ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2013.8.23 「乳がん・再発を生きる!」講演会参加

2013-08-23 21:49:33 | あけぼの会
 今日はあけぼの会創立35周年記念講演会「乳がん・再発を生きる!」に参加した。
 会長さんのHPでのご案内には「再発の可能性は誰にでもありうるので、患者は不安を抱えて生きる時期があり、またいつまで経っても不安から抜け出せない人もいる。しかし、実際に再発したら、不安だけでは済まない。治療が始まるのです。それも辛い苦しい治療が。それに耐えて、治療を続けている患者の果敢さを真心で讃えたい。再発という事実から逃げたりはせず、正面から受け止めて、対応する勇気には感服なのです。あけぼの会が35年間ぶれることなく通してきたモットー、患者会は今一番困っている人のためにある、その人たちのためではなくて何の意味があるのか、という原点を見つめ直すのです。」とあった。
 案内を見た時、これは是非とも行かなくては・・・と思った。とはいえ平日の開催であり、申込みした段階では治療を変更しているかどうかも定かでなく、果たして体調がどうか、都心までの往復3時間に不安がないわけではなかった。が、会場は奇しくも仕事で何回か行ったことがある場所。これもご縁だと思い切って夏休みを取り、無事参加することが出来、満足な一日になった。

 あけぼの会の行事に参加するのは2年3か月ぶりのこと。お送り頂くニュースレターやHPはいつも拝見しているものの、こうした講演会等のイベントにはすっかりご無沙汰していた。
 誰とも待ち合わせをせず独りで参加したが、会長さんを初め、ピンクのTシャツに身を包んだ懐しい事務局の方たちのお顔を拝見し、ご挨拶をして受付を通ると、何となくほっとする。
 10分前に到着したが既に会場はほぼ満員。一人席がぽっかり空いていた前から3列目の真ん中あたりに入れて頂く。

 冒頭、ショッキングピンクのスーツを身に纏った会長さんのご挨拶の後、エスティ・ローダー社の担当者からのピンクリボン活動のお話に続き、第1部の基調講演。がん研有明病院・乳腺センター長の岩瀬拓士先生が、がん細胞と遺伝子、遺伝性乳がん、新しい分子標的薬(ペルツズマブ、T-DM1)について小一時間、わかりやすくコンパクトにまとめられた。
 休憩後の第2部は、愛媛、福井、三重、愛知、静岡、埼玉、東京から合計8名の再発闘病中の会員さんたちが舞台横一線に座り、会長さんと副会長さんのお二人の司会進行のもと、体験発表をされた。存知あげている方も檀上にいらしたが、少しお痩せになっていたのが気にかかる。お一人ずつ、お名前と簡単な病状が紹介された後、現況や最も訴えたいことをお話しされる。岩瀬先生も司会の隣にお座りになり、各々に対するコメントをされた。発症時、30代半ばの方から60代前半の方まで、再発までの期間は最短で2か月、最長で15年という方まで、現在は40代から70代まで。再発転移の状況も治療の状況も本当に様々だ。何より、各人が淡々と話される中に厳しい現実や苦しい治療が透けて見えてきて、少しだけ苦しくなってくる。

 今日はすっかり聴衆のつもりでリラックスして参加したのだが、途中、会長さんから「ロッキングチェアさん、東京の○○さんは、どこにいるかしら?」とご指名があり、その場で立ってマイクを持つことになってしまった。このブログのことにも触れてご紹介頂いたのだが、突然のことで慌てふためき、何を喋ったものやら、という感じ。発症から5年7か月の再発治療についてざっとお話ししたつもりだが、しどろもどろで我ながら情けないことこの上ない。
 それにしても会長さんのパワーはさすがだ。ロンドン帰国から1週間経つけれど時差ボケで・・・とおっしゃっていたが、とんでもない。いつものワット節全開!で圧倒される。

 最後に恒例の、北は北海道から南は九州まで遠方から参加されている方たちの紹介があり、10月の大会でまたお目にかかりましょう、とお開きになった。あっという間の3時間。ちょうど講演会中、外は大変な土砂降りだったそうだ。時間通り終了したが、嘘のようなタイミングで雨が止んだとのこと。実にラッキーなことだ。

 さて、席を立とうとすると、後ろから前から、驚くほど沢山の方たちから「いつもブログを読んでいます。」「勇気を頂いています。」などとお声をかけて頂いた。もうびっくりして恐縮して、これまたしどろもどろ・・・。
(きちんとご挨拶も出来ず、失礼なことを申し上げてしまった方がいらしたのではないかと反省しています。本当に申し訳ありません。大変失礼いたしました。)

 ブログで知り合った方が参加されていてびっくりしたり、東京支部時代にご一緒したEさん、Mさん、Oさんとも久しぶりに少しだけだったけれどお話しすることが出来たり、嬉しいひと時だった。
 けれど、出席されていてご挨拶したいと思っていた方とは、行き違いでお目にかかることが出来ずじまいだったことは何とも残念だったし、帰りにお茶に誘って頂いたのに「塾帰りの息子に夕食を作らないと・・・」と家路を急いだのも、これまた後ろ髪引かれる思いだった。

 そして、HPで会長さんが、“私は個人的に「抗がん剤はどの時点まで使い続けるのか、どこかで使用をやめるべきではないか」という積年の疑問をぶっつけたい。抗がん剤の効用と副作用、過激な副作用にどこまで耐える価値があるのか、副作用で全体力消耗して、結果的に、抗がん剤で殺されるようなことは絶対ないのかという点を。”―と書いておられたので、とても気になって、岩瀬先生の答えを聞いてみたかったのだが、時間が足りなかった。けれど本当のところは、聞いてしまうのは怖い・・・そんな疑問であることは間違いない。

 それにしても少し動くだけでじっとり汗ばむほどの蒸し暑い1日、重いテーマの講演会で疲れなかったといえば嘘になるが、このブログがとても沢山の方たちから読んで頂けているということを改めて教えられたことで、疲れも吹き飛んだ気分だ。この気持ちを大切にしてこれからも綴っていきたい、と改めて思う。

 会長さん初め、事務局の皆様、暑い中、ご準備からお片付けまで本当にお疲れ様でした。大変お世話になりました。
 今日お声をかけてくださった皆様、本当にどうもありがとうございます。これからも細く長くしぶとく書き続けていきたいという思いを新たにしました。
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
コメント (7)
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