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2022年の8月。長野県佐久市の中込駅ちかくにある三河屋食堂にやってきた。佐久名物の鯉料理をたべにきたのである。12時すぎにつくと満席で、20分ほどまって席に案内された。人気である。
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注文したのは洗いと甘煮の定食2500円だ。
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鯉の洗いは、これまでたべた洗いとはまったくちがう一品だった。淡白で繊細。ほんのりと甘い後味。さばきたてだからこうなのだとおもう。鯉の洗いのイメージが一新された。わさびしょう油か酢味噌でたべるのだが、わさびしょう油がよく、酢味噌は香りが独特で口にあわなかった。洗いは贅沢に氷のうえにのせられていた。
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鯉の甘煮。煮付けである。鯉を筒切り(輪切り)にしたものと、腹のすき身(あばら骨をそぎとった部分・骨付き)、内臓がもられている。ほかの魚では見ないY字型の小骨がおおいが、脂がのっていてトロトロだ。金目鯛よりもやわらかかった。鯉っておいしい。
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はやの開きの唐揚げ。これは天然物だろう。ほんのりと野趣がにおった。養殖の鯉はくさみなどはいっさいなかった。
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本場の鯉はちがう。またきたいとおもった。
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店のむかいは鯉屋さんである。臼田鯉店。『2022佐久ツーリング』もどうぞ。