりました。特に、時計の秒針の小さい音や携帯のキーを
打つ高い音が聞こえるとか未知の体験です。
呼ばれた声に反応したり、話しかけることが多くなったと思いますが、いかが
でしょうか。
しかし人の声を聞き取れるようになるまで、半年から1年かかるといわれて
います。通院する回数は減りますが、まだ努力が必要なようです。複数の方
からいっぺんに話されるのは人工内耳の仕組み上聞き取りが難しいようです。

皆さんとよくコミュニケーションをして、業務に生かししたいと思いますので

今後ともよろしくお願いします。




「目前に字幕?」文字浮かぶコンタクトレンズ

2008年01月20日 17時10分09秒 | 機器について
080120_1657~001.jpg080120_1700~001.jpgFujisankeiBusiness1月20日のトップページに「映像や文字浮かぶコンタクトレンズ」という記事が載っていた。

まだウサギの目に装着しただけだが、メガネ型のモニターディスプレイが聴覚障害者の情報保障の利用可能性について、脚光を浴びたばかりだ。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/5944827.html


ラビット 記



「言葉を追うな、意味を追え。」 人工内耳と要約筆記 

2008年01月20日 16時22分32秒 | 要約筆記事業
080120_0837~002.jpg080120_0837~001.jpg右の補聴器と左の人工内耳ともTモードにして聞くと良く聞こえる。話し手の話し方もうまいが話がそのまま頭に書ける。
聞き取った言葉がタイプされて並んでいく。
「情報の過多の例を考えた時に最初に頭に浮かんだのがこのスリーマイル島の原発事故の例だったんですね。」

タイプでカナ漢字混じり文で、タタタと打ち出されて行くのはテレビや映画のシーンのようだ。


頭に浮かぶが、並んでいく時はその意味まで理解に至っていない気がする。
なんで理解出来ていないのか、考えたい。
乳幼児からの難聴で、14歳から補聴器を装用し始め、成人になり、20代、30代は職場では出来ないにしても難聴者の集まる場では、補聴器や磁気ループ、指向性マイクも使って聞き取れていたはず。40代後半から補聴器での聞き取りの力が低下していた。

聞き取りにくい耳で、端ばししか聞こえない言葉をなんだろうなんだろうと思いながら聞いているが、頭に言葉が並ぶというのは、その聞き取れていない虫食い状態の話が埋まって「聞こえている」かのようだ。

その聞こえた言葉の意味を考え、「成程。それなら今は事故対策はどうなっているのか」、「事故と言えば新潟の柏崎原発も危なかったな」とか、聞いて思考する作業が弱い。 

なぜ弱いのか。話を聞いて、それが自然に頭の中にイメージなり概念を構築することが出来ていないのかも知れない。

聞く機会、聞く時間が足りないのかも知れない。普通は小学校から高校、大学の授業、講義とかなりの時間を人の話を聞いて成長する。
知識として脳内に蓄積される他、音声データとしても大量に蓄積されるのだろう。
聞くことで、言語を獲得し、コミュニケーションと行動体験とともに成長する。人格が形成される。

乳幼児からの難聴の場合。聴者に比べてこの蓄積が知識も音声データとも圧倒的に少ない。
だから聞こえた言葉の音をカナ漢字混じり文に並べる(類推)ので精一杯なのではないか。


人工内耳で聞こえたオンは何の音かも最初は言葉かも分からない。聞こえたピーピーガーガーが時間とともに段々言葉に聞こえてくる。
しかし、人工内耳は補聴器で言葉を並べる上で良い効果がある。言葉の輪郭が明瞭になるからだ。


聞くのをあきらめ、文字で話を聞くようになって、話されたことが文字になったものを読んで、内容を理解するのはまた疲れることがわかった。
そこから、見てすぐ分かる要約筆記の必要性が生まれる。

「言葉を追うな、意味を追え。」というのは名古屋の登録要約筆者の会が通訳としての要約筆記を際履修する講座のテキストの中のフレーズだ。
話された言葉をそのまま文字化するのではなく、理解しやすいように、言葉を再構築する。そのために意味をとらえることが重要ということだ。
要約筆記が通訳である理由だ。


実際に頭に言葉がならんでも理解しにくいならと要約筆記を見ると分かるということが何度もあった。
人工内耳を装用するということは頭に音声データを今からでも蓄積したいということがある。


ラビット 記
写真は東大の側のお宮。「医王山」とある。





光る点字ブロック 見える人にも便利

2008年01月20日 09時44分20秒 | バリアフリー
080119_2049~001.jpg080119_1921~002.jpg昨日の講座の帰りにライトの付く点字ブロックがあった。
講座のあった大学には視覚障害者の学ぶ学科があるのだ。
点字ブロックに頼らない視覚障害者が夜遅くなって出入りするためかと思うが私たちが利用する際にも見易い。


講座は、全難聴の要約筆記指導者養成講習会の通訳課程後期のことだ。
難聴者も15人くらい参加し、要約筆記をはさんで指導案をグループ討議しながら作成していた。


ラビット 記 



人工内耳の調整(マッピング)の経過と電極の写真

2008年01月18日 08時45分20秒 | 人工内耳
12月4日、初めて人工内耳を装着(音入れ)。P1
    ※P1はマップの1番目という略号。

  5日 続けて調整。 P1の更新とP2を設定。P2はレベルが低いもの。

12月19日 2回目の調整(マッピング)P1、P2にP1のレベルを下げたP3を追加。P1がうるさいため。

  28日 補聴器外来 P1、P2、P3にP3のレベルを下げたP4を追加。P3をV0S0(音量、感度ともゼロ)で聞いているため。
    ※Vはボリュウム、Sは感度のこと。

1月11日 補聴器外来 P3をP4をさらに下げたP5に入れ替え。P3はうるさくなり、P4を聞き始める。
この日から新しい補聴器を使い始める。人工内耳P4と補聴器SUMODM。

1月17日 3回目の調整(マッピング)P3をP6に入れ替え

現在は、古い順にP1→P2→P4→P3。P3が最新のもの。
聞こえ方の良い順は、P1→P4→P2→P3。P1は大き過ぎる。
1月17日では、P3をデフォールトのV9S12で使用始める。ほとんど聞こえない。
P4はその日まで、V6~4、S12で使用してきた。

いずれもコード化法はACE(エース)、総刺激レートは7200。



071113_1325~001.jpg
写真は人工内耳の埋め込み部。隣の緑色のはボールペン。
先端の電極部分がカールしているのはより蝸牛(かぎゅう)内部で電極が聴神経に接近するように設計されている。そのため電力も少なくて済み、電池が長く持つようになった(コクレア社の「コンツァ」、contour)。
http://www.earsurgery.org/electrode1.jpg
もう一方の紐状のものも電極。これは蝸牛内に入れずに埋め込む(頭蓋骨内部か頭皮下かは未確認)。アースの役割をするとのこと。



人工内ィの・石.jpg手でつまんでいるのが磁石。透明な柔かいプラスチック樹脂にはめこまれているだけだ。MRIの検査を受ける際に手術で外すことが出来る。
その下の部分と2本の電極部分は外れるようになっている。電極は挿入したままで体外に取り出せる。


ラビット 記