集中力の配分ってどんなもの
点検作業のように一点集中もあれば、監視業務などのようにあえて1点集中をせずに満遍なく集中することもあります。
状況に応じて、能動的な集中力はその配分を自在にコントロールできるはずなのですが、ここにもミスへと誘うものが潜んでいます。
それは、能動的な集中の無意識化という問題です。最初は能動的に集中していることは意識できていても、とりわけ1点集中のケースでは、次第に仕事そのものにすべての資源が集中してしまい、集中状態の意識的な自己チェックができなくなってしまうのです。だからこそ仕事の能率も質もあがるのです。
たとえば、発明発見時のエピソードとして知られているようなフロー(熱中)状態、スポーツでは、ゾーン状態のケース、あるいは、何時間、何日、いや何か月にもわたり、非常にレベルの高い集中力を発揮し続けるケースです。
当人は、どんな集中状態なのかについてはまったく意識がない。日常的なケースでもあります。ただし、お笑いともいえるようなケースばかりですが。たとえば、
・電車で小説を読んでいって、乗り過ごしてしまった
・ゲームをしていて、宿題を忘れた
・友達とだべっていて、約束の時間に電話するのを忘れた
・難しい問題を解いていたら、約束を忘れてしまった
いずれもミスのほうを重視すれば、これは好ましいことではありません。しかし、ミスを補ってあまりある至福の状態の体験のほうを考えれば、割にあってはいます。
しかし、ここでは、ミス防止の話であるので、そうとばかりは言っていられません。周りに迷惑をかけることになるし、場合によっては自分の破滅になるかもしれないからです。