2011年の北海道ツーリング。
花咲ガニが食べたくて根室の花咲港にやってきた。
北海道には美味しいものがたくさんあるが、私はこれがいちばんだと思っている。
7・8年前にも利用した漁港入り口の大八食堂にはいる。
食べていく? それとも送る? と聞かれたので、食べて送る、と答えた。
カニは茹で上がって店頭に並んでいる。裏で釜茹でにしているのだ。どのカニを食べていくかと問われて、ひとりなので小さなもの、600グラムで1800円のカニをえらんだ。
店内のカウンターにすわるとカニとともに、サービスの鉄砲汁と秋刀魚の刺身をだしてくれる。
鉄砲汁は出汁がでていて美味しい。
私はこの店以上の鉄砲汁を知らない。
秋刀魚は凍っていてルイベのようだが、ネギがたっぷりとかかり、脂が乗っていてとろけるようだ。
秋刀魚は一味をかけて食すのがよいそうだが、それを聞き逃して醤油で食べてしまった。
一味でも味をたしかめたかったのが残念である。
それよりも何よりも美味いのが花咲ガニだ。
カニの中でいちばん味がよいのが花咲だと思う。
問答無用の美味である。
カニはまず足をすべて折り、腹についているはかまをはずして、胴から平らげていく。
カニ味噌がたまらない。
つぶづふの内子は味がなくて苦手なのだが、それも食べてしまう。
その後に足にとりかかり、40分ほどで完食した。
これが1800円は安い。
札幌や函館よりも格段の安さだ。
食べ方がわからない方は、親切に教えてもらえる。
食後は土産にカニを発送した。
首都圏への送料は1600円ほど。
カニを送るだけでも喜ばれるが、それが花咲ガニとなると一際である。
2016年8月の追記。
この店は建物を建て替えて店主も代替わりしたようだ。NHK・BSの火野正平が自転車で旅をする、こころ旅に登場したせいか、私のブログの中でも上位のヒット数をかさねている記事である。再訪してみたいと思っている。
2016年の9月。
ここのカニが忘れられなくてまたやってきた。
大雨の日の14時20分に店につくと客はいない。店は新しくなっており、女将さんと娘さんが所作なげにテーブル席にすわっている。小上りにはここの主人だろうか、男性が眠っていた。
店に入って店頭にあるカニを選んだ。ひとりならこれくらいと女将さんが言うが、それよりも大きな700グラムのものにする。値段は3450円と以前よりもだいぶ値上がりしている。高いなと思ったが、ここでしか食べられないし、楽しみにしてきたのでそれをお願いした。ーー上記のように2011年はグラム3000円だったが、グラム5000円に値上がりしていた。
女将さんはカニをカットしてくれると言う。以前は切ってくれなかったと答えると、先代の最後の頃はカニを切る力がなかったとのこと。たしかに2011年とその前には弱っていらした。
見事なハサミさばきとパワーで一気にカニを切ってくれた。こうしてもらうと格段に食べやすくなる。さてそのご馳走を食べてみると、前よりも美味しくない。ジューシーさと甘さが足りない感じなのだ。こんなものだっただろうか、何かがちがうなと思いつつたべる。何度も口にしたから味になれてしまったのか。それとも知人が来たので起きだした主人が、すぐとなりで世間話をはじめたのが気になるのか。さらにタバコまで吸いだしたのが我慢がならないのか。
娘さんが鉄砲汁をサービスしてくれた。これは薄味でネギがたくさん散らしてあり美味しい。以前あったサンマの刺身のサービスは、サンマの不漁でなくなっていた。
女将さんがお菓子をサービスしてくれる。ありがたく頂戴した。
カニは値上がりしていてキロ5000円だそうだ。もっと高いときもあったそう。カニ屋泣かせの高値だと言っていた。東北の震災では津波が1メートルもきたそうだ。建物が痛み、斜めになった店でその翌年まで営業したが、建て替えたとのこと。
15時30分に料金をはらって店をでた。カニをたべるのは時間がかかる。
今回は雨でカニの回転が悪かったのだろうか。それとここはいろいろと気にする人にはあわない店だ。
私もつぎは他の店もためしてみようかな。
下の評価は2011年のもので、再訪で食べログの点数を下げている。3,7点。これでも甘いかな。
2018年は納沙布岬の『
武内商店』で茹でたての花咲ガニをたべた。しばらくここにしようと思っている。興味のある方は『
武内商店』もどうぞ。もっと安く食べたい方は根室駅近くの『
鈴木商店』もある。ここは店内ではたべられず買うだけである。
2019年には『
厚岸漁協の直売所・エーウロコ』を利用した。ここはカキが有名で格安だが花咲ガニもあった。カニは1000円だった。ボイルして時間のたったカニだったが、この値段でたべられるなら、もう他にはゆけない。
大八食堂 (定食・食堂 / 花咲駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0