ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2020.6.26 GWリベンジの旅は、今年もTOJIで

2020-06-26 23:04:58 | 
 今日からGWリベンジ旅スタート。昨年1月の結婚記念日旅と6月の誕生日旅でお世話になったホテル。GW中3泊のプランを予約していた。そこへコロナウィルスで緊急事態宣言が発動され、泣く泣くキャンセルしてから2ヶ月。
 6月から営業再開、先週末から都道府県を跨ぐ移動もOKとなり、三度目の命の洗濯にやってきた。夏のトルコ旅行もツアーキャンセルとなり、来月からの治療変更も決まっている。目下の所、ぶら下がった人参は今回の旅だけである。

 BSで朝の連続テレビ小説をベッドの中で視てからゆるゆる起きる。朝食の支度を終えて、食事を済ませ、準備万端タクシーを呼ぶ。いざ出発!と家を出ると今回も忘れ物大王が「あ、スマホ!」とか「あ、マスク!」とか仰る。今日はお腹が壊れた時のことも計算に入れて早めに準備が出来ていたので、そんなアクシデントがあっても予定より10分ほど早く乗り換え駅に到着。

 特急券は購入済みだったが、乗車券がまだだったのでみどりの窓口へ。なぜか係の方が行き先を間違えて取り消し処理等ちょっと手間取ったが、無事JRに乗り換えて揺られること小一時間。
 特急乗換え駅までの車内で、瀬尾まいこさんの「君が夏を走らせる」(新潮文庫)を読み始めた。帯には「本屋大賞・瀬尾まいこに私達はまた涙させられるー不良少年の夏休みのバイトは一歳児の子守!?読み聞かせにオムツ替え・・・非日常が突然やってきた。」とある。冒頭からすぐに引き込まれる。なんといっても一歳児鈴香ちゃんの可愛いことといったら。そして振り回される16歳の金髪少年、大田君が実に良い奴である。

 お馴染みシウマイ弁当と季節のお弁当をゲットし、今日はサファイアという名前の新特急踊り子号で終着駅に向かう。夏の旅行もなくなってしまったし、と全席グリーン車両、さらにちょっと奮発して先頭車両のプレミアムグリーン席を予約した。1列2席、革張りの椅子は化学療法室ほどにはリクライニングしないものの、かなりゆったりした造りで海側に向いて回転するという豪華さ。
 それにしても驚くべきは満席であること。カフェテリアでの食事はコロナウィルス感染予防のため中止となっており、車内販売のみ。アテンダントさんが飲み物やお菓子を売りに来る。夫はいそいそとバッグの中身を物色し、ミカンジュースやらマドレーヌやらドライフルーツを買い込んでいる。

 今日の都心は予想気温が33度という予報。蒸し暑いが、空は晴れて海は青い。心が晴れ晴れとしてくる。
 終点まで2時間ほどの乗車時間である。あと1時間というところでお弁当を開き、ランチタイム。変わらぬ味にほっとする。カフェ車両を覗いてみると、満席で密状態だったので、帰路まで愉しみは取っておくことに。
 山を越えると、青かった海の色がグレーになってくる。雲が厚くなってきている。そして終点間際に雨空に変わった。やはり梅雨の時期、仕方ないことである。昨年も1日は大雨で、一歩もホテルから出られなかったっけ。
 踊り子号は定刻通りに到着。今年はあじさい祭りも中止とのことで、昨年はあった沢山の紫陽花の鉢植えの出迎えもなく、ちょっとしょんぼり。

 いくつかのホテルのお迎えの方たちがノボリやら看板を持って立っているが、観光バスも運行中止、駅ナカの旅行会社もシャッターが閉まっていた。まだまだ、なのだろう。ほどなくして予約したホテルのシャトルバスが来て乗り込んだ。乗車したのは私達含めて8名だった。

 雨はポツポツと小降りになっている。途中のペリーロードでは、今年も川縁に咲く紫陽花が美しい。ホテルエントランスでは消毒液で手指を消毒した後、チェックインまでソーシャルディスタンスを取るため、ラウンジでお待ちくださいと案内される。今回もお部屋はグレードアップして頂き、オーシャンフロントのデラックスルーム。
 明日からの朝食も予約制となっており、3日間ともゆっくりするため最後の時間に入れて頂く。

 こちらは朝のビュッフェがとても多品種で魅力的だったが、それも残念ながら中止。和朝食セットということで納得していたが、要望が多く、ハーフビュッフェをこの週末から試験的に始めたとのこと、ラッキーである。最終日の夕食の予約も済ませ、お部屋までエレベーターに同乗してご案内は今回はなしで、とのこと。もう勝手知ったる、なのでノープロブレムである。

