保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

夏休み‘子供たちの保津川下り’

2007-09-06 16:45:24 | 船頭
船で急流を下ろう!

普段出来ないことを体験することが大好きな
子供の心をくすぐる遊びとして、保津川下りは
夏休みの人気コースだそうです。

今年の夏休みも大勢の親子連れのお客さんが
保津川下りに来て頂きありがとうございました。

私たち船頭にとって、この小さなお客さんにいかに
楽しく川下りをして貰うか、重要テーマでもありました。

私はっちんが特に力を入れたのは、例年より多く
子供達に船を操船して貰う「体験サービス」です。

夏休みに限らず、乗船の呼び出しコールが待合室に
流れると、一番最初に船着場まで下りて来られるの
大抵、子供達です。
横列式座席が7席設置してある保津川下りの船。
最前列である1列目を確保する為、子供達は誰よりも
早く船着場までやって来る様です。

しかしこの子供客の皆さん、最初は「あっ!亀や!」
「黒い大きな鳥だ!」」などと見るもの全てに反応し
急流では「ぎゃぁ!!落ちる~」「水がかかった!」
と大ハシャギで元気なのですが、さすがに1時間以上
も乗船してくると飽きてきたのか?急に元気がなくなり
静かになることも多いのです。
特に今年は川の水位も低く、乗船時間も長いのです。

ここで退屈させては船頭の名折れ!この様な子供達には
安全な箇所で船の櫂引きをススメます。
たいていの子が「やりたい!」と目を輝かせて、
代わる代わるにチャレンジしに来てくれます。
また後部席の子供達には嵐山に入った広い箇所で
後ろの舵取りも体験させてあげます。
「舵を手前に引っ張ってみて~ほら左側へ進んでいくやろ~」
もう少し押してみて~右に向き船が真っ直ぐになったやろ~」
など手取り教えてあげると、全長12mもある大きな船を
「自分が操縦しているのだ」という充実感溢れる笑顔を見せ
てくれます。

操船体験は本当にちょっとしたサービスなのですが、
2時間という長い時間の中、子供客さんを退屈させない
為の大切なサービスの一つだと思っています。

保津川下りの船を操縦した~という体験が子供達の
今年の夏の楽しい思い出になり、生涯忘れない家族の
思い出となれば、私達にとってもこんなに嬉しいこと
はないと思っております。

保津川下りは4歳から12歳までが小人2,500円
となり、3歳以下の幼児さんは無料となっております。
但し、乗船中、激しく揺れる箇所も多いので、安全上
幼児さんは保護者の大人のお客さんが膝の上に座らせて
乗っていただくようにお願いしておりますので、座席は
ございません。その点だけ御了承下さり、乗船いただき
ます様、よろしくお願い致します。
燃せ

昭和最後の生き証人、逝く!

2007-09-05 00:09:59 | 船頭の目・・・雑感・雑記
激動の昭和時代の生き証人、瀬島龍三氏が今日、逝去された。

学生時代、激動の昭和史を研究していた私にとって
氏の名前は強烈なイメージで、今も脳裡に焼きついている。

大日本帝国時、国家最高のエリート集団が集まる
旧陸軍大学校を首席の成績で卒業、その後、太平洋戦争開戦時
の大本営作戦参謀としてその中心に身を置き幾多の作戦を立案、
敗戦前の関東軍参謀として満州に赴任、その後旧ソ連の捕虜と
なり極限を極めたシベリアで抑留生活を送るなど、まさに
激動の昭和史の中心を歩いてきた人物だ。
シベリア抑留帰還後は伊藤忠商事に入社し、旧軍閥など
旧日本支配層の人脈を駆使し、繊維商社に過ぎなかった
伊藤忠商事を日本有数の総合商社にまで成長させ、
ビジネスマンとして頭角をあらわす。
ここでも終戦後の高度成長期、経済大国日本の中心に身を置く。

また、中曾根康弘元首相のブレーンとして「メザシの土光敏夫」
率いる臨調行政調査委員を務め、国鉄や電電公社の民営化に
辣腕を振るい戦後政治の世界でも中心的役割を果たした。

これの経歴を見るだけでも、氏が戦前、戦中、戦後の日本、
否私達個人の人生に大きな影響を与えた人物であることは
容易に察することが出来るだろう。

ちょうど中曽根臨調時代に学生だった私は、氏に興味を持った。
特に悲惨な結果に終わったあの太平洋戦争開戦、またその後の
作戦計画や終戦後旧ソ連の証人として氏がどういった役割し、
何をしたのか?という事実に強く興味を持った。
詳細はここでは書ききれないので触れずにおくが、
氏は生涯その真相には一切語らず、今日冥府に去っていった。

