今日の目的地は昨夜ゆかなかった喜連川の道の駅にきめた。温泉があるからゆっくりつかって、美味しい酒を飲もうという算段である。ナビをセットすると4号線をゆくものかとおもったら、東をはしる294号線を指定している。それにしたがってすすむと道の駅、東山道伊王野にいたった。14時半だった。
ここは亡くなったライダー仲間の友人が蕎麦が美味しいと教えてくれたところなのだ。いつかまた来たいと思っていたが、思いがけなくやってきた。その蕎麦をたべたいが、ラーメンを2杯平らげているので、腹がへっていない。どうしよう。
迷ったら、ゴーだ。それがいつもの習慣である。
いちばんシンプルなもりそば600円をたのむ。彼が言うには、高くて美味いのは当たり前で、ふつうの値段でいけるのが価値があるとのこと。蕎麦は5分ほどでやってきた。細切りのきれいな蕎麦だ。その蕎麦だけをたべてみると、硬めの蕎麦で香りはない。10年ほど前にたべたときには美味しいと思ったが、今回はふつうに感じられた。
国道を南下し喜連川の道の駅に到着した。腹具合がよくない。やはりたべすぎてしまったようだ。
Pキャンの準備をする。ラダーをバイクの横に移動してベット・スペースをつくる。エアマットを敷いてすぐに横になれる準備をしてから風呂にいった。
道の駅には足湯もあった。喜連川温泉は三大美肌の湯だそうだ。
風呂は500円。土曜日ということもあり、洗い場は5人待ちとなっている。湯で体をながして温泉につかる。内湯に露天、サウナもあってのんびりとすごした。
18時半に風呂をでた。道の駅の売店では鮎の塩焼きを売っていて、食べたかったが腹が本調子でないので自粛した。道の駅の向かいにあるスーパー・オータニでビールだけを買って車にもどり、飲みはじめる。車の助手席を背にしてキャンプ用の大型の椅子に座っていたのだが、となりに車が来て、ドライバーと目があったので、床のマットの上に移動した。バイクの横で酒を飲むのはよいものだ。しかしバイクをもっと壁によせればスペースがより広がるのでそうすると、スタンドの下敷きにしていた板が割れてしまった。それでも残った板切れをあててバイクを固定し、タブレットを見ながら飲んでいると、いつの間にか眠っていた。
翌日6時半に起床すると霧がでていた。
餅はあるが飽きてしまって食べる気がせず、7時に出発する。
国道4号線を南下し宇都宮の吉野家で朝食をとった。日本の朝は玉子に納豆、海苔だよね。
その後順調に走行して帰宅したが、事件はバイクを下ろすときにおこった。
壁際に寄せておいたバイクを、力ずくで荷台の中央方向に動かした。そうしないと、ラダーの端からおりだしてしまい、途中で落下する恐れがあるのである。かなりの腕力をつかったが首尾よく移動できて、スタンドの下に敷いた木切れをどかし、ラダーをおりようとする。しかし途中でバイクが止まってしまった。どうしたのかと思ったら、スタントがたたまれてなくて、ひっかかっているのだ。スタンドを上げたつもりだったが、はねあげるのが甘かったようだ。
エンジンをかけられれば、ギヤを入れてラダーをあがって車内にバイクをもどし、スタンドをたたんでからあらためてラダーをおりなおすことができる。しかしDRにはセルはないのである。キックでかけるしかないのだが、ラダーにひっかかっている状態では、キックするのは不可能だ。そこでバイクを右にかたむけてスタンドをラダーから浮かし、はねあげることにした。かなり危うかったが、これに成功した。ホッとした。そのままラダーを下ろうとすると、気が緩んだのかバランスをくずしてしまった。
耐えられなくて、ラダーの左に片足をおろした。左足で斜めになったバイクをささえようとする。しかし一瞬もささえることばできなくて、バイクを放したが、この一瞬で腰と左足を痛めてしまった。ハンドルが頭に当たったことや、左肩がブロック塀をこすったのは大したことではなかった。頭から流れているのが血ではなく、汗であるのを確認するとバイクを引き起こしにかかった。
バイクはシフトペダルが曲がっただけだったが、腰と足は長引いた。腰は一週間ほど痛み、左足ははじめは膝だったが、最終的には足首から下がしびれてしまい、一月ほどふつうに歩けなかった。シフトアップできないからバイクにも乗れなかった。油断大敵である。バイクを車に積載するのはツーリングの幅を広げることができるが、バイクの上げ下ろしには細心の注意が必要だ。