 部屋に入ると、今回もアフタヌーンティーのセットや、お休み中には手指のケアを、と手袋とローズのオーガニックバームやミントのリップバームがセットされている。3月に息子の住む関西まで買い物のスポンサーとして出かけはしたけれど、旅行となると本当に1月の真珠婚式旅以来のこと、文字通りコロナ自粛に耐えた後、命の洗濯のための3泊4日である。

 大きな窓からナティエブルーの海(今は雨降りなので若干色がくすんでいる)を真っ正面に見ながら、三島由紀夫が愛したマドレーヌと紅茶で一服した。その大きなテーブルで海を見ながらこの記事を書いているが、夫は早くもお昼寝中である。

 このプランの嬉しい特典は、リラクゼーションサロンでオリジナルロールオンボトルも作れること。香りが爽やかで去年も夏の間大活躍だった。早速サロンに出向く。今年も3つの香りから去年と同じSHIMODAとFORESTをチョイス。前者はローズマリーとレモンが各2、ベルガモット7、ライム5の合計16滴が基本。ボトルを傾けゆっくりと滴を落とすのは至福の時間だ。今年はレモンがちょっと多めになってしまったけれど、とても素敵な香り。後者はシダーウッド4、ペニーロイヤルペパーミント3、スイートオレンジ1、ベルガモット8で。今日はペパーミントを少し多めにした。好きな香りに包まれて、すっかりリラックス。ブレンドに使った小さなビーカーやオイルのスポイトで調合するのはちょっとした理科の実験タイムだ。今夜と明後日に、去年と同じメニューのボディトリートメントの予約もして、ルンルンである。

 部屋でお茶をして本を読み終わり、夕方最後のシャトルバスでペニーロードまで繰り出した。
 お天気は怪しいけれど、傘はお守り代わりで差すことにはならなかった。踊り子号で沢山の人たちが降りた筈なのに街には殆ど人通りがない。皆どこへ行ったのだろう。
 コンシェルジュお薦めのレストランを予約して頂き、それまで時間調整のため暫し散策。柳の緑、紫陽花の紫のグラデーション、水辺にかかる橋の赤の絵になるこの風景は、1年ぶり。懐かしい気がする。残念ながら紫陽花はもう盛りを過ぎているけれど。

 以前から気になっていた川の畔のイタリアンレストランは、こじんまりとして素敵な空間だ。1番乗りで入ると、次にやってきたのは外国人の家族連れ。ご両親と兄妹が楽しそうに食事をしていった。その後地元の常連とおぼしき年配のご夫婦。3組で一杯になった。一番のお薦めというカニのパスタに、今だけのトマトの冷たいカッペリーニや生ハムのサラダに舌鼓。ポーランド製の小洒落たコーヒーカップでカフェラテを頂き、お腹一杯である。

 さて帰路にタクシーをお願いすると20,30分来ないとのこと。外国人の家族連れが一足先にお店を出て、奥の席にいたご夫婦とオーナーご夫妻と暫し歓談。オーナーのご主人と常連のご主人は秋田出身とのこと、夫も東北なので話が合うらしい。そしてオーナーの奥様は私達が住む市のご出身で、アウトレットモールにも何度もいらしたことがあるという。こんなところでご縁ですね、と。

 そういえば昨年お茶をしたカフェのオーナーも私達が住む市の出身だったことを思い出す。すっかり話し込んだところで、タクシーが到着。ご機嫌の夫は「また来ます。」とタクシーに乗り込んだところ、また忘れ物大王である。ホテルで借りた傘を忘れたことに気づき、慌てて取りに戻った。いつもながらトホホなことである。

 ホテルに戻り、マッサージの予約まで30分少々。急いで温泉に行き身体を温める。内湯と露天風呂ととりあえず制覇して、そのままサロンへ。
 昨年のカルテが残っていたので、胸回りのポートは避けて頂き・・・などという話もせずに済んだ。お腹がまだすっかりこなれていない状況で、うつ伏せになると息苦しく、途中でちょっと気分が悪くなりそうになり、焦った。あちこち凝っているところをホットシェルで温めながら流して頂くこと1時間以上。明後日は仰向けから先に施術しましょうということに。すっかりリラックス。美味しいハーブティを頂いてサロンを後にした。

 明日は良いお天気の予報、気温も上がるという。日曜日が終日雨でホテルに缶詰になりそうなので、明日は一日花を愛で、3度目の正直でロープウエイに乗って空の上から街を一望したいと思っている。
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