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鑑査の方法のルール化

2011-06-27 | ヒューマンエラー

---鑑査の方法をルール化している薬局もありましたが、ルール化は、した方がよいのでしょうか。
海保 ルール化は、確認の大事さを全員で共有するという意味では重要です。「調剤と鑑査は別の人間が行う」といったルールであれば、組織としてのマネジメントにもつながります。
 ただ、ルール化してしまうと、すぐに慣れてしまい、例えばダブルチェックをしても、それが機能しなくってしまう場合があります。彼がやったんだから自分はいいやとか、彼女がやったなら間違いないだろう、とかいうものです。責任が分散してしまうのです。
 これは、心理学の世界では「社会的手抜き」とか「フリーライダー」(ただ乗り)とか言います。人間は横着な存在です。意識せずに力を抜いてしまうのです。しかも鑑査は、1000回に1回くらいしか起こらないミスを見つけることが目的なわけですから、自分だけに責任がないなら、ついついて手抜きをとなりがちです。

鑑査の具体的な工夫

2011-06-27 | ヒューマンエラー


---特集では、鑑査の具体的な工夫がいろいろと集まりました。これらをご覧になって、いかがですか。
海保 確認作業には、「ダブルチェック」「動き」「見える化」の3つが大切です。「声を出しながら確認する」というのは、目で見て、声に出すという意味では「ダブルチェック」でもあるし、「動き」でもある。指を差したり、処方箋に丸を付けたりというのは、「動き」でもあり、「見える化」でもあります。この3つをうまく組み合わせることで、確認作業の精度が増します。調査に寄せられた実例を見ると、みなさん上手に工夫をされていると思います。