昼食の後は熊本城内にある熊本県立美術館へゆく。
重厚な建物だ。
常設展には細川家の兜や甲冑、大名道具のほかに細川コレクションがあった。
それが圧巻だ。
元々宮本武蔵の鵜の絵がみたくてきたのだが、まずそれがすばらしい。
島田美術館にあった武蔵の絵とは格の違うものであった。
ほかに小林古径の日本画、シャガールやルノアール、藤田など。
そして都内の目白台に永青文庫という財団があり、ここにも武蔵の遺作があるなと思っていたら、ここは細川コレクションの保存研究のための財団法人なのだと知った。
この永青文庫が所有している菱田春草の落葉などの作品群も重文などの貴重なもので、その審美眼に感服してしまった。
常設展のあとは特別展の平山郁夫展も鑑賞した。
平山は広島で被爆し、原爆症に苦しんだそうだ。
そして売れるまでの10年間は、成増のアパートに暮らしていたという。
それが仏画やシルクロードにつながっているようだ。
美術館をでた後は熊本場内をゆっくりと歩いた。
祭りはまだ続いていた。
トーカイ、トーカイ、とかけ声をスピーカーで叫びながら、馬を神輿のようにしてあるいている。
以前は、トーカイ、トーカイ、ではなく、卑猥な言葉をさけんでいたようだ。
元々は加藤清正が朝鮮出兵から生きて帰ったことを祝ったのが始まりだとも聞いた。
そして若い女性はみんなこんなド派手な姿である。
肥後姫飾り、と言うそうだ。
地方にはいろいろな風習があるものだ。
珍しくて写真をとってしまった。
お巡りさんに立ち寄り湯をたずねたらここを紹介してくれた。
熊本の中心街から車で5分ほど。
料金はひとり570円。
風呂の後でとなりにあったリンガーハットで夕食をとった。
昔は関東と九州で味がちがっていたが、今は同じになっていた。
10時に熊本をでる。
ナビを自宅にセットすると距離は1220キロ。
到着時刻は翌日の13時半とでた。
九州をでてしまいたいと思って走ってゆくが、直前の下関で力尽きた。
関門橋手前のめかりPAで車中泊することにする。
時刻は11時40分。
熊本から180キロだった。