昨日から危惧していた通り、今日は台風15号の影響で保津川下りは中止となりました・・・今年の台風は少し様子がおかしいですね。そしてまたしても四国が台風の被害を受けることになってしまいました。四国では土砂崩れや土石流で5人が死傷、民家2棟が全壊、床上浸水が89棟、床下浸水239棟に及び200人が避難するという大変な事態になっています。そして今も石川県から東北北部、北海道南西部に上陸の恐れがあるとのこと。何事もなく去っていくこと願うのみです。
夏に台風が発生する事は自然現象として仕方ない事ですが、6月に2度も上陸したことは前代未聞。10号などは八丈島から反転西下し近畿に接近し、四国、中国地方を横断するなど本当におかしな現象が続きました。そのたびに大きな被害をもたらし、「近畿は免れた」などとのん気に構えていては済まされない事だと思います。
こんな被害を聞かされると「台風など無ければいい」というようなものですが、この台風がもたらす雨は、梅雨とともに日本の農業には欠かせないものだそうです。保津川の船頭も半数以上が兼業農家をされています。この時期の雨は、特に稲作にとって非常に重要だと言われています。被害さえなければ恵の雨だそうです。
このように考えると、私達の豊富な食生活は被害を受けられた「誰か」の犠牲の上になりたっているという事がいえるのではないでしょうか?誰かがもしくは地域が、被害という損な役割を代表して引き受けて頂いたからこそ、川にも水が満ち溢れ、川下りも成り立つのでしょう。そうならば、その他の地域に住む私達は、他人事だとのんびり構えていていい訳はないと思います。被害に遭われて人に対しては、積極的に援助の手を差し伸べるのは善意などではなく、至極当たり前の行動だと思います。
日本の四国がこんな被害を受けているのに、日本のテレビは朝も夜もオリンピック一色です。ゴールドラッシュに報道マンが浮かれています。もちろん選手達の努力の成果に水をさすつもりはありませんが、メディアが緊急に伝えなくてはならないのは何か?そこで苦しむ人々の声じゃないでしょうか?オリンピックがお金になるのはわかります。災害など報じてもスポンサーすらつかないでしょう。私もマスコミ業界にいたからよくわかりますが、なんとも悲しい気持ちになりました。
「自分に影響がなければいい」「今さえよければ、我がされよければ」の思想が定着し、他人の痛みや苦しみに対してあまりにも無関心になりすぎている今日。このような感性の鈍くなったところに、今の異常な自然現象の根本的の原因が潜んでいるのではないでしょうか?環境問題は外の世界の事ではなく、自らの心の内にあるのかもしれませんね。
昨日環境の事をこの掲示板に書き込んだところ、多くの人からご意見のメールをいただきました。また、いっしょに考える機会があればいいですね。