月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

230.タイワットポー巨大涅槃物の大きさ以外の見所(月刊「祭」2019.11月15号)

2019-11-17 04:45:00 | コリア、外国
●タイ王国バンコクワットポーの巨大涅槃仏
(アクセス【公式】タイ国政府観光庁のワットポー解説)
 ワットポーの涅槃仏は当時チャクリー王朝のシャム国王であったラーマ3世(在位1824-1851)の命令によってつくられました。
 高さは15メートルで、頭が建物を突き破らんばかりになっているし、全長は46メートルで小学生が走り抜けられる距離になっています。しかし、この涅槃仏の魅力は大きさだけではありませんでした。とはいえ、やっぱり大きさもおどろきでしたので、まずはそれがわかる写真を見ていきましょう。


↑献花や入口とくらべてらと大きさはわかります。


↑見上げて撮った枕と後頭部。



↑パノラマでとると、両端の入口と出口が豆粒のように見えます。

●脱帽、靴を脱ぐ習慣
 入場するためには、条件がつけられています。脱帽と土足厳禁です。


↑入口にNO HATの文字。

↑土足厳禁はで歩いたところは石畳でした。

 土足厳禁ではあるものの、高床にもなっておらず、石畳での土足厳禁でした。これは、他の建物でも適用されているところがありました↓。




●工芸
 涅槃仏を囲む工芸ではその高い技術が総結集されていることがわかります。

台座

↑眠る仏さんの蓮の台座。重層的に彫刻?がされています。葉の葉脈を立体的に表し、葉脈は金箔が貼られ、そうでないところは緑色になっています。一枚一枚の葉に一つずつ青い石がついています。

絵画

↑柱にも細かい植物などの絵がていねいに描かれていました。



↑扉は黒の下地に金色で細かい絵が描かれていました。


↑建物上部などには物語の絵などがえがかれています。場所によっては、板に直接描かれていました。

螺鈿
 そして、螺鈿細工です。


↑足の指の指紋を象って螺鈿細工でがされています。

↑足の指でないところには、仏様たちが象られています。

↑一つ一つを見ると非常に細かくできています。これが、日本では煩悩の数とも言える108の世界に分けて描かれているそうです↓




●原始仏教と新仏教が統合された究極の芸術
 原始的な仏教では、仏の姿を描いて崇拝することは禁じられていました。しかし、それでは、庶民への教化がむずかしく、やがて仏像をの制作は解禁されていきます。
 その過渡期として、仏さまの足跡、仏足跡を崇拝する信仰が、インドなどの仏教発祥地付近ではその遺物が比較的よく残っているようです。ワットポーの涅槃仏の足の裏の工芸が、芸術の粋を集めたものになっているのは、仏の姿を忌む習慣から生まれた足跡崇拝の名残と言えます。
 その一方でワットポートの涅槃仏の足の裏に見事な螺鈿細工で描かれているのは、かつては禁じられていた仏さまたちのお姿が形作られています。

●ワットポーの涅槃仏
 ワットポーの涅槃仏には、超巨大な彫刻に超繊細な芸術が組み込まれていました。ワットポーの足の裏には、かつての足跡信仰の名残が、新しい仏像信仰という形で見事な螺鈿細工で表現されていました。

ワットポーの魅力の一部を紹介しました。

謝辞
 お忙しい中式前日に案内してくれた、新郎のT君、新婦のJさん、同行してくれたご家族のみなさま、ほんとうにコップンクラップ(ありがとうございました)





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