何度でも何度でもいう。戦争の危機は迫っているのである。岸田内閣は今年度中に、米国から巡行ミサイル「トマホーク」500発を購入することを決定した。日本を取り巻く安全保障環境がそれだけ切迫しているからなのである。
野党の一部やマスコミ関係者のなかには、何を今さら速度が遅い巡航ミサイルをという批判があるが、とんでもない見当違いである。
「トマホーク」自体は40年前からある兵器だが、今回、自衛隊に配備される最新型のBlokVhaは2年前に登場したばかりで、日々改良が重ねられている。
岸田首相も昨日の衆議院予算委員会で「最新型で迎撃を回避する飛翔も可能だ」と答弁しているように、これでようやく我が国は反撃能力を手にすることになり、中国も簡単には手が出せなくなるのである。26年度から27年度までにはイージス艦への配備も完了する予定だという。
それに加えて、防衛省は、スタンドオフミサイルとして、国産の「12式地対艦誘導弾」の長射程化に着手しており、26年度には実用化される見通しだ。これまでは射程を限定してきたが、歯止めがなくなるだけで、それほど時間がかからずにすむとみられている。
明日にでも、台湾有事が起きても不思議ではない緊迫した情勢の中で、岸田内閣は、トマホークの早期配備という重要な決断をしたのである。
この期に及んでもなお、我が国が反撃の能力をもつことに反対する勢力や政党は、戦争を望んでいるからとしか考えられない。専守防衛に徹してきた我が国の安全保障政策の大転換は、戦争を阻止するためであり、平和を守り抜くためなのである。