保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

雪ふる保津渓谷は白銀の静寂境・・・

2008-01-21 20:50:49 | 京都情報
冬の保津川には雪がよく似合う。

保津川下りの乗船場正面から望む‘牛松山’や‘愛宕山’
も今朝は、白銀の雪化粧で飾られ、モノクロの曇り空から
浮き出る様なみごとな立体感を演出しています。

乗船場からは四季折々の山の風景を見てきましたが、
山のダイナミックさと迫力を感じる、という点では
‘雪景色の山’に敵うものはありません。
峰の白銀が山の輪郭を浮き彫りにし、身近に迫ってくる
感じが、山と自分との距離感を麻痺させるからでしょう。

こんな厳寒の日の保津峡は、シーズン中のそれとは別世界。

一切の生命を拒絶するような厳しさ、物音ひとつ
許されないような静寂が渓谷内を包むのです。

時が止まった様な静寂の渓谷を、たった一艘、
舟が下っていくさまは、まさに桃源郷へむかう
‘浮舟’か・・・
確かなのは、今、この空間には私達船頭とお客さん
しか存在しないこと。

冬の保津川には雪がよく似合う。

雪はひとの心を清め、静かに琴線に触れる
不思議な力があるようです。

深い渓谷に降り積もる雪を愛でながら、この季節にしか
感じることができない‘保津峡の冬’を体験してみては
いかがでしょう。

*保津川下りの舟は一日4便、運航しています。
 午前10時便、午前11時30分便、
 午後1時便、午後2時30分便