
新カラマーゾフの兄弟・亀山郁夫著を読み終わりました。
読む原動力は原作だったのは間違いないですね。

この部分は、原作のあの部分だという興味でページをめくるスピードが加速したのです。
それがなければ読了できなかったでしょう。

結局、原作の再読みたいでした。

この本を読む時間があれば原作を読むなり、読み返すなりした方がいいですね。
それでも読み切ったのは、ドストエフスキーの死によって書かれなかった2部を、作者がどう書いているかという興味です。

それも見事に裏切られました。最後まで読んでも何にもない。

学者のお遊びの範囲を超えなかったのではないかと思います。
「カラマーゾフの妹」も不可解な「父殺し」から13年。時代設定を1995年にした必然性もピンとこない。
あえて言えば、作者が読み飛ばしてもかまわないといっていた「Kの手記」が面白かった。

それも、ノラの登場の部分だけ。

それにしても、「ドストエフスキー未完の傑作、ついに完結! 」は誇大広告です。
下の四氏の絶賛も。

「ノンストップ・ミステリー巨編」にいたっては、いやはや。
もう一度言います。

「この本を読む時間があれば原作を読むなり、読み返すなりした方がいい」

誰だ読んでしまったのは……。

こっちの方がミステリーです。

このキャラ気に入ってます。
追記

翻訳は、「カラマーゾフの兄弟」・亀山郁夫訳(光文社)がお勧めです。せめてもの罪滅ぼしに。