木戸川林道の入口についたのは9時だった。
県道35号線沿いで、自然昔話キャンプ場、の看板が立っているのが目印である。
木戸川林道はフラットダートで走りやすい。
5キロほどいくとログハウスとキャンプ場らしき施設があるが、これが昔話キャンプ場だろうか。
しかし利用者はいないし、林道のこんなに奥まで利用者が来るのだろうかと考えてしまった。
木戸川林道のフラットダート。
この先は上り下りがきつくなり、路面も荒れてくる。
山も深い。
霧もでていて、小雨が降っているかのようにシールドが濡れる。
昨日走行した茨城の山は深い、と感じだが、福島の山は、険しい。
バイクでダートを走っていると、バイクのフレームがしなっているのを感じる。
それだけ斜度があるのだと思う。
やがてピークを越えて山を下っていくとT字路にでた。
どちらに行くのかわからないが、出口はダムだから下る方向、右にすすむ。
ここからは道が整備されている。
砂利道だがノリ面が作られていて、ガードレールもあるから、ダムは近いのだろうと思われた。
果たしてダムに続く林道出口に着いたがゲートがある。
鍵が開いていたので出られたが、いつもは閉まっているようだ。
ゲートを出られなければ戻ることになるので、ここを走る方はそのつもりでどうぞ。
林道は約12キロである。
すぐ北にある乙次郎林道は昨年走破しているので、その更に北にある井出川林道にむかう。
県道250号線の分岐で地図を確認しようとすると、看板がでている。
柿ノ木平地区にはいけないとあるが、私の進むのは井出川林道であって、支線、ではない。
TM(ツーリング・マップル)にそう載っているし、もしも通行止めなら戻ればよいと考えて、先に進んだ。
井出川に沿って舗装林道をいく。
釣人の車が2・3台停まっていたが、ここは岩魚が釣れるようだ。
井出川林道柿平支線の分岐に立つ看板。
山の奥深くに入っていくと、井出川林道柿平支線との分岐にでた。
右に行くのが井出川林道だが、支線の方が道がよい。
でもTMに井出川林道と書いてあるからそのとおりに進んだ。
井出川林道は3.6キロと表示されているが2キロも行くと荒れてくる。
しかもただの荒れではなくて、廃道のような雰囲気なのだ。
それが霧の立ち込めるトップの画像である。
このルートで良いのだろうかと、不安と疑問をおぼえつつ進むと、倒木で道がふさがれている地点に出た。
軽トラが倒木をよけて行った跡があるが、このルートはおかしいと判断して、引き返すことにした。
倒木で引き返した地点。
井出川林道を進むと、昨年走破した乙次郎林道に合流するようになっている。
そちらに抜けたかったのだが、井出川林道は次の課題としてとっておくこととし、いわき方向に転進することにした。
ところで帰ってから調べてみると、井出川林道ではなく、支線を行くのが正しいようだ。
TMの表記ミスである。
山を下って県道35号線で南下し、いわきに向かう。
TMに、活力屋、という蕎麦屋の紹介がでているので、
ここで食事をしようと思ったのだが、一本道なのに見つけることができなかった。
塩屋崎灯台の手前の海。
昼時で店を物色しつつ南下していくと、塩屋崎灯台の案内がでている。
ここには行ったことがないので寄っていくことにしたが、海は大荒れで、そして寒かった。
灯台も霧で煙っている。
沼の内弁才天の賢沼。
大うなぎがいると案内の出ている、沼の内弁財天にも寄ってみた。
池にいる鯉にエサをやると、大うなぎが出てくることがあるとのことだが、
200円のエサを買ってまで試す気にはなれない。
沼を一周する遊歩道があったのでつい足を進めると、ここはハイキングのような道で、
空腹なのに大層なアルバイトとなってしまいーーこの言葉の使い方も死語だーー、
メロメロになってしまった。
基(もとい)ーー四季庵。
空腹なのにこれはと思える店が無い。
小名浜港まで行かねばならないかと思っていると、立派な構えの店があった。
料亭のような店だが、ここは高そうだ。
それでも入口にメニューがあったので見てみると、私でも利用できる価格なのでここにお邪魔することにした。
基、と書いて、もとい、と読ませる。
良い名前だ。
4人用の個室に案内されてメニューを見た。
刺身定食やうなぎなどに惹かれたが、どんなものなのか想像がつくものよりも、
何が供されるのかわからない、季節のおまかせご膳2520円を注文することにした。
季節のおまかせご膳。
おまかせの一品は鯛のおかしらの煮付け。
丁寧で誠実な味だった。
そして料理も器も造園された庭も美しく、基は雰囲気のよい店だった。
常磐道にむけて走り出す。
ガスを満タンにして、いわき湯元から高速に入った。
順調に南下していくが、福島を出て茨城に入った途端に雨が降ってきた。
覚悟していたが気持ちが沈む。
雨の佐野SA。
カッパを着込んで雨の高速を延々と走り、帰宅した。
寒かった。