ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2020.7.13 考え方は人それぞれだけれど・・・

2020-07-13 20:34:29 | 日記
 「がん治療の虚実」ブログの筆者、腫瘍内科医SHO先生(押川勝太郎先生)が現在注力されているYouTube公開質問動画で気になるものがあった。
 56歳、乳がん骨転移治療中の女性からの質問。年代も近いし、ステージ4ということもあり、10分ほどのもの。ちょっと拝見してみた。
 質問者ご自身としては、有力な治療法としてアテにしていた光免疫療法が骨転移には効果がないと言われたという。がんの進行で骨転移は悲惨なので、治療を止めて内臓転移で人生を終わらせた方がいいのか?というもの。ハーセプチン、パージェタで6年治療してきて自分は頑張った方だと思う、と。

 そもそもハーセプチン、パージェタ、ゾレドロン酸(ゾメタ)だけで病状が6年間押さえられた、ということがまずはとても凄いのになぁ、という素直な感想を持った。
 他人様と自分を比べてみても無意味ではあるのだけれど、私は昨年3月からハーセプチンとパージェタに抗がん剤ハラヴェンを加えた3剤併用療法を始め、副作用の酷さから3か月でギブアップし、2剤に減らしたところ、耐性がついて効かなくなり、1年1ケ月で変えることになった。

 6年という長期間効いてくれた(かつ身体が耐えられて続けられた)薬は今までに残念ながら一つもない。 ハーセプチンがなんとかつっかえ棒になってくれているくらいだ。他方、私よりも若干長い再発歴ながら、ホルモン治療の内服だけで10年近く無事に過ごし、抗がん剤治療はまだ始めたばかりという患者仲間もいる。本当に一口に再発といってもその辿る道は十人十色である。

 さらに、カドサイラも副作用があるだろうから、とまだ使っていないらしい。まだ56歳だ。抗がん剤は嫌ということなのだろうけれど、なんとももったいないことよ、と感じる。
 骨転移そのもので命を持っていかれることはないにせよ、転移する部位によれば歩けなくなったりQOLが下がることを案じているご様子。

 SHO先生は「骨転移には痛みがあるケースもそうでないケースもあるし、骨転移が悲惨な末路などということはないし、内臓転移がまだマシかといえばそんなことはありません。」と回答されていた。「内臓転移だったら、例えば腹水が溜まったり腸閉塞になったり、それは大変なことが沢山ある。あまり思い込みをしない方がよい。」と。どうしても隣の芝生に見えるのだろうけれど、この病気、そうそう楽な選択肢はないのである。

 どんな治療法がベストなのか、本当のところ、誰にもわからない。ある人には効いても別の人には副作用が強いだけで効かない薬もあるだろうし、また逆もあるだろう。やってみなければわからない、ある意味博打なのである。けれど、治療を続けるうえでは何より本人が納得して選択すること、それが一番大切なのは言うまでもない。

 もちろん質問者ご本人が仰る通り、6年でも十分頑張ったと言えるだろう。小学校に入った子どもが卒業するまでの時間、3週間に一度、雨の日も風の日も治療に通うわけである。たまたま、今、私は同じ治療をしていて酷い下痢にも悩まされてきたから、パージェタの副作用も身をもって体験している。
 だから、「しんどいな、もう十分頑張ったから(治療を)止めてもいいんじゃないか。」と思う気持ちは理解出来なくはない。

 それに比べて59歳になるまで12年半以上治療を続け、さらにまた明後日から新しい治療に命を繋いでもらおうとしている私は頑張り過ぎなのか、はたまたよほど生に対して執着があるのか、強欲なのか。ちょっと考え込んでしまった。

 今日は週初めの出勤。職場は在宅勤務の職員がほぼいなくなって、事務室には空席がない、かなりの密状態になっている。今後エンハーツの治療を始め、好中球が下がる時期に出勤してくることを考えると、不安がないといえば嘘になる。

 ずっとクローズしていた学内の生協食堂が今日から営業再開ということだったが、実際はテイクアウトのお弁当の提供のみ。購買も昼の時間限定で営業しているというので久しぶりに行ってみた。奥の扉が入口となり、従来の出入り口は出口専用、の一方通行になっていた。店内はがらんとして、レジも1つ開いているだけ。客も私以外1人のみ。商品棚には商品がないものも多く、スカスカした雰囲気だった。クローズしている間に賞味期限切れになって処分したものも多かったのだろうと推察するに胸が痛む。

 それでもここ数ヶ月、ずっと定価で購入していた文庫が1割引きで購入出来てちょっと嬉しかった(また買ってしまった。)。そして、これまたうんと久しぶりに、かつて当たり前のように使っていた某社の日本製マスク(小さめサイズ5枚入り)が200円ちょっとで買えたので、これもゲット。あんなに高くても買えなかったマスクが今や山積みである。

 今日は昨日の蒸し暑さはどこへやら、ひんやりと涼しいというよりも肌寒い1日だった。マスクをして歩いても、昨日ほどの苦しさはなかった。それでも坂道や階段はきつくてゆっくりゆっくりにして、暫し外させてもらった。

 今朝は出かける前に、早起き花屋のお兄さんが今月1回目のお花を届けてくれた。ミニヒマワリが5本、紫のリアトリスとアワが2本ずつ、レザーファンの葉。花言葉はそれぞれ「憧れ」、「向上心」、「調和」、「魅惑的」だという。
 しぶとい痛みにちょっと疲れた身には、ビタミンカラーにちょっぴり元気をもらった気がした。
 2週間後にあと1回切り花が届いたら、来月は鉢植えの月だ。本当に今年も折り返したのだなあとしみじみ思う週初めの夜である。
コメント (2)
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