![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/book_mov.gif)
二百五十五段
十月十余日の月の
十月十余日の月のいと明かきに、ありきて見むとて、女房十五六人ばかりみな濃き衣を上に着て、引き返しつつありしに、中納言の君の、紅の張りたるを着て、頸より髪をかき越し給へりしが、あたらし。卒塔婆(そとば)に、いとよくも似たりしかな。「ひひなのすけ」とぞ若き人々つけたりし。後(しり)に立ちて笑ふも知らずかし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/note.gif)
上に=頭から被って。→枕の草子・石田穣治訳注。引き返しつつありし=裾をはしょって。あたらし=お気の毒。新しは間違い。→萩谷朴校注。訳注によって違います。「ひひなのすけ」=背の低い典侍さん。遠慮がありません。後ろに立って背比べをする。昔からあったのだ。イヤーナ事を思い出しました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます