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状況認識———何が起こっているかを知る」安全・安心の心理学

2020-05-21 | 安全、安心、
05/12/1

状況認識———何が起こっているかを知る
●緊急事態の特徴
緊急事態に慣れているのは、消防署員や救急援助隊員や警察官である。普通の人にとっては、緊急事態はほとんどいつもはじめて遭遇することになる。したがって、そこでは普段とはまったく違った状況認識や行動をすることになる。これも緊急事態の特徴の一つであるが、さらに3つの特徴がある。
一つは、時間切迫がある。心臓発作で倒れれば、ただちに蘇生手当が必要になる。
もう一つの特徴は、周囲の状況の中でそこだけが際立っているということがある。火災は、周囲の平静さから顕著に際立っている。
3つ目の特徴は、注目、注視である。ひったくりにあって大声をあげれば、周囲の人々はそちらのほうに目を向ける。
さらに4つ目の特徴を挙げると、平常な状況に早く回復するという目標が明確なことである。火事なら消す、交通事故なら怪我人を助け、車を片づけなければならない。

●はじめて状況に遭遇すると
 我々は、絶えず、今現在の状況がどうなっているかをチェックしながら行動をしている。そして、ほとんどは、その状況は、いつもの慣れ親しんだものである。したがって、無意識のうちに、行動にふさわしい状況認識をしている。
これが、旅行などではじめての場所にいったりすると、情報が一気に増えてくる。旅行なら、それは楽しみの一つであるが、これが緊急事態であったらどうであろうか。
緊急事態には、時間切迫がある。しかも、やらなければならない目標がある。周囲からの注視もある。そうした制約の中で、妥当な状況認識をするのはかなり難しいところがある。

●顕著なものに騙される
緊急事態には顕著性がある。それが、状況認識を誤らせる。手で胸を押さえてうずくまっていたら、すぐに心臓発作と判断してしまう。大声での言い争いは夫婦ゲンカと思いこんでしまう。つまり、注意を引きつける顕著な手がだけに基づいた判断をしてしまいがちなのである。
いつもと違った状況では、判断すべき情報が多く、しかも、あいまいである。たちまち何が何やらわけがわからないという状態になりがちである。しかし、状況は即断を求めている。となると、今眼前で目に付いた手がかりで自分なりの解釈ができるものだけに基づいて状況を認識しようとする気持ちになるのは当然である。
緊急事態の状況認識の方略としては、これはこれで有効である。いつまでもあれこれ迷って優柔不断のままでは、事態はどんどん進んでしまうからである。
問題は、こうした状況認識が妥当でない場合があることである。

●思い込みが怖い
普段の我々の状況認識は、認識の中核になる情報と、それを取り巻く周辺的な情報とが一体になっておこなわれる。いわば、ゲシュタルト的な認識注1***をしている。それが、妥当な認識へと導く。
緊急事態のように、顕著な手がかりだけを周囲から孤立して認識をしてしまうと、その顕著さと孤立ゆえの判断、解釈の思い込みエラーの可能性が高くなってしまう。
かといって、あらゆる情報を吟味してからおもむろに慎重判断をする、というのでは遅すぎる。

●緊急事態での状況認識を妥当なものにするために
ここでは、繰り返すが、緊急事態の仕事をする人々についの話ではなく、普通の人々が突然、緊急事態に遭遇した時の状況認識の話である。こんな心構えが有効である。
1)あわてない
時間切迫は、人をあわてさせる。事態の進行速度のほうが人の行為の速度よりも速すぎてギャップが大きくなると、それを埋めようとしてあわてる。限界を超えて行為のスピードをあげるので、ミスしがちである。あわてないためには、自分の行為を実況中継するような気持ちで言葉にしてみるとよい。言葉が行為を調整してくれるからである。
2)大局的、多角的に考えるようにする
 思い込みによる誤った状況認識を避けるためには、情報的に自閉しないことである。事態を鳥瞰図的に眺めてみる、一歩引いて観察してみる、観点を変えてみる、などなど。
3)思いを口に出して周囲と情報交流を活発にする
 思い込みは頭の中で起こる。それをできるだけ口に出すことによって、周囲からのチェックを受けられるようにする。さらに口に出すことの効果は、自問自答による自己チェックをも期待できる。
3)いろいろの人の意見に耳を傾ける
 「緊急事態で役立つのは普段は役に立たない人」という冗談がある。それは、事態に巻き込まれていないフレッシュ・アイを持った人の意見を聞けという忠告でもある。思い込みエラーを防ぐには、周囲からものを言ってもらえる環境が必要なのだ。(K)



******

 
注1 ゲシュタルト的認識の例としてよく挙げられるのは、図に示す主観的な輪郭がある。全体的に見るからこそ、陽にはない四角が見える。






ターゲット広告がうるさい

2020-05-21 | 認知心理学
最近は、宅食便関連としびれ薬が多い。

自分のブログでも取り上げているし、
ネット検索もしている。
そのためであろう。
いたるところで、宅食便としびれ薬関連の広告が出現する。
はっきりいってうるさい。
もう購入を決めて満足しているので、
ほしい情報はない。

広告は、かくもうるさいものか。

「参考」ネットより
 ターゲティング広告とは
ユーザーやコンテンツの情報を分析して、ユーザーにとって適切と思われる広告を配信するもので自分す。
ターゲティング広告では、PCやスマートフォン・タブレットのブラウザ*ごとのクッキー*上に発行されるIDに紐づいて蓄積される情報(サイト閲覧履歴等)や、スマートフォン・タブレットのOSが発行する広告識別子*に紐づいて蓄積される情報が使われています。
ブラウザやデバイスを1ユーザーと見立てていますが、実際に特定の個人を識別しているわけではありません。



「福祉の心」

2020-05-21 | 高齢者
06/5・23

現代用語の基礎知識 07年版用
「福祉の心」
経済が好調の波にのってきた昨今、格差拡大論議がかまびすしい。その真偽のほどはさておくとしても、福祉の対象とされる、「弱い立場に置かれがちな人々」は、いつの時代にも数の増減はあっても一定割合で存在し続けてきたし、今後も存在し続けることは間違いない。それは、いつ何時、みずからがその一人になる可能性を内包していることに留意する必要がある。

しかし、その時々の政治的、経済的、社会文化的な情勢によって、誰がどのような弱い立場に置かれがちな人々になるのか、また彼らに対する世の中の見方や処遇は、かなり異なってくる。

助けられる者と助ける者という単純な2項関係でとらえるモデルはもはや古典的なものとなり、現在では、弱い立場に置かれがちな人々も含めてすべての人々がそれぞれの自己実現と幸福をめざして人間的な生活を営むことを願う民主主義的なモデルが一般的となってきている。

そうした時代変化を踏まえて、あらためて福祉の心を考えてみると、当然のことながら、弱い立場におかれがちな人々の心が中心にならざるをえない。それへの配慮なくして、真の福祉は成立しえない。福祉ケアー体制が、制度的に整備されてきた今こそ、弱い立場に置かれがちな人々の心の理解を社会全体で共有することが必須である。

ところで、弱い立場に置かれがちな人々は、身体的領域、知的領域、精神的領域、社会的領域(人種的マイノリティやさまざまな社会的な被差別者など)で発生する。さらに、先天的なケースと後天的なケースもあるし、後者では、一時的か恒久的かということもある。言うまでなく、弱い立場に置かれがちな人々の心といっても、それぞれ異なった特徴を示す。