ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2020.6.28 滞在3日目は雨~ひたすらまったり籠城蟄居のつもりが・・・

2020-06-28 21:16:38 | 
 昨夜は温泉と露天風呂を愉しみ、早々と寝てしまった。初日の夜は英語を話すグループが露天風呂を占拠していたが、昨夜はスペイン語を話すグループが大勢で露天風呂を愉しんでいた。さすがに今のご時世、日本に観光目的で入国することは難しいだろうから、こちらに居住する方たちだろう。温泉地も実にインターナショナルなことである。彼女たちが露天風呂の入り口の階段部分を塞いでいたので、どいて頂くのも申し訳ないと、段差のない所から足を上げるときに岩で内腿をすりむいてしまった。トホホ・・・。

 6時間近く熟睡して一度お手洗いで目が覚めたが、再び夫の鼾にもめげずに眠る。夫に「大変だ!」と起こされたのはもうすぐ8時になるという時間。朝食が8時半からの予約である。慌てて身支度をしてレストランに降りる。8時間半近くも眠ったのは随分久しぶりだ。贅沢に時間が流れているなあと思う。
 予報通りの雨。窓の外に広がる海と空はあいにく灰色のグラデーションだ。

 今朝はお腹がもたれていない。昨日はお魚三昧だったけれど、ちょっと野菜が足りなかったな、と今日はビュッフェから野菜や果物をメインにチョイス。別に配膳される6種類の前菜とフレッシュジュースは残念ながら昨日と全く同じだったけれど、美味しく頂けて、お腹も壊すことなく快調である。食後はショップでお土産等を買い揃えた。

 風はそれほど強くはないが、庭のヤシの木の葉が揺さぶられている。強雨の予報であるが、午後からは曇りになるらしい。海はそこかしこで白い波しぶきが上がっている。お腹が一杯になった後は、部屋に戻って、食休み。今日は、ホテルで籠城蟄居でよいかなあ、とディナーとボディトリートメント以外はノープランの日曜日である。

 お部屋の掃除の方が来るまで、夫は食後の朝寝。私は柏井壽さんの「鴨川食堂もてなし」(小学館文庫)を読み始めた。NHKでドラマ化されたのが記憶に新しいのだけれど、実際には4年半も経っていたようでびっくり。そういえば流さん役だったショーケンも鬼籍に入ってしまったのだった。今回2冊しか本を持ってこなかったので、大切に第1話「ビーフステーキ」だけ読む。亡くなった父も”(ビフ)テキ”と呼んでいたことを思い出す。妻に先立たれ、教職を10年前に完全引退した認知症の80歳を超えた父が、亡き母と一緒に食べたというビフテキ、その食捜しの依頼人は50代で編集者の娘。時に母の役をしながら父の相手をする娘の姿にしみじみする。

 ラウンジに降りると、夫が早くもお昼の心配だ。まだ朝食を終えたばかりでこちらは全くお腹が空いていないが、「抜きというわけにもいかないでしょう?」と言われる。ラウンジでアフタヌーンティーを頂くと朝昼晩とホテルのレストランになってしまうので、しぶしぶシャトルバスで駅まで繰り出すことにした。
 外はまだ本降りの雨。まずは駅前のドラッグストアですりむいた内腿に貼る防水の大きなバンドエイドを購入した。

 今回、特急券だけしか手配していないので、明日出発前にバタバタしないように駅の窓口で乗車券を買う。そこから前回もお世話になった駅前のお土産屋さんを冷やかして、お腹が空くのを待つ。一方、今日も元気だご飯が旨い、の夫はもういつでも食べられます状態である。軽くていいので、前から気になっていたベーカリーカフェに入った。私はワッフルセット、夫はサンドイッチセットにプラスあんパン。「本当はあんドーナツが良かったんだけど・・・」等とぶつぶつ。貸し切り状態なので一番広いテーブルに席を決めた。

 食べ始めた時、テーブルに灰皿があることに気づいた。もしやここは喫煙席!?ただ、誰もいなかったので、ま、いっかと食事を続けたのだが、ほどなくして年配のご夫婦が入店し、珈琲を注文されるやいなやいきなり紫煙がこちらに。うわ、これはダメだ、と席を移ったが、一度出始めた咳は容易には止まらない。咳き込んで苦しくて涙目で食事どころではない。ついでに頭痛まで出現。ご夫婦にもお店の方たちにも申し訳なかったが、お店の方から「こちらが禁煙席です」というスペースを案内され、食事の途中で大移動となった。いやはや申し訳なかった。

 お店を出る頃には外の雨は小やみになっている。まだ帰りのシャトルバスには時間があるので、少しショッピングセンターを覗いて時間調整。駅前に戻ってお土産を買い足して、ホテルのシャトルバスで戻ってきた。
 ホテルから徒歩で行ける、ミシュランガイドで星をもらっているという海中水族館までの絶景の遊歩道は、昨年の台風19号で大きな被害を受け、今は工事で閉鎖中なのだそうだ。
 雨が止んで良かった、と思いきや、やはりまたポツポツと降り出している。不安定なお天気である。

 食後に予約していたボディトリートメントを夕方に時間変更して頂けたので、今夜はお腹がもたれて気持ち悪くなったら・・・等という心配はしないでよくなった。一昨日は就寝前だったのですんなり眠りに入れるようにマジョラムとスイートオレンジの香りにしたけれど、今日は何にしようか。
 トリートメント前に温泉に浸かって身体を温め、サロンに直行することに。幸いほぼ貸し切り状態で、柔らかなびわの葉のお湯を独占出来た。肌はすべすべしっとり。

 一昨日のようなお腹のもたれはなく、うつ伏せでも全く問題なし。昼に咳き込んでなんとなく喉から肺の辺りに違和感があったし、今日はこの後ディナーも控えており、眠くなってはいられない。お薦めのユーカリとグレープフルーツの香りにした。好きな香りで癒やされ、身体も緩むのがわかる。

 施術を堪能した後はドライフルーツがたっぷり入った、茶葉まで全部食べられるカシスティー(昨年はお土産に買って帰った。)を頂く。とても美味しい。一昨日はこれもろくに頂けなかったのだっけ。今回2日間施術してくださったSさん曰く、昨日、近くの浜に遊びに行ったら、外国の人だらけだったそうな。ロシア語、フランス語、スペイン語が飛び交っていて、日本人は自分たちだけだったとか。「また別の季節にいらしてくださいね。」と言われサロンを後にした。

 夕食はお任せのディナーコースが2種類のみ。フルコースはとても無理なので私はお魚だけのコースにした。ウエイトレスさんはベトナム出身という。数年前にハロン湾からホーチミンまでベトナム縦断旅行の話をしたら、目を輝かせていた。こちらに来て4年が経つけれど、なかなか帰れないという。
 このレストランご自慢の伊勢海老や金目鯛等が勢揃いのブイヤベースがメインだ。和食とフレンチのマリアージュ、海の幸満載で和洋のいいとこどりだ。お腹を壊したくないので、かなり夫に手伝ってもらって、別腹のデザートだけは完食。雨が止み、窓の外の夕焼けが美しかった。明日は晴れるだろう。食後はライトアップされた庭を散歩して部屋に戻ってきた。

 3泊4日の旅も瞬く間に最後の夜になった。毎晩のように「今日はお風呂はいいかなあ~」と言う夫(なぜ、温泉に来るのか、と毎回思う。)をこれから温泉に連行する予定である。
 明日は午後の特急で帰京する。命の洗濯が出来たのだから、火曜日から4日間、しっかりお仕事しなくては、と思うのである。


コメント (2)
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