ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.2.16 先週の通院日に読んだ4冊

2012-02-16 22:30:17 | 読書
 1冊目は道尾秀介さんの「龍神の雨」(新潮文庫)。
 帯には「道尾秀介は、決してあなたを裏切らない!!妹の告白を聞き、兄は犯罪計画を立てた。」。そのとおり、頁を繰る手が止まらなくなり、前のめりになって読んだ。
 道尾さんの作品は「向日葵の咲かない夏」が初めての出会いで、今回は2冊目。
 事故で母を失い、継父と3人で暮らしている兄妹、母に続き父を亡くし継母とささやかな生活を送る兄弟。似たような家族背景を持つ兄弟と兄妹の話が、台風の日の降り続く雨の中、交互に進んでいく。
 解説を書いておられるライターの橋本満輝さんの洞察が、これまた凄かった。こんなふうに読めるのか、と自分の上っ面な浅い読み方を反省。

 2冊目はジョー マジンガー サクラ エヴァ カンチを生み出した人は何を考え、何をしていたのか?特別取材班編著「17歳の選択」(講談社)。
 「勉強なんてしてなかったんでしょ!?」の帯。個性派漫画家6人の創造力をかきたてる高校時代のインタビュー集。もともとは「アニメ・マンガ学科で学ぶ」という副題で刊行予定だったという。
 <はじめに>、では「2人に1人が大学に行く時代に、どうしたら頭ひとつ抜けられる人になれるか」とある。
 17歳という時期、大学をゴールとしては考えていなかったが、単なる通過点として軽んじていたわけでなく、その後の自分のための“転機”にしている“ものづくり”の先輩たちの生き方がヒントになる。キーワードは「友達」「恋愛」「東京」「就職」「家族」「将来」。17歳を迎える前に息子にも読んでほしいな、と何気なく本棚に入れ置いた。

 3冊目は香山リカさんの「くらべない幸せ 『誰かに振り回されない生き方』」(大和書房)。
 帯には「そろそろ「勝ち」にこだわるの、やめません? 結婚 仕事 学歴 年収 競争社会に組み込まれた私たちが、それでもなお「くらべない」で生きる方法とは? 「しがみつかない生き方」に続く1冊!」とある。「しがみつかない生き方」は以前に読んだので、では、と手に取った。
 うーん、本当にそうだ、と思う。いくら努力してもこれでいいと思えない、きりがない未達成感。満足感。これはなぜ、本当にこれでいいの、という感じの焦燥感。「他人とくらべたために、自分がすでに持っている幸せが見えなくなるなんて、本当にもったいない。」表紙裏の文言はまさに言い得て妙、だ。
 自分の身の丈に合った幸せを感じることが出来るようになるまでは、実は私もずっとこうだったな、と思う。
 何より病気が再発したこと、そのままの自分を受け入れることが出来るようになったことが、転機であったことは間違いない。

 4冊目は荻原浩さんの「オイアウエ漂流記」(新潮文庫)。
 帯には「無人島に持っていくなら断然この一冊!爆笑と感泣を保証します」。なるほど、もっともだ。というくらい面白かった。読みながら「話しかけないでください!」といった感じ。
 600頁以上の作品だったが、1冊目と同様に次から次へとあっという間に読み進めた。
 荻原さんといえば「明日の記憶」で主人公が若年性アルツハイマー病に侵されて壊れて行く描写が凄かった。
 本と映画はそれぞれ読み、観たが、その後に読んだ「ちょいな人々」で(えっ、この方はこんな作品も書くのか!)と驚いた(それはこのブログでも書いた記憶がある。)。
 そして本作。桐野夏生さんの「東京島」を彷彿させる無人島サバイバル生活の話で、「東京島」は女性1人に男性複数の“逆ハーレム”だったが、こちらは男性8人、女性2人。南太平洋のトンガからラウラにわたる小型旅客機が遭難。流れ着いたのは無人島。生存者は出張中のサラリーマンと取引先の御曹司、成田離婚寸前の新婚さん、認知症になりつつあるお爺ちゃんと孫の小4男子、全身タトゥーの外人さんという10人とセントバーナード犬一匹。彼らがひたすら食べるものを調達しながら8ケ月を送る。
 最後には涙を誘う驚くべき展開も待っていて、本当に満足した。
 主人公たちに共通しているのは「生きたい」という気持ちだけ。絶体絶命の中にこそ湧き上がる、人間のガッツとユーモア。人間って本当に生きられるものなんだな!と元気をもらった。

 ここのところ、吐き気止めイメンドのおかげで点滴中どうしても1時間ほど寝てしまうので、すっかり読書のペースが落ちている。が、先週は当日に前泊したこともあり、読書タイムがたっぷり捻出出来たので久しぶりの4冊読破。

 今年になってから読書より映画気味の生活が続いていたが、また落ち着いて本を読みたいと思える当たりの4冊だった。

 さて、体調だが、昨夜はなんだかんだとしているうちに、ベッドに入るのが12時近くになってしまった。マイスリーを飲んでしまうといつもの時間に起きられなくなりそうで、不安だったためそのまま我慢したが、小一時間眠れず、その後は早くも4時には目覚めてしまい、そのまま目覚ましがなるまでうじうじ。
 朝起きた時はなんとか元気だったが、いざ食事をする時間には吐き気止めが切れた感じで気持ち悪さが増して、用意した朝食の半分もとれず。イメンド80㎎、デカドロン4錠、ロキソニンを飲んで出勤。昨日と打って変わって寒かった。チラチラと雪もちらつく気配。

 今日は昼前から都心会議で出張。さすがに通院翌日の往復5時間弱の東京横断はしんどい。昼もナウゼリンを飲んでから昼食を流し込んだ。そして会議のため、食後はロキソニンだけでマグラックスはお休み。今月は珍しく先々週以来3週連続の出張。もう少しの辛抱だ、とは思うが。
 今夜は夫が宴会ということで息子と2人。夕食はスーパーで調達し、書類だのなんだのと荷物が重かったので軟弱にもタクシーで帰宅した。夕食も息子3、私1というレベル。これまたナウゼリンを飲まないと気持ち悪さで食事が出来なかった。今日は早く休まなくては・・・。

 義母の病院ではインフルエンザ対策で当面面会が出来なくなり、洗濯物だけ引き取ってきた、という連絡が義妹からあった
 来週末にはお見舞いに、と思っていたのだが、行っても会えないのではどうしたものかと夫と話している
 面会が出来なくなると、ますます刺激がなくなって認知症が進んでしまわないかと心配だ。
コメント
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