「ついまた借りちゃったよー。見る?」
息子がDVDを持ってくる。「機動警察パトレイバー2 the Movie」見るに決まってる。オープニングの野戦からラストの「なぜ自決しなかった!」まで、あれほど映画的興奮にみちた作品はめったにない。
OVA版も含めて、特車二課の物語を絶妙に語った監督の押井守は、しかしどうにも頭でっかちな作品も多く、客の立場から言わせてもらえば、当たりはずれの大きい人だ。
まあ、この人の本音は「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」は自分の好きなようにようやくやらせてもらったから出来た作品だというし、ラムよりもしのぶが好きで(わたしもそうです)、パトレイバーは後藤隊長の話だというのも納得。
「世界の半分を怒らせる」などの押井の著作(そのシニカルさにはたじろぐ)を読むと、この「ガルム・ウォーズ」の製作は苦難の連続だった様子。
CGと実写の融合はやはり金食い虫。自分の意図するものの何%を実現できたかは知る由もないが、押井と客の双方にフラストレーションがたまる結果になったように思う。
部族間闘争の果てに、次第に戦い専用の身体をもつようになった惑星アンヌーンの住人たち。男女三人で創造主のいる聖地に向かうが、そこで待っていたのは……
クローン戦士たちのバトルがど派手に描かれているうちは(メカデザインのみごとさもあって)最高なのだが、なにやら小難しい神学論争的やりとりがつづくと……
「エイリアン2」のビショップ役が印象深いランス・ヘンリクセンが重要な役で登場。ヒロインのメラニー・サンピエールも魅力的。こういうキャスティングのセンスもさすがなんだけどなあ。
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