昨日、勤務する大学内で開催された「オリ・パラ リレーセミナー 2020年五輪東京招致 連携大学企画・オリンピアンと語る2020年東京オリンピックの夢」というセミナーに参加した。
来月の今頃は正式に開催都市が決まっているわけだが、おりしも昨日の講演日は、5年前の2008年の北京オリンピックの開会式と同じ日なのだそうだ。
今、東京がオリンピック招致をすることの是非はさておき、2004年アテネ、2008年北京のフェンシング(エペ)で活躍された池田(旧姓:原田)めぐみ選手のお話はとても興味深いものだった。
2010年の広州アジア大会団体で優勝した半年後、なんと乳がんが見つかり、競技生活を引退されたという。ごく初期だったので治療も全く問題なく、今はすっかり元気なので深刻にならないでくださいね、と笑顔でおっしゃっていたが、告知の時に「がーん」と言いながら目いっぱい落ち込んだ、と聴衆を前に突然のカミングアウトをされたことには、正直、驚いた。
31歳という若年での発症だから、体調管理に特別気を使っているアスリートとしては、心配でないといえば嘘になるだろう。
もちろん、日々の身体の声を大切に聴きながら過ごす毎日だったからこそ、違和感にもすぐに気付くことが出来た、とお話しされていた。そして、スポーツにより鍛えられた力には、落ち込んでも「這い上がる力」があり、自分は這い上がる方法を知っていた、とも。
今は日本アンチ・ドーピング機構アスリート委員・評議員、出身の山形県で各種委員等をされているそうだ。ともあれ、アスリートの、特にオリンピアンの話を直接聴く機会等なかなかないだろう。職場にいながらにしてこうした機会に恵まれ、とてもラッキーだったと思う。
“「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」「Discover Tomorrow」が2020年オリンピック招致の標語ですが、さて、どのような夢なのでしょうか? また、どのような力なのでしょうか?オリンピアンをお迎えして語り合いましょう!”というチラシの触れ込みのとおり、夢の力が何故必要かについて、池田さんは「乗り越えるために壁がある、登ってみないと見えない景色がある」とおっしゃる。
2回のオリンピックの前に、それぞれ左右の膝の靭帯切断という故障を乗り越える中、ご自身を支えたのは“好奇心”だったという。
先日、モンスターズ・ユニバーシティの映画レビューで、叶わない夢もあるけれど・・・と書いたけれど、当然、夢は全て叶うわけではない。どんなに努力しても叶わない夢はある。
けれど、叶わない夢を叶えるために、その都度どう修正していけば少しでも夢に近づいていくことが出来るのか、諦めずに前に踏み出す一歩で世界は変わる、という、実際にそれを達成した方の言葉の重みに背中を大きく押された気分だ。
講演後には、学生や地元の方たちからの質問も尽きず、皆が池田さんからポジティブな力を頂いたことがひしひしと伝わってきた。池田さんが考える、スポーツを通して育つ力は5つ。「目指す力」―自分の信じ方を学ぶ、「仲間の事を考える力」―人を信じること、「ライバルに拍手する力」―相手が入るから強くなれる、「準備する力」―最高の準備をするから最高の試合が出来る、「“正しい”を集める力」―想像する、創造する、だという。もちろん、これらの力は全て、人が長い人生を生きて行く上ですべからく大切な力に違いない。
月並みだけれど、一つのことを精一杯頑張った人の言葉には哲学がある、と唸った。ラストに流れた同郷の2人の選手―スピードスケートの加藤選手、新体操の三澤選手とのメッセージビデオにはちょっと涙ぐんでしまった。
2020年まであと7年。この年にはHER2陽性乳がんを撲滅したい、と先日参加したセミナーで中村先生がおっしゃっていたことがリフレインする。その時までまだ生き長らえることが出来ているかどうか、神のみぞ知る、だ。
閉め括りはオリンピックを研究する教授が紹介したIOC会長の「(競技のチャンピオンになることよりも)人生のチャンピオンになること」という言葉にそれぞれ自分の人生を重ね、その想いを新たにした人は多かったのではないだろうか。
