日本社会の最大の特徴は、有史以来、外国の植民地支配を受けたことのない異例に平和な国だということである。これはもちろんいいことだが、戦争を指揮する絶対君主がいないため、国としてのまとまりが弱い。人々を精神的に引っ張る力も必要ないので宗教の影響も弱く、キリスト教やイスラム教のような一神教は根づかなかった。
他方、社会が自生的な生態系を形成しているため、地域や企業などの中間集団のまとまりが強い。その内部では規律が厳格に守られ、転職などによって組織を裏切ったものは「村八分」になり、二度と同じような組織には入れてもらえない。中間集団の最適規模は数百人以内なので、大企業は事業部の連合体になり、政府は省庁の連合体になる。それを統括する取締役会も内閣も「合議機関」で、社長や首相がリーダーシップを発揮するのがむずかしい。
(池田信夫ブログより)
他方、社会が自生的な生態系を形成しているため、地域や企業などの中間集団のまとまりが強い。その内部では規律が厳格に守られ、転職などによって組織を裏切ったものは「村八分」になり、二度と同じような組織には入れてもらえない。中間集団の最適規模は数百人以内なので、大企業は事業部の連合体になり、政府は省庁の連合体になる。それを統括する取締役会も内閣も「合議機関」で、社長や首相がリーダーシップを発揮するのがむずかしい。
(池田信夫ブログより)