人間は完璧な存在ではない。生存の為には弱い面も見せる。
だから時に取り返しのつかない失敗をやらかすものだ。
その失敗の責任の所在も立場次第で解釈も異なるだろう。
しかし、失敗の原因を明確にし問題点を分析することは、
二度と同じ失敗を繰り返さない為に最も重要な事だ。
氏は氏自身しか知り得ない貴重な体験を証言する必要があった
と今でも私は思っている。それが氏が後年よく口にした
「愛国心」に適う生き方ではないかと思うのだ。
氏は後年、日本の戦後教育の問題点を鋭い視点で指摘してきた。
しかし、氏が本当に日本の将来を憂うのであるなら、
先ず語らなければならなかったことは、
日本の将来ではなく‘過去’ではなかっただろうか?

氏の死とともに、未来の日本に必要である高度な情報は
永遠に語られないまま、昭和史の闇の中へ消えていって
しまったことは確かなようだ。

世界陸上の選手たちが川下り。

2007-09-03 16:53:13 | 船頭
昨日、9日間の熱戦に幕を下ろした「世界陸上」
みなさんも連日、世界のトップアスリートのハイレベル
の競技に声援を送られたことでしょう。

その世界陸上に出場したアスリートたちが今日、
保津川下りにお越しなり、大会の労を癒すが如く
保津峡の自然を満喫されました。

私はっちんの船にはオランダチームの9名が乗船。
さすがに国を代表するアスリートのみなさんです。
贅肉一つない鍛え抜かれた体は私服の上からでも
十分見て取れ、周囲の目を惹きます。

私達の仕事ぶりにも非常に関心を持たれ
「どこの仕事が一番体力がいるのか?」
「技術習得年数は?」などと熱心に質問され
いっぱい私達の仕事風景をデジカメで撮られていました。

お国に帰られても強烈に保津川下りの印象を残すべく
頑張らしてもらいましたが、世界を代表する選手の皆さんに、
400年間継承されている保津川下りの操船技術は
どの様に映ったことでしょうか?

世界のアスリートの方々がこの様に大勢来客して下さる
仕事をしていることを誇りに思います。

歩く地図・京都さんぽ ’08で保津川コースが紹介!

2007-09-01 21:35:59 | 船頭
「歩いて観光地を散策する」という視点で発行されている
観光誌・「歩く地図・京都さんぽ'08」で、保津川下りと
トロッコ列車という保津峡谷コースが大きく紹介されました。

今まで「嵐山コース」や「洛西コース」という人気定番枠で
括られ、どちらかという紙面スペースの扱いも小さかった
保津川下りなど保津峡コースですが、今回は「保津川下り→嵐山」
という大きな見出しで紹介され、同じ峡谷を走るトロッコ列車と
一緒に体験記スタイルで詳しく紹介されました。

京都観光のなかでも有史以来の自然景観を残す
異色の観光地である保津峡。
その魅力を余すところなく紹介されたことで、京都が
最高に美しくなる秋シーズンに向かい、より一層の弾みが
つくものと喜んでおります。

「歩く地図シリーズ」は時間、費用に限りのある観光客の立場に
なり、実際編集記者が現地を歩いて、モデルコースを提案するなど
正確な情報を提供することで人気の観光誌で「京都さんぽシリーズ」
は昨年売り出された数ある「京都本」の中で、
全国の書店売上げNO.1に輝いた京都案内本でもあります。

今回の08版も編集部オススメの京都いい所の散歩コース37コース
を厳選。各コース沿いにある、食事・休憩・みやげのいい店情報も
満載で、訪れた人の目線からのさまざまな楽しみ方を提案しています。

お馴染みの名店の味を手軽に楽しめる味処の特集や、
秋恒例の非公開文化財特別拝観の先取り情報も充実。
切り取り付録には大好評の大判バス路線図とターミナルの
バスのりば案内、バス路線系統一覧付きで、真ん中に取り外し
可能な地図も綴じ込んであります。

紅葉の艶やかさが、錦絵の様に彩られる京都の秋。
今年は「歩く地図」を片手に京都散策されてはいかがでしょうか?

「歩く地図・京都さんぽ ’08」
 発行:山と渓谷社
 販売価格:789円 (税込)