今日は68回目の長崎の日。最高気温は都心で37度だったという。本当に暑い。言っても仕方ないけれど暑い。ようやく1週間が終了。明日は待ちに待ったお休みである。
来月の今頃は正式に開催都市が決まっているわけだが、おりしも昨日の講演日は、5年前の2008年の北京オリンピックの開会式と同じ日なのだそうだ。
今、東京がオリンピック招致をすることの是非はさておき、2004年アテネ、2008年北京のフェンシング(エペ)で活躍された池田(旧姓:原田)めぐみ選手のお話はとても興味深いものだった。
2010年の広州アジア大会団体で優勝した半年後、なんと乳がんが見つかり、競技生活を引退されたという。ごく初期だったので治療も全く問題なく、今はすっかり元気なので深刻にならないでくださいね、と笑顔でおっしゃっていたが、告知の時に「がーん」と言いながら目いっぱい落ち込んだ、と聴衆を前に突然のカミングアウトをされたことには、正直、驚いた。
31歳という若年での発症だから、体調管理に特別気を使っているアスリートとしては、心配でないといえば嘘になるだろう。
もちろん、日々の身体の声を大切に聴きながら過ごす毎日だったからこそ、違和感にもすぐに気付くことが出来た、とお話しされていた。そして、スポーツにより鍛えられた力には、落ち込んでも「這い上がる力」があり、自分は這い上がる方法を知っていた、とも。
今は日本アンチ・ドーピング機構アスリート委員・評議員、出身の山形県で各種委員等をされているそうだ。ともあれ、アスリートの、特にオリンピアンの話を直接聴く機会等なかなかないだろう。職場にいながらにしてこうした機会に恵まれ、とてもラッキーだったと思う。
“「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」「Discover Tomorrow」が2020年オリンピック招致の標語ですが、さて、どのような夢なのでしょうか? また、どのような力なのでしょうか?オリンピアンをお迎えして語り合いましょう!”というチラシの触れ込みのとおり、夢の力が何故必要かについて、池田さんは「乗り越えるために壁がある、登ってみないと見えない景色がある」とおっしゃる。
2回のオリンピックの前に、それぞれ左右の膝の靭帯切断という故障を乗り越える中、ご自身を支えたのは“好奇心”だったという。
先日、モンスターズ・ユニバーシティの映画レビューで、叶わない夢もあるけれど・・・と書いたけれど、当然、夢は全て叶うわけではない。どんなに努力しても叶わない夢はある。
けれど、叶わない夢を叶えるために、その都度どう修正していけば少しでも夢に近づいていくことが出来るのか、諦めずに前に踏み出す一歩で世界は変わる、という、実際にそれを達成した方の言葉の重みに背中を大きく押された気分だ。
講演後には、学生や地元の方たちからの質問も尽きず、皆が池田さんからポジティブな力を頂いたことがひしひしと伝わってきた。池田さんが考える、スポーツを通して育つ力は5つ。「目指す力」―自分の信じ方を学ぶ、「仲間の事を考える力」―人を信じること、「ライバルに拍手する力」―相手が入るから強くなれる、「準備する力」―最高の準備をするから最高の試合が出来る、「“正しい”を集める力」―想像する、創造する、だという。もちろん、これらの力は全て、人が長い人生を生きて行く上ですべからく大切な力に違いない。
月並みだけれど、一つのことを精一杯頑張った人の言葉には哲学がある、と唸った。ラストに流れた同郷の2人の選手―スピードスケートの加藤選手、新体操の三澤選手とのメッセージビデオにはちょっと涙ぐんでしまった。
2020年まであと7年。この年にはHER2陽性乳がんを撲滅したい、と先日参加したセミナーで中村先生がおっしゃっていたことがリフレインする。その時までまだ生き長らえることが出来ているかどうか、神のみぞ知る、だ。
閉め括りはオリンピックを研究する教授が紹介したIOC会長の「(競技のチャンピオンになることよりも)人生のチャンピオンになること」という言葉にそれぞれ自分の人生を重ね、その想いを新たにした人は多かったのではないだろうか。
今日は68回目の長崎の日。最高気温は都心で37度だったという。本当に暑い。言っても仕方ないけれど暑い。ようやく1週間が終了。明日は待ちに待ったお休みである。