創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

NHKカルチャーラジオ 文学の世界十七音の可能性~俳句にかける 岸本尚毅著

2016-01-01 17:06:37 | 俳句
2015年4月~6月にNHKのカルチャーラジオで放送された講座のテキストです。
実作を通して俳句の歴史がよく分かります。その上で、自分の俳句はどの位置にいるのか、自分はどのような俳句を作ろうとしているのかを考えるヒントになります。
例えば、俳句の「俳」はどこから来たのかとか。今さら何を言っていると言われそうですが、私は知らなかった。俳句を少し違った角度から見た名著です。
私の俳句修行はここ




応為坦坦録・山本昌代著

2016-01-01 07:41:58 | 読書
あけましておめでとうございます。

この小説を読むのは三回目です。二回読む小説も滅多にないのに、三回も読んだ小説はこれが最初です。
理由は、すっと読める。坦坦と読める。寝床で読むとよく眠れます。もう一つは、すぐに忘れることが出来る(だからまた読む)。
葛飾北斎と娘の葛飾応為の話です。応為については過去に書いたことがあります。彼女の代表作の「三曲合奏図」はネットですぐに出て来ます。
ためしてガッテンで猫の記憶は2秒しか続かないと言ってました。山本昌代さんが描く応為はそんな感じ。ただ、その2秒が絵の方に向かうと、パブロフの犬みたいに脳が絵で一杯になる。
ところで、山本昌代さんはどこに行ったのだろう。小説の最後の部分にこうあります。
「もしかするとあれほど心血を注いだ絵を、お栄(応為)は捨てたのかも知れない。自分の腕に自分で見切りをつけて筆を折ったのかも知れない。それともあたらしい仕事を見つけてそっちの方が面白くなって……」
なんか山本昌代さんと重なりますねえ。