桜の時期は短くて、よく見ないうちにすぎてしまう。
でも、山にゆけば季節は一月も遅れているから、花を愛でることができる。
そこで以前よく渓流釣りにいった群馬の山奥にでかけてみた。
裏道をすすみ、埼玉県のモトクロス・ビレッジをぬけてゆくが、大会があるようで大変な賑わいとなっている。
いつもは無料の駐車場も1000円と表示されていた。
ふと気づくとメーターが動いていない。
メーター・ケーブルが外れたのだ。
道路脇で修理をしたが、横の小さな流れで釣りをしている人たちがいる。
何が釣れるのか聞いてみると、ヤリ、だと言う。
ヤリ、とは何かと思ったら、ヤリタナゴだそうで、タナゴでもバラタナゴではなく、断じてヤリなのだそうだ。
ヤリはヒレがピンクできれいな魚とのこと。
マニアな方たちだった。
平地はハナミズキがきれいだった。
群馬県の鬼石町から神流川にそって走る国道、奥多野花街道にはいった。
山道にはいってゆく。
神流湖から旧万場町まで桜はおわっていたが、その先の旧中里町にいたると桜が盛りだった。
桜だけでなく岩ツツジも咲いている。
岩ツツジは心にひびく色をしていると思う。
上野村まですすむと神社に枝垂桜の巨木があった。
何度も来ているのにこんなに立派な木があることに気づかなかった。
いつも釣りに集中していたから魚のことしか考えていなかったのだ。
この食堂で昼食をとったことがある。
やはり桜には気づかなかった。
お店は休業中のようだ。
上野村のJAがやっているイノブタ料理の焼肉店にはいる。
イノブタのロースとモツのガッツリセット。
ロースは豚肉にはない歯ごたえのあるもの。
モツは一口目はにおうが二口目から気にならなくなる。
美味しいからまた利用したい。
1300円。
店の窓の外には神流川がながれ、釣り人の姿がみえる。
ここは餌釣り禁止のキャッチアンドリリース区間だ。
しかし護岸工事などで自然破壊がひどい。
川の流れも変わってしまい、淵は埋まり、ザラ瀬ばかり。
昔の面影はなくなってしまっている。
残念だ。
上野村の中心部にある寺の枝垂桜を見て引き返すことにする。
山に行けばまだ桜にあえる。