2012年。
11時40分に池袋の洋食店のUCHOUTEN--有頂天ーーに入るとカウンター席がひとつだけ空いていた。
ランチ・メニューからメンチカツ定食890円を注文する。
まわりはハンバーグを食べている客が多かった。
ご主人が寡黙かつ真摯に料理を作り、控えめな奥様が接客を担当している。
おふたりから誠実な姿勢が感じられ、ここが美味しくないはずがないと思えるのだった。
メンチカツ定食が提供された。
大きなメンチカツに玉子の目玉焼き、それにマカロニサラダと刻みキャベツが添えられている。
メンチは表面はカリカリで中はジューシー。
びっしりと肉が詰まり、特性のデミグラスソースがかかっている。
箸でメンチを割って口に入れた。
!!
美味い。
久しぶりにうまい、と心底感じるものを食べた。
そして美味しいものって、高いものじゃないな、と思った。
ハンバーグやメンチカツ、昔から好きだったメニュー。
それを丁寧に作ったもの、それが何より美味しいのだと感じる。
皿にのせられた料理を夢中になって食べてしまった。
独特の醗酵の風味のある味噌汁もいける。
そしてコップの水が少なくなるとタイミングよく足してくれるのだ。
これも嬉しい。
満足して店をでた。
場所はわかりづらい。
そこが難点であり、大混雑せずにすんでいるところだろうか。
2016年。
ハンバーグとメンチカツのランチを注文した。提供まで30分から40分くらいかかるとご主人に言われて、そんなにかかるならとライスを大盛りにする。1380円+50円の1430円だ。
30分でハンバーグがやってきた。小ぶりなハンバーグだ。大盛りにしたライスが多い。どんぶり飯でふつうの倍くらいある。ハンバーグはみっしりと肉の詰まったもの。デミグラス・ソースが深い味だ。つけあわせはポテトのチーズ焼き。味噌汁がつくのがうれしい。大根とあぶらあげ、豆腐が具で薄い味つけだった。
メンチカツが遅れてやってきた。キャベツにマカロニつきだ。これは熱々でめっちゃ美味しい。最近食べたものでダントツだ。二番目が思いつかないほどうまい。テーブルにあるソースをかけ、添えられている辛子をつけて食べるといける。ご飯がすすむ。
ここはハンバーグよりもメンチカツだね。
この日はハンバーグ・ランチ1100円をオーダー。ライスは大盛りにすると多いので、ふつうにしておいた。
料理は25分でやってきた。メンチカツなどとのコンビ・メニューとくらべてハンバーグが大きい。つけあわせはポテトのチーズ焼きが二切れなのはさみしいが、原価がかかっているのだろうと感じられた。
ここは割り箸でたべるのだがそれが好ましい。ハンバーグは肉肉しく、風味がよくて、ジューシーだ。メンチカツとのコンビのハンバーグは小ぶりなせいかジューシーさが足りなかったが、これはよい。ただ塩の味つけがつよく、私はもっと少ないほうがよかった。
味噌汁の具は豆腐で、今日は濃い味つけ。枯れた風味のある一椀だった。ライスは大盛りでなく、ふつうで十分。たっぷりとあった。
席をたつと順番待ちとなっていた。
11時半すぎに店に入るとカウンターはいっぱいで、テーブル席に案内された。ここはふたり掛けなので、混雑する人気店では、ひとりで座っているのはなんだか悪い感じがした。
注文したのはランチ・メニューのシチュー・ハンバーグ・ランチの1000円だ。メニューの右下に小さな字で書かれているものである。これをためしてみたかった。
こんなメニューもある。客はあまり入ってこない。これは気が楽だと思っていると、12時前にバタバタとやってきて、入店待ちとなった。
客が入ってきたのと同時にランチはやってきた。メンチやコロッケとのコンビ・メニューとちがって、ハンバーグが大きいのがうれしい。ビーフシチューとからめてハンバーグをたべると、ジューシーだ。ご飯がすすむ。ハンバーグそのものも肉肉しくておいしい。
ビーフシチューは少ししょっぱい。ここは塩を強めにつかう傾向がある。シチューにはビーフがひとつ入っていた。
つけあわせのキャベツには何もかかっていないし、テーブルにドレッシングもおいてない。マカロニ・サラダはふつう。
総合的に満足度の高いランチだ。1000円はお値打ち。
ウチョウテン (ハンバーグ / 都電雑司ケ谷駅、東池袋駅、東池袋四丁目駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0