天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「浅田家!」@22作目

2020年10月07日 | 映画感想
「浅田家!」

第34回木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家・浅田政志氏の半生を映画化。
主人公の政志を嵐の二宮和也君が演じているのでメディア露出も多いしジャニヲタ総動員で興収はなかなかなもんなんじゃね?
…と、意地悪な書き方してますが、何を隠そう自分も思いっきりニノ目当てで観に行ったクチよ(薄笑)

あらすじ
家族を被写体にした卒業制作が高評価を得た浅田政志(二宮和也)は、専門学校卒業後、さまざまな状況を設定して両親、兄と共にコスプレした姿を収めた家族写真を撮影した写真集「浅田家」を出版し、脚光を浴びる。やがてプロの写真家として歩み始めるが、写真を撮ることの意味を模索するうちに撮れなくなってしまう。
そんなとき、東日本大震災が発生する。(Yahoo!Movieから丸パク)

「浅田政志」さんという写真家を申し訳ないが存じ上げませんでした。
ですが、東日本大震災後の様々なトピックスの中で「津波で流されて泥だらけになったアルバムや写真を洗って復元させて持ち主の元に返すボランティアをしている人」が当時取り上げられていたのは記憶にあるんですよ。その活動のお手伝いをされていらっしゃったんですねぇ。

まあ、そんなこんなで…浅田政志氏は三重県津市のご出身だそーで、自分ちと割と近いので(名古屋市在住)三重県出身・在住の友人は何人も居ますし三重県民と接する機会は比較的多いので、先ず映画観ながら思ったのが「んー。三重弁ってこんなんだっけ?」という違和感でしたw
まあコレ言っちゃうとね、例えば名古屋人が主人公のドラマ見ると「いやーイマドキこのイントネーションの名古屋弁喋る若者は流石にいねーわー」と苦笑するレベルに昭和のジジイババアしか使わないよーな名古屋弁吐き散らしてるから、もうこういうわざとらしい方言指導は止めた方がいいんじゃねーの?位に思いますが。
もっと「令和」(せめて平成)の若者に見合ったレベルの方言指導というのは世の中に存在しないのでしょうかね?コレは地方モノ見るといつも思うんですが。

と、いきなり内容から脱線しまくりのツッコミ入れましたが^^;

話は大阪の写真専門学校に通ってた政志が卒業制作で撮った「なりきり家族写真(家族でコスプレして撮った写真)」が学校の最優秀作品に選ばれた事をきっかけに、家族それぞれの本当はなりたかった自分の理想の職業や憧れてた職業に家族全員を巻き込んでコスプレして「家族写真」を撮る、という活動を始め…という感じなんですが
正直このアイディアは面白いと思う。誰でも出来そうでなかなか出来ない。そして今までどの写真家もやろうとして来なかった事をやったというのが凄い。
ただね、びっくりする程「緩~いファミリー」なんですよね。正直自分の両親だったらこの反応は絶対にあり得ないな、と即答出来る。
これは多分事実だから映画化されるまで行ったんだろうと思うけど…本作には1人も悪人が登場しないし、このちゃらんぽらんな主人公を咎める人が1人もいない。
ギリギリ政志の兄(妻夫木聡君が演じてます♪)が政志を厳しめに諭すシーンが序盤にありますが、それにしてもなかなか現実味のない「菩薩対応」だったな、と。

根本的に全てが「いい人対応」で話が進むので(震災後にちょっと写真で絡んでくるおっちゃんいるけど、それもお涙エピだから許される範疇な)事実を元に制作されている話のハズなのに、なんだかネットでよくあるあるな(YouTubeで垂れ流されてるよーな)ちょっといい話的ネタを見ているような気分になっていました。
もしも本作のエピソードが全て実際にあった事ならば、浅田家の皆さんも政志さんの彼女さんも出来過ぎ君でうっすら恐怖を覚えるレベルよ…
それと、震災後に出会う少女とのエピで「何故お父さんが写ってる写真がないのか」問題も、コレは写真好きさんなら秒で答えが分かるレベルの話なのに、何故にこんなに引っ張ったんだ?政志本当に分からんかったんかい?この演出っているぅ~?(このエピがある事で逆に嘘臭く感じるぢゃねーか!)と思ったんですけどね。

…と、なかなか厳しめな事を書き散らしましたが(苦笑)
役者の演技は素晴らしい!ニノいいよね~ニノいいよ!私はね、ニノの演技は買ってるよーーーセリフ回し自体よりも無言でちょっと考えてる風の顔演技とか好きだわー♪
他の役者さんも芸達者揃いで本当に素晴らしい!妻夫木君が演じた「面倒臭そうにいやいや参加するけど結局弟の言う事聞いちゃう兄ちゃん」の距離感とか絶妙だしさ。
平田満さんも風吹ジュンさんも黒木華さんもホントハマってた!
でもね、個人的には本作の菅田将暉君が良かったなー。あんなキラキラした俳優さんがこんなにオーラ消せちゃうんだ!って逆にびっくりしたわ。
ぶっちゃけ菅田将暉君登場してしばらく彼だって気付かなかったもん。それくらいオーラ消して完璧に「親友を心配して帰郷した地味な大学生」になってたよ。凄いわ!

ま、なんやかんやで満足度の高い作品ではありました。
でも本作で一番衝撃的だったのは…映画LASTに出てきた浅田政志氏が撮影した実際の作品(専門学校卒業制作の家族写真)ですわね!
劇中役者さんが演じて撮った写真とマジで瓜二つレベルでしたよ!コレ配役はご本人さん達にどれだけ似てるか勝負で決めたってヤツですか?凄すぎるな~w
コメント
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