ずっと日産党だった。
日産以外の車にのったことがなかった。
パルサー、スカイライン、ブルーバードにセレナ。
だから次はキャラバンにしようと考えていた。
でも、日産車はこわれる。
スカイラインのときも、ブルーバードにのっていたときも、古くなるとマイナー・トラブルが頻発して嫌になった。
充電器がこわれてバッテリーがあがったり、パワー・ウインドーの窓が落ちたり、ワイパーが動かなくなったりと、つまらないトラブルがおこった。
R30のスカGに乗っていたときには、7・8年たつとあちこち壊れるけど、ひととおり故障してそれを直すと、またしばらく安心して乗ることができると、友人同士で真顔で話したりしたものだ。冗談ではなくてマジでだ。
日産の車ってそんなものだった。
でもトヨタはこわれないと聞いていた。
トラブルなんてないよ、と。
だからセレナを買うときにも、ほんとうはトヨタかホンダにしようと思っていた。
そう決めていたのだが、セレナのスムーズさが気に入ってまた日産をえらんだのだ。
セレナもずっとノン・トラブルだったのだが、結末はマイナー・トラブルではなく、残念な致命的なトラブルとなった。
基幹部品のオートマ・ギヤが、わずか6万キロの走行距離ですべりだしてしまったのだ。
修理はオートマをアッセンブリーで交換するしかなく、再生品の27万の部品とのせかえて、33万かかると言われた。修理はできない、丸ごと交換するしか対応できないと。
このトラブルはクレーム処理されるべき品質問題だと思うが、取得から13年たっていると保障されないし、修理もオーナーのことをまったく考慮していない対応だ。
日産は品質に問題のある車を販売しておいて、時間がたってからトラブルが発生したオーナーは、見捨てることにしたわけである。
納得がいかないので、日産は見切ることにした。
日産の営業やサービスの人たちはとても真摯で誠実な人たちなのに、誠に残念である。
このような対応を決めたのは本社の人間なのだろうから。
車を買い替えることにしたが、次はキャラバンと思っていたから、その他のモデルにするとしたらトヨタのハイエースしかない。
車中泊をするたびにセレナよりも大きな空間がほしいと思っていたし、バイクをのせることもできる車がよいなと考えていたからだ。
それにハイエースはとくに壊れないと聞いたのも大きかった。
そのせいで盗難数がダントツであることも知った。
盗まれて海外に密輸出されているそうだ。
さっそくトヨタのお店で見積もりをだしてもらった。
グレードはDXーーデラックスーーのGLパッケージ。
DXはバンパーが黒い樹脂製でボディー色とちがう。
これでは商業車まるだしで、安っぽくてカッコ悪いのだ。
GLパッケージのGLとは、上位グレードのスーパーGLのことで、スーパーGLはバンパーはボディーと同色になり、ミラーもメッキのものになって、高級感がます。
DXのGLパッケージにすると外観がスーパーGLと同様となり、見た目だけはDXではなくなる。
でも中身はDXというモデルがGLパッケージなのだ。
これにアルミやナビなどをつけて見積もりをしてもらうと、238万となった。
モデルチェンジ後の車で、値引きは挨拶代わりでも25万ほど。
もっとやれます、との声を聞いてディーラーを後にした。
因みに店はネッツ店で、見積もりをしてもらったのはハイエースではなく、兄弟車のレジアスエースだ。
レジアスエースのほうがハイエースよりも値引きがよいとは後になってから聞いた。
ハイエースのDXというグレード、商業車だけあって割り切ったつくりだ。
シートは薄く、セカンドシートは補助椅子のような粗末なもの。
荷室の壁は鉄板がむきだしで、床にはビニールがはられただけ。
荷物をのせるのだからこれでいいのだが、リヤのクーラー、ヒーターはオプション。
バイクをのせたり、車中泊のベットにするならこれで十分だが、防音や防寒などはのぞめない。
夏もとても暑くなるらしい。
乗用車のような居住性は望めないのだが、セカンド・シートとリヤのエアコンについて家内からクレームがついた。
家内は助手席よりもセカンド・シートにいることが多いのだが、DXのシートは、ヘッドレストはないし、リクライニングもしない質実剛健さ。
このシートにいるのは耐えられないと言うのだ。
たしかにそれはそうではある。
しかもクーラー、エアコンがなく、夏暑くて冬寒い。
私は荷物じゃない、だって。
上位モデルのスーパーGLはシートは乗用車のような上等なものとなり、リヤにオート・エアコンが装備されている。
床や壁にはモケットがはられ、鉄板がむきだしになってもいない。
室内、外観とも数段ランクアップする。
でも、DXよりも50万も高い。
GLパッケージよりも40万高額となる。
スーパーGLの新車にするとして装備を足すと、総額は300万くらいになってしまう。
300万は高いでしょ。
300万は車にだす金の限界をこえていると私は感じる。
だって、300万もあったらいろいろな金融商品に投資できるし、株もたくさん買える。
それに100万を足して400万にすれば、都内の安いワンルーム・マンションが手に入るのだ。
車よりも不動産投資のほうが全然いいでしょ。
車に300万もだしている場合じゃない、とファイナンシャル・プランナーでもある私は考えるのだ。
だしても200万でしょ。
ならばどうしたらよいのか。
そう、スーパーGLの中古にすればよいのだ。
高年式のあまり距離のはしっていない、新同車をねらうのだ。
ハイエースの中古車は走行距離の多いものがほとんどだ。
しかし専門誌では3万キロ走行している車も5万キロも同じだと書かれていた。
品質がたかく耐久性があるから、5万キロでも問題ないと。
そこで2・3年落ちの車を都内や埼玉県の店をみてまわり、
23年式と24年式、25年の車をみつけた。
結果として平成23年11月登録、走行距離3万5千キロの玉にきめた。
色はシルバー、オプションの助手席エアバックつき。
ETC、100ボルトコンセント装備。
値段は希望通りであった。
ただリヤ・シートにシートベルトがないのが痛い。これはオプション設定なのである。新たに設置すると高額の費用がかかるのでそのまま使用中。もちろんシートベルト違反にはならない。だって元から装備されていないのだから。