京都民俗学会 第30会記念年次大会で発表してきました。
僕のパートは20分+質疑応答5分の自由発表。5人の中のトップバッターでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
主な内容は、
①兵庫県小野市の浄土寺の伽藍配置
薬師、浄土の東西両堂が向かい合う配置は迎え講を行うためのものであり、
北側要の八幡宮は建立のスポンサーとなった源氏に対する敬意であるということ
②各地の源氏に関係する神社での迎え講
必ずしもあの世からの来迎を示すものだけでなく、この世とあの世の行き来を示す
儀式
③播磨地域への鬼会への伝播
播磨の鬼会は浄土寺を中心としてひろまっている。その鬼会はあの世からの
来迎を示すものが多く、浄土寺の来迎会と同系統の儀式である可能性
④松原八幡宮の鬼会と灘のけんか祭りとの関連
・松原八幡宮はかつて、薬師堂(八正寺)と八幡宮(本地:阿弥陀如来)が橋懸で
結ばれており、鬼会もその橋懸をわたる儀式だったと思われる。
・同様に八幡宮から御旅山へ向かう灘のけんか祭りも、この世からあの世へ行き
また 帰ってくるという儀式であるという指摘
・鬼会、けんか祭り(放生会) ともに、彼岸儀礼の系統に属する指摘
・現在 けんか祭りの中心的な役割をする「ヤッサ(神輿屋根型担い式太鼓台)」
は、木庭神社創建に合わせて、夏越の祭りに用いるために、大阪の催し大鼓
に近いものを作った。 その後、「仏教儀礼」のけんか祭りに用いるために神輿
屋根をつけ、仏塔型の太鼓台が生まれたという考察。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
題名は「松原八幡宮祭礼考」としてもよかったかもしれません ++;
15年間、方々の祭りを観る中で、初めて、「屋台(担い式太鼓台)」についての考察を公の場で発表することができました。
未熟な点が星の数ほどありましたが、それでも、いろいろな方からの暖かい励まし、アドバイスをいただき、自分にとっては、本当に実り多い発表になりました。
しかも、この学会、近畿の民俗学を代表する学会とのことです。 この中で発表できたのは、京都民俗学会運営関係者の方々の懐の広さ、そしてそして、この年次大会のテーマとも関連しますが、播州や各地域の祭礼や歴史を研究されている 在野の研究者の方々、そしてそしてそして、播州三木大宮八幡宮秋祭りのおかげです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます