保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

京都創造者大賞を受賞して、今、思うこと・・・

2011-08-20 08:56:49 | 船頭の目・・・雑感・雑記
私達、船頭の熱い思いから始まった「小さな活動」だった保津川の美化活動。

最初は「船頭がええかっこして~」とか「自分の職場をきれいにするのは当たり前やん」
「新手のPR活動じゃないか?」などと私達の活動に、多くの人々が懐疑的な白い目を向けた。

「所詮、船頭の集まり。続かないやろう・・・」と地元の方々の評価も
けして高くないところからのスタートだった。

そんな雑音にも、なんら語ることなくもくもくと活動を続けた。

また当初は社内でも手放しに協力してもらえた訳ではなかった。

増水毎に上流や支流から流れてくる河川ゴミに「イタチゴッコで無駄やろ~」
と先輩たちに言われながらも、何とか円滑な活動体制が構築できる様に、
毎日、組合事務所へ足を運び、理事との交渉を続けた。

時には「若い船頭たちを扇動している!」や「その活動経費はない!」など
の厳しい批判の矢面にも立ち、心折れそうな日々もあった。

「でも、この美しい自然を借りて我々は生きていけるのだ」という強い気持ちと
志を同じくする本当に僅かな船頭仲間たちを頼りに、ここまでやってこられた。

保津峡の桜再生をめざして、あたらに植樹事業も始めた。
地権者から了解ももらう交渉や植樹経費捻出のため組合の理解にも汗をかいた。

河川の漂着ゴミを回収する為の「ラフティングボート」も組合に頼み込み
購入して貰えた。

そして「NPO法人プロジェクト保津川」の設立初期メンバーの皆様や
同じ保津峡で生きる嵯峨野観光鉄道の強力な協力バックアップ体制もあり、
あれから6年・・・「京都に保津川あり!」と注目されるほどまでになった。
最初は遠巻きに私達の活動を傍観していた地元住民の方々へも保津川美化活動は
広がりをみせ、筏の復活プロジェクト等による保津川水運の歴史的検証と
河川流域文化の価値を高めることにもつながっていった。


「人は生きることで‘なに’を残すことができるのか・・・」

その答えを求めて、手探りにはじめた活動には、
先日、京都商工会議所主催の「京都創造者大賞」をいただくことになった。
しかも私達の活動を後方で支えてくださった嵯峨野観光鉄道(㈱)とともに。

私達の地道な活動をしっかり見ていてくれた人達が確かにいたのだ。

感激である。

私たちは確かに今「保津川下り400年の歴史」に
その足跡を残すことができた!と感ずる。

まさに感無量だ!



表彰式は9月20日に左京区の京都大学百周年時計台記念館で開かれます。

 この賞は「京都府、京都市、京都商工会議所と顕彰委員会」が創設し
 毎年、表彰者を決定しています。
 各部門は「おもてなし、環境部門」「アート・文化部門」「企業部門」
 「未来への飛翔部門」があります。

 「京都創造者大賞」はその「最優秀大賞」です。