保津川下りの船頭さん

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今日24日から、あだしの念仏寺で「千灯供養」が行われます。

2011-08-23 08:00:34 | 京都情報
京都には「OO野」といって野がつく地名が多くあります。

古い京都本によると「野」のつく地名の場所は「葬送の場」だったといいます。

奥嵯峨にあるこの「化野(あだしの)の念仏寺」ものそひとつ。

その化野念仏寺では今日23日から「千灯供養」が行われます。

夕刻から境内に祀られてある8000体もの無縁仏にろうそくを
灯しお供えをして供養する宗教行事です。

京都市右京区嵯峨野の小倉山麓の地、愛宕山の参道沿いにある
あだしの念仏寺は、約千百年前に野ざらしになっていた土葬仏を、
弘法大師が智山如来寺という寺を建立し、埋葬して石仏を作って
死者の霊を慰めた場所で、その後、法然上人の常念仏道場となり、
念仏寺と称されました。

今では観光スポットとして有名になった念仏寺ですが、
元々古来より葬送の地であったこの地。当時は風葬…つまり遺骸を
そのまま野原に捨てていました。
土葬の風習が始まると墓の代りに石仏を奉りましたが、時代の
流れのなかで地中に埋もれていきました。
散乱し埋没していた多くの無縁仏の石仏は明治36年ごろに
境内に集められ、賽の(さい)河原に模して「西院の河原」
と名付け現在の姿になったといわれています。

ちなみに我が家先祖の墓も‘あだしの念仏寺’にあります。

当時をよく知る人(祖父)の証言などでは、日中も日が射さず
薄暗くて「少し不気味な場所」だったそうです。

「あだしの」って珍しい呼び方は、儚さ、虚しさの意味で、
漢字では「化野」と書き、「生」が化して「死」となり、
この世に再び生まれ化る事、極楽浄土に往来する
願いを込めた意味だそうです。

先祖が奥嵯峨野出身の我が家もいつからか、この
お寺に身内を埋葬することになり、御先祖さまのお墓が
「西院の河原」のすぐ隣に多く並んで建っています。

ちなみに、私がこの寺に入る時は「墓参り!」と一言掛ける
だけで「受付」はフリーパス。もちろん拝観料は入りません・・・

あだしの念仏寺 千灯供養
開催日:8月23日(火)24日(水)(予約不要)
時間:17:30~20:30まで。(行事開始は18:00から)
拝観料:1000円(ろうそく、パンフレット込み)
交通:京都駅から京都バス72・74系統
   三条京阪から京都バス62・64系統 
   ともに「鳥居本」停留所下車