保津川下りの船頭さん

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子供心に深く刻まれる楽しい思い出「地蔵盆」。

2011-08-25 17:13:08 | 船頭の目・・・雑感・雑記
私の住む京都府亀岡市でも23~24日は各町内で「地蔵盆」が行なわれていました。

町内の大人たちが、子ども達のすこやかな成長を願い、町内上げて運営企画する
伝統行事でもあり、京都では親しみを込めて「おじぞうさん」と呼ばれ、
子どもたちにとっては夏休み最後のお楽しみ行事でもあります。

私の子供の頃は夏に旅行などいく機会も少ない時代だったので、
夏休み一番の楽しいイベントといえば「お地蔵さん」でした。

町内の道路を通行禁止にして、地蔵さんの前にテント屋根の簡易的な座敷を
つくり、上は中学生のお兄さん、お姉さんから下は幼児まで、町内の子どもが
一同に集まって、丸々2日間、家にも帰らず、ず~っと入りびたり、将棋やトランプ
などのゲームや卓球などの遊びをしていた思い出があります。

ここで町内の大人の人達と知り合い、将棋や囲碁などを教えて貰った記憶があります。
また、野球盤などは最新型のゲームで順番を待っているのが大変でした。


さて「お地蔵さん」について宗教的うんちくを少し。
地蔵さんは仏教でいうところの「地蔵菩薩」がその本尊で、その縁日である
毎月24日に行われていた祭典が「おじぞうさん」のルーツと云われています。

「地蔵菩薩」は子供の守り神さんで、賽(さい)の河原で石を積む幼子の霊が、
鬼にいじめられて苦しめられる時に、救いに来てくれる存在です。

昔の日本では、子供の死亡率が高く、子を亡くした親の悲しみを
慰める話として、民衆の心に伝わったといいますから深い行事です。

元々、宗教的な行事ではありますが、子供を愛しく思う、親の切なる
気持ちの発露から、自然に始まった行事だと思います。

こんな楽しい思い出ばかりある「地蔵盆」ですが、現代では「一宗教の行事だ」と
の理屈で、縮小簡素にされる傾向にあるのはとても残念です。。

事実、私の住んでいる町内では「おやつを配り」半日で終わります・・・

そんな杓子定規な感覚で狭小に考えるのではなく、時代に左右されることない
子を思う、親の心情の奥深さに思いを寄せ、親子の情を再認識する
大切な行事にしてほしいと思います。

町内の人や友達とゴザを敷いて遊んだ、楽しい「お地蔵さん」の思い出は
私の経験上、子供心に深く刻まれることは間違いがないと思います。


宗教、宗派など関係なく、子供を思う親の心は万国共通なのですから・・・