●対象学生によって、おなじ授業でも異なる評価
これも、その雑誌に一つの実践研究例として掲載してあることだが、昔々、同じ授業を毎週、対象学生を変えて3回していたときに、学生による授業評価をしてもらったことがある―30年前にすでに授業評価を自分でやっていた―。びっくりしたのは、対象学生によって、その評価がかなりずれのである。生物関係の学生が一番好意的に評価してくれたのに対して、体育関係の学生の評価が一番厳しかったのである。さらに驚いたのは、授業評価の3つの視点、授業内容、方法、熱意のすべてについて、3つのクラスの評価がほとんど平行移動的にずれていたのである。
今回の授業、体育関係の学生が2/3を占めていた。評価が厳しいのは、そのせいであろう。(これも、言い訳になる!)
適性処遇交互作用、つまり教え方(処遇)は、学生の適性(能力)に応じて最適化すべしという提言が教育心理学ではなされている。それを講義することもある。
今一度、謙虚にこの提言に従う授業を展開してみたい。しかし、大学での教職歴40余年にして、どうやればよいのかわからない。目下、自信喪失状